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【Pancrase330】12・25を読む 新居すぐる戦へ、高木凌─02─「日本一のストライカーだと思っている」

【写真】勝利の咆哮が、今度は横浜で爆発するか (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE330で、新居すぐると対戦する高木凌のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き、高木の右ストレート論を訊く。ここまで詳細に語ってくれるのは、それだけ右に自信を持っているからに違いない。さらにこの後編では、自身のグラップリング力についても説明してくれた。注目のルーキーが横浜武道館で見せるのは、必殺の右ストレートか、それともグラップリングの秘めたる実力か。Pancrase330――12・25を読む。第11弾は高木凌インタビュー後編をお届けしたい。

<高木凌インタビューPart.01はコチラから>


――これだけ右ストレートでKO勝ちを続けてきた高木選手です。ただ、その右が当たらなかった場合のことは考えますか。

「それは考えていますし、実際に外れた時もあります。ただ、自分の中で絶対に当たるというタイミングでしか右ストレートは出していないんですよ。普通は、右ストレートを出す時って左フックをフォローで返せるぐらいの重心じゃないといけない。でも僕は、左フックを返せないぐらい前に重心を乗せて右を打ちます。むしろ意識して全体重を乗せていますね」

――右を打つ際に全体重を乗せていると、打ち終わりにテイクダウンを狙われるのがMMAです。ただ、そういえば右の打ち終わりに組まれるシーンもないですね。

「はい。逆に、むやみに右を打つこともないです。よくMMAは手数が多いほうが良いって言われるけど、僕は手数が少ないほうが良いと思っています。手数を出した時に自分が右を打つモーションがバレるのも嫌なので。だから手数も少なくして、ココっていう時に右を出しているんですよ。もちろん、他にも倒すパターンはありますけど」

――なるほど。キャリアの話に戻ると、塩田GOZO歩代表は、高木選手のことを「MMA PREP SCHOOL卒業生」と表現しています。このMMA PREP SCHOOLというのは何のことなのでしょうか。

「館長が良い選手だと思ってくださった僕ともう一人アマチュアの選手を、育てて上げていく姿をYouTubeで流していくという企画だったんです」

――パラエストラ八王子版リアリティショーをYouTubeでやっていたのですか。

「そうなんです。僕たちが成長していく過程を動画で流していく形でした。いろんな選手がいるなか、館長が僕を選んでくれたのは嬉しかったです。その期待に応えたいと思って、これまでやってきました」

――なるほど。塩田代表が高木選手のプロデビュー戦、漆間將生選手との試合(2021年9月に1ラウンドKO勝ち)を「MMA PREP SCHOOL×格闘DREAMERS」と煽っていたことが理解できました。パラエストラ八王子にとってはリアリティショー対決であったと。

「あの試合は、やってやろうという気持ちが強かったです。相手は格闘DREAMERSに出ていて、知名度もあって――。会場も相手の応援団が凄くて、自分はアウェイな感覚でした。だから絶対にKOしてやると思っていて、実際にKO勝ちした時は本当に嬉しかったです」

――高木選手は柔術で青帯を取得していますよね。ジムに長身のストライカーが多いとしても、格闘技経験なくパラエストラ八王子に入会した高木選手にとっては、試合スタイルの選択肢も幅広かったはずです。もしかしたらグラップラーになっていたかもしれない。そのなかでストライカー、特に右ストレートを中心としたスタイルを選んだ理由は何だったのですか。

「それは性格的なものだと思います(笑)。もともと殴って倒すことが好きでした。それでスパーリングをし始めた時に、勝手に打撃のスタイルになっていたんですよ。そのまま流れに任せていたら、今のスタイルになっていきましたね。

アマチュアの試合で一度、打撃で押されて判定負けしたことがあるんです。自分の打撃には自信があったのに……。そこからボクシングジムに通って、さらにパンチを磨いてきました」

――一方で以前、塩田代表はしっかり柔術をやらないとプロデビューさせないと仰っていました。その点はいかがですか。

「ギの練習をやり始めたのは最近ですね。ずっとノーギ、グラップリングはやっていましたし、自信があります。そのグラップリングで学んだことが、ギの練習をすることで、さらに磨かれていると感じます。特にギの練習をしていると、グラップリングの時にパスしやすくなりました。これは来年の話になってしまいますけど、どんどんグラップリングの試合も出ようと思っています。グラップリングであれば、柔術の茶帯や黒帯の選手とやり合える自信がありますね。

実は3試合目(渡辺謙昭戦)で使った、1Rのギロチンは得意な形なんです。右ストレートでダウンを奪ってから、ハーフガードの相手の首をトップから取りました。あの状態からパスして、マウントを取ってからどちらかに飛んで極めることができます。いま考えると、あそこで極めに行けばよかったですね。あまり深く入っていなかったので、そのまま抑え込みました」

――それだけグラップリングの攻防に自信を持っているのであれば、ぜひ試合でも見てみたいです。なにせ渡辺戦以外は全て1Rに右ストレートによるKOですので……。

「新居選手はグラップラーなので、組む展開もあると考えています。もちろん自分もグラップリングには自信があるし、アームロックを狙ってきた場合の対処も練習しています。相手はパンチで飛び込んでくることもあるし、そこは注意したいです。スタンドでは、どちらの一発が当たるのかっていう試合になると思いますね。どちらにしても、全て自分のほうが上回っているという自信があります。

自分にとっては次の試合が5試合目で、横浜武道館という大きな会場で試合ができることは、とても嬉しいです。そこでRIZIN帰りの新居選手を相手にド派手なKOを見せて、会場の雰囲気をブチ上げたいですね」

――ちなみに、高木選手にとってMMAをやっていく目標は何ですか。

「目指すのは世界で戦うことです。そのためにも、まずは日本一のストライカーになりたいですね。自分ではすでに日本一だと思っていますけど、それを試合で証明していきます」

■視聴方法(予定)
12月25日
午後2時30分~U-NEXT
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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