【TUF Nation Finale】ケネディがビスピンを手玉に取る
<ミドル級/5分5R>
ティム・ケネディ(米国/8位)
Def.3-0:50-45, 49-46, 49-46
マイケル・ビスピン(英国/5位)
力強くタッチグローブしたビスピン、軽く左ハイキックから右ストレートを伸ばす。ケネディは一気にシングルレッグで組みつき、ケージにビスピンを押し込んでダブルレッグで尻餅、さらに背中をつかせる。ハーフから右のパウンドをケネディが落とし、左のパウンドをつなげる。バタフライガードからケネディの体を浮かせたビスピンだが、足を束ねられ立ち上がることができない。
残り2分、背中を預けて立ち上がったビスピンは、キムラ狙いの体重移動を利用され、再び背中をマットにつかされてしまう。左のパウンドを落とし、ケネディがマウントへ。パンチを落としバックマウントに移行したケネディは、ビスピンのえびに合せてトップキープを選択。ハーフから右エルボーをまとめたケネディが、初回を完全にモノにした。
苦笑いを浮かべてコーナーに戻ったビスピンは、2Rに入ると左ハイから左ジャブ、さらに右ハイを見せる。左ジャブにも間合いを外すケネディが、右のカウンターを狙う。時折り、サウスポーに構えるケネディは、オーソから右ストレートを伸ばす。さらに右ストレートを打ち込んだケネディの右ハイが、ビスピンの顔面をかすめる。それでも圧を掛けるビスピンが、ケネディをケージに追い込む。
動きが落ちたように見えたケネディだが、再びシングルで組みつきボディロックからテイクダウンを狙う。離れたビスピンは左の跳びヒザ、左フックに右フックを合わせる。距離を取ろうとし、ケージに追い込まれるシーンが増えるケネディ。ビスピンは慎重に蹴りを入れ、自ら間合いを取り直し、左ジャブを伸ばす。二段蹴りから距離を詰めたビスピン、流れを譲らないラウンドとした。
3R、テイクダウンにつなげたいケネディのパンチをかわし、蹴りからパンチを入れるビスピン。それでも、ケネディは右フックから姿勢を落とし、スっとシングルでテイクダウンにつなげる。すぐに立ち上がることができなかったビスピンは、ここでもバタフライガードへ。足を一本抜いたケネディが左のパウンドを入れる。枕で固定しパス、サイドを取ったケネディは、足を戻されても落ち着いてパウンド、そしてエルボーを落す。キムラクラッチもすぐに解除したケネディは、パスからマウントを狙う。
ビスピンはハーフに戻り、二重絡み、つまり立ち上がることはできないポジションを強いられる。ここでパスに成功したケネディがマウントへ。ビスピンがヒップエスケープを狙うと顔面にパンチを落すケネディ。足を戻されてもすぐにマウントを取り返す。ビスピンのケージウォークにも対応し、しっかりとサイドから抑え込むケネディは、1Rに続きこのラウンドもモノにし試合をリードした。
4R、テイクダウンを警戒し、慎重にならざるを得ないビスピン。ケネディはローシングルからハイクロッチ、さらにボディロックに移行しバックに回りこむ。胸を合わせたビスピンは、シングルに戻したケネディの頭を押して、足を引抜く。右ストレートを打ち込んだビスピンは、左ジャブも伸ばす。と、ケネディの右フックを受けたビスピンが下がる。ケネディは組みつくが、ここは無理をしない。
ケネディはテイクダウン&トップで取ったラウンドの次は、ペースコントロールをしているようだ。そんな力を抜いた戦いが功を奏し、左フックや右フックがビスピンの顔面を捉える。残り30秒、再び右ストレートをヒットしたケネディは、眉間を切って流血しながら、ビスピンを追い込む4Rとなった。
最終回、ワンツーから左ハイを見せるビスピンだが、距離が合わない。直後に組みついたケネディがボディロックからテイクダウン。一度は立ち上がったビスピンを倒し、パス。その後も立ち上がろうとしたビスピンのバックに回り込むなど、先手先手を行く。ハーフからマウントを許したビスピンは、厳しい展開が続く。動きを封じ込まれたビスピンはレフェリーに手を広げて、動かないとアピールする。と、レフェリーがこれに呼応して、ブレイクを命じる。
立ち上がる術がなくても、スタンドに戻ったビスピンだが、肝心の打撃が焦りからか空回り、逆に右ストレートを被弾する。残り30秒を切り、ようやく左フックをヒットさせたビスピンだったが、反撃の時間は残されておらず、このままタイムアップに。結果、ビスピンを手玉に取ったケネディが3-0の判定勝ちを収め、トップ5に近づく勝利を挙げた。