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【Level-G02】グラップリングT挑戦、平田直樹─02─「スクランブルとコントロール、そしてフィニッシュ」

【写真】あくまでメインはMMA。だからこそのグラップリング挑戦だ(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02で、初代ライト級王座決定トーナメントに出場する平田直樹のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

8人制のワンデー・トーナメント1回戦で、平田は元修斗環太平洋王者の遠藤雄介と対戦する。MMAのためのグラップリングという意識を持つ平田にとって、強豪が揃った今回のトーナメントは大きなチャレンジだ。その中で平田は自身のグラップリング力について、どのように考えているのか。このトーナメントで見せたい、自身の強みについて訊いた。

<平田直樹インタビューPart.01はコチラから>


――トーナメント出場者の中で、普段から絡みのある選手はいますか。

「カルペディエムの竹内稔さんとはロータスで練習したことがあります。寒河江寿泰さんもロータスに来られていますが、練習で組んだことはなくて。ロータスでお会いした時に、『今度のトーナメントは一緒に頑張りましょう』と挨拶しました」

――寒河江選手はグラップリングの練習時間に、平田選手はMMAの練習時間に来るため、その間にお会いする程度のようですね。

「そうなんです。もし一緒に練習していたとしても、殴り合うMMAとはまた意識が違ってきますね。僕の場合は」

――なるほど。1回戦の対戦相手、遠藤選手の修斗時代の試合を視たことはありますか。

「それが、ないんです。というより、まだ誰も試合映像を視ていないんですよ」

――このインタビューは6月8日、つまり試合の3日前に行っているのですが……。

「アハハハ。須藤選手のMMAの試合を視たことがあるぐらいで。遠藤さんに限らず、みんなの得意なところなどの情報は得ています」

――ちなみに遠藤選手の場合は、何が得意だと聞いていますか。

「跳びつき腕十字ですね。修斗時代にはクレイ・グィダに腕十字で勝っていて。やっぱり一発があるというか、強い武器を持っている選手は怖いと思います」

――相手が動きを止めたり、少しでも躊躇する時間があると極めに来る印象があります。

「僕はめちゃくちゃスクランブルして、7分間攻め続けます。その中で極めるチャンスがあれば取りに行きます。最初からサブミッションは狙うので、序盤に取れるかもしれないし、7分間攻め続けた末に極めるかもしれないですね。とにかく動きがある試合をしたいです」

――7分間攻め続けることを想定して、1日3試合を戦い抜くのは難しくありませんか。

「もちろん疲れるでしょうけど、スタミナも1日3試合はもつと思います。それ以上に、まずは1回戦を勝つことだけを考えています。これだけ名前のある選手が集まっているトーナメントですから、先々のことを考えていては1回戦をクリアすることはできないと思うので」

――では準々決勝に寒河江×峯岸のどちらが上がってくるか、という予想も立ててはいないのですか。

「予想はしていませんが、『峯岸選手は強い』と言う人もいるし、『寒河江選手が勝つ』という人もいます。だから1回戦の第1試合で、めちゃくちゃ注目されているんだろうなって思います。すごいマッチメイクですよね」

――ということは、もしかして試合当日まで出場選手の試合映像を視ることはないでしょうか。

「……視ないと思います」

――これは悪い意味ではなく、平田選手は今回のトーナメントを楽しもうとしていますね。むしろ知らない相手に、グラップリングで自分がどれだけできるのか。

「そういう気持ちはあります。MMAだったら勝ち負けに天と地ほどの差があり、1試合1試合しっかりと研究して臨みます。だからといって、決してグラップリングをナメているわけではなくて。むしろ強くて名前のある選手ばかりが出ているトーナメントですからね。ある程度の情報は得ながら、自分がどれだけできるのか。

たとえば練習でも全く組んだことのない、知らない選手とスパーリングすることもあるじゃないですか。試合でも相手が、今までと同じことをやってくる保証はどこにもなくて。だから知らない人たちばかりの環境の中で、僕がどれだけできるのかっていうチャレンジでもあるんです。何より、まずは1回戦を突破すること。1回戦で勝って他の選手とも試合できたらラッキー、というぐらいの意識でいます」

――現代グラップリングで足関節が多用されるなか、下になるとパウンドを受けるリスクがあるMMAでも足関節を極める選手が、また増えてきました。その意味では、MMAのためにグラップリングの試合を経験していても損はないと。

「はい。僕自身も高橋Submission君とか足関節が得意な選手と練習して、以前よりも足関節の対応についてはレベルアップしたと思います。とにかく自分とは違うタイプの選手と練習したり、試合をすることが楽しいです」

――今回のトーナメントもチャレンジの意味合いが強いと思いますが、優勝賞金の使い道は考えていないですか。

「次のMMAの試合(7月9日、パンクラスで糸川義人と対戦)が終わったら、休養兼合宿で沖縄に行こうと考えています。その費用に充てたいです」

――やはり練習費用に使いたいのですね。

「今はどこかに遊びに行きたいとか、そういう気持ちはないんです(笑)。MMAの試合はパンクラスが2~3カ月に一度——7月の試合のあとは、9月と12月にも出たいです。その間にグラップリングだけでなく柔術の試合もやりたいと思っています」

――それは楽しみです。あくまでMMAのためのグラップリングという意識を持っているなかで、ご自身のグラップリング力はどんなところが成長していると思いますか。

「スクランブルとコントロールです。相手の先を読んで動き、自分は動き続けることができる。抑え込んで、ジワジワと攻めながら最後に極めることができる。そのグラップリング力はパウンドのあるMMAでも生きてくると思いますし、グラップリングが強ければスタンドの打撃も生かせるようになる。今回のグラップリング戦では、そのスクランブルとコントロール、そしてフィニッシュを狙っていきます」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

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