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【Shooto2023#04】ザ・タイガー石井を迎え撃つ、田上こゆる─02─「潰して、新しいストーリーを創る」

【写真】この時の成果が見られるのは、今回からではないかという期待が田上こゆるにはある(C)MMAPLANET

18日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04で、ザ・タイガー石井と対戦する田上こゆるインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

「修斗ってコレで良いのか」。そのザ・タイガーが石井の話した言葉をインタビュー記事内で目にした瞬間、田上の表情が変わった。石井の勝利は、これまで修斗が構築していたランキング制とヒエラルキーが、本当の危機に直面していることを意味する。世代闘争という、ありきたりな言葉では片付けられない、今そこにある危機——ここから誰が飛び出すのか。田上が決意を語る。

<田上こゆるインタビューPart.01はコチラから>


——石井選手の発言に対して、ご自身が舐められていると感じますか。

「僕のことをどうこう言っているわけではないし、石井選手の意図は分からないです。ただ、『修斗のレベルも落ちたんちゃうか』と言われている気はしますね。石井選手も世界ランカーに勝って、そういうふうに言っていると思うんですよ。でも僕と旭那選手とは違うぞっていうところは試合で感じさせたいです」

——まず田上選手としては4月の試合で、石井選手が旭那選手に勝つと思っていましたか。

「いえ、思っていなかったです。正直言って石井選手のことは分かっていなかったし、それよりも旭那選手のことは知っていて。旭那選手も打投極が揃っている、MMAで強い選手ですよね。それが世界ランキング上位という位置にも表れていると考えていましたし。でも4月の試合を視て、『ここで負けるんや……』と感じたことは事実です」

——しかも石井選手は1カ月前に北海道PFCで負けてベルトを失い、その直後に修斗の世界ランカーに勝ったことになります。

「確かに、そうですよね。僕自身も修斗の世界ランカー(※取材時点では8位、現在9位)です。今は修斗に出ていない選手が、いきなりランカーと試合をする。そこで勝って、次にまたランカーと試合できるというのも……。それが良いことなのか、良くないのかは分からないです。イベントとしては良い面もあるでしょうし」

——はい、もちろんイベントとして活性化に繋がる面もあります。

「ただ、僕としてはアマチュアのことも考えてしまうんですよね。自分で言うのも何ですけど、今の立ち位置を簡単に得たわけではなくて。アマチュアからやってきて、一つずつ勝ってきました。そのあと3連敗し、ようやく連敗を脱出して今回の試合に臨むわけで。石井選手がどうというわけではなく、ポーンと来て誰かに勝って世界ランクに入るとか、そういうキャリアを積んできていないと思うんです」

——……。

「その意味では、いきなり世界ランカーと対戦するのもそうやし、負けるほうもどうなんかなと考えてしまいますよね」

——結果論ではありますが、石井選手と旭那選手の試合は経験の差もあったと思います。それはもちろん旭那選手だけでなく、修斗のランカー全員に課せられた問題ではないかと。

「分かります。僕も去年の4月に、沖縄でランキング外の選手(当真佳直)と対戦して、負けてしまったじゃないですか。その時も『ランカーを舐めんなよ。ブッ倒したんで!』という気持ちで臨みました。それでも負けてしまって……」

——田上選手も実際に、同じ経験をしているというわけですね。

「だからこそ今、『ランカーとして舐められちゃいけない』という気持ちは、以前よりも強いです。ファンの皆さん、僕を応援してくれている人たちもランカーとして期待してくれている。その期待に応えられるような、ランカーらしい試合をしたいですね」

——なるほど。石井選手の言う「緊張感やピリピリ感」という部分はいかがですか。

「僕は試合でいつも緊張感やピリピリ感があります。それが石井選手の言うものと同じなのか、違うものなのか。どういうつもりで石井選手が言っているのかは分からないけど、緊張感やピリピリ感って有るか無いかではなく、自分で創っていくものやと思うんで」

——おぉっ! 良い言葉です。

「石井選手には僕の緊張感やピリピリ感を、直接感じてもらいたいです。それは計量の時から分かると思いますよ。顔を合わせた瞬間に『コイツは他と違うぞ』と思わせたいです」

——計量の時から! それはとても楽しみです。

「僕も楽しみですね。今回は自分の持っているものを、しっかり出したいです。そういう戦いになればフィニッシュに繋がると思いますよ」

——では今更ながらですが、対戦相手として石井選手の印象を教えてください。

「前回の試合以外も視てみると、打投極が全部できる選手やなって思います。攻める力もあるし、極めることもできるし、キャリアも長いので経験値の差もあって。でも4月の試合を視るかぎりは、怖いところはないです」

——田上選手も立場は同じ、地元でベテランを迎え撃つホープですね。

「改めて考えると、石井選手だけじゃなく昔の修斗で戦っていた選手からすれば、歯がゆい面もある。それは何となく分かる気がします」

——というと?

「……『俺たちが戦っていた修斗は、そういうもんじゃないぞ』と。これでクラスBか、これで世界ランカーかって——。そういう雰囲気を石井選手が変えてくれるんじゃないかって期待している人も多いでしょうね」

——石井選手に変えてほしいと思うと同時に、その石井選手を倒して変えてほしいと考える人も多いと思います。

「分かっています。石井選手も、ただベテランとして若手の壁になろうとしているっていうわけじゃない。僕を潰しに来る。だから、本当に潰しに来ようとする相手を反対に潰す。若い選手がそれだけの意地を見せんとダメですよね。今回は、僕が石井選手を潰します。そして僕自身の新しいストーリーを創っていきますよ」

■視聴方法(予定)
6月18日(日)
午後1時00分~ Twit Casting LIVE

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