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【UFN210】グレーブリーと対戦、ジャビッド・バシャラット「他のバンタム級ファイターとは違う」

【写真】明晰な頭脳と、タフな精神を持っていそうなジャビッド・バシャラットだった(C)MMAPLANET

17日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN210:UFN on ESPN+68「Sandhagen vs Song」でジャビッド・バシャラットがトニー・グレーブリーと対戦する。

アフガン生まれ、7歳の時に英国へ移住したバシャラットは、弟のファリドが前回のコンテンダーシリーズでUFCとの契約を実現させた。ファイトウィークに弟が人生を賭けたし勝負に挑む。その事実はジャビッドの心理状態にどのような影響を与えたのか等を尋ねた


――2度目のUFCでの試合を土曜日に控えているなか、昨夜のコンテンダーシリーズでは弟さんのファリドが試合をしました。自身の試合があるなかで、弟の人生が懸かった試合がある。戦いになかなか集中できなかったのではないでしょうか。

「もちろん、弟の試合のことは気になったよ。でも、これまでに何度も同じに日に戦う経験を子供の頃からしてきた。同じ週ではなく、同じ日にね。そうやって僕らはキャリアを積んできた。今回は僕にとっても、弟にとっても人生で一番大きな試合という状況だけど慣れたものだよ。こういうのはね。

それに弟の力を信じていたし、間違いなく勝ってUFCと契約できると思っていた。だから何もマイナスになることはなかった。ファリドには『契約が懸かっているからと言って、何か余分なことをする必要はない』と伝えていたんだけど、しっかりとそのアドバイスを守っていたよ。サブミッションやKOが望まれているのは分かっている。でも、弟のスタイルは綺麗で、普通にやれば詰まらない試合にはならない。だから無理矢理フィニッシュを狙い過ぎて、いつもと違う動きをする必要なんてないんだ」

──コンテンダーシリーズだからといって、自分のスタイルを変えてはいけないと。

「もちろん、退屈な試合をしてはいけない。ファリドは普段から、動きで人々を魅了できる。だから、自分の良さを失わないで戦うことが必要だったんだ」

──実際判定勝ちでしたが、フィニッシュできなかったことで契約できないかもという不安はなかったですか。

「ほとんどなかった。弟はやり過ぎることなくフィニッシュを狙っていたし、相手はタフだったからね。いつもフィニッシュできるわけがない。コンテンダーシリーズではフィニッシュが必要というのはその通りだ。でも、狙いすぎてペースを乱した結果、隙ができて負ける選手もいる。当然、安全に戦うことは大切だけど、そこに重きを置きすぎた試合をしてはダメだ。気を抜かないよう、フィニッシュを狙う。そういう試合をファリドはしていたよ」

──結果、UFCとのサインを勝ち取りましたが、ファリドの勝利はジャビッドの背中をさらに押してくれたでしょうか。

「もちろん、そうなったよ。もう弟の試合のことを考えないで済むしね。今はリラックスして、自分の試合に集中している。ただ弟と一緒に勝つことをモチベーションにしていたわけじゃない。戦うのは僕本人、他からモチベーションが得られるようは求めていない。それでも一緒に練習して、弟が自分の戦いをして勝ったのだから、自分もそうできると信じているよ」

──ところでジャビッドはアフガニスタン生まれですが、英国育ちだそうですね。

「20年前、7歳の時にアフガニスタンを離れた。アフガニスタンは内戦状態が続いており、家族が安全に生活できる環境がなかった。父は国を離れることを決め、まずはパキスタンの難民キャンプに身を置き、そこからロンドンに移り住んだんだ。アフガニスタンにいる時は体だけでなく、メンタル面でも常に生き残ることを考えて、凄くタフになれた。そしてロンドンでマーシャルアーツに出会って、新しい人生を見つけることができたんだ。英国が、ロンドンが僕らの人生を変えてくれた。感謝してやまないよ」

──今はそのロンドンを離れて、ラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで練習していますね。

「ロンドンを離れたわけじゃない。練習のために来ているんだ。ボクシング、キックボクシング、柔術、レスリングと全ての面で上達させるには、上のレベルでの練習が必要だった。コンテンダーシリーズに出た時にエクストリーム・クートゥアーで練習させてもらい、UFC PIも知った。『あぁ、ここだ。次のレベルに行くには、ここで練習するしかない』と思った。ただ僕はいつも練習しているから、ずっとラスベガスにいることになる(笑)。

楽ではないね。生活のコスト、練習をするのも金が必要だ。そうやって10カ月やってきたので、なかなかハードだよ。でも、将来に向けて僕のスキルは朝の練習ごと、夜の練習ごとに進化している。ジェイク・シールズとデイビー・クーパーのお陰でね」

──バシャラット兄弟の試合を見ていると、しっかりと自分をコントロールして、やるべきことがクリアになって戦うことができているように感じます。

「試合中は何を考えようが、何が起こるか分からないことを理解しているんだ。だから、弟の試合でもコーナーに就くことはない。僕の戦いは僕の戦いで、弟の戦いは弟の戦いだ。集中力を切らさないよう戦うだけなんだ。それは僕の生い立ちのなかで、身に着けることができた能力なのかもしれない。

自分が何をしないといけないのか。自分のすべきことに集中している。運よく、ここまで無敗でこられたけど、自分のやるべきことをやって負ければ、そこから学ぶことは大いにあるはずだ。自分のやるべきことができず、全力で戦えない方が敗北よりも良くないことだと思う。こんな風だから試合前は凄くナーバスになってしまうんだ。

相手を恐れているからじゃない。自分の全てを出して戦えるかどうかという部分で神経質になる。僕が人生を賭けて練習してきたことを、15分で出し切れるのか。出し切れないことを考えると、怖いんだ。簡単なことじゃないからね、相手がいて。その相手も同じに様に全てを賭けて僕を倒そうとしているわけだから」

──ところでエクストリーム・クートゥアーでは、日本人選手と練習することもありましたか。

「イエス、イエス、イエス。タツロー・タイラ、リョー・オカダ。それとレイだ。凄く気持ちの良い連中だよ。リョーはベリーナイスガイだ。そして、皆よく練習をするし。良い練習ができた。レイも良い選手だ。将来有望だよ。レイは練習をしっかりして、パーティーもせず練習で何がデキて、何がデキなかったかをしっかりと分かっていた。とてもスマートだ」

──怜選手は前の日曜日に日本で試合をして、1RでTKO勝ちしています。ジャビッドも続きたいところですが、グレーブリーは力強いテイクダウンを持つレスラーです。ジャビッドは彼に対して、どのようなアドバンテージを持っていると考えていますか。

「全てだ。僕は全てにおいて彼を上回っている。レスリングですら、ね。レイに尋ねてくよ。どれだけ僕はレスリングが強いかのを(笑)。僕はウェルラウンディット・ファイターだ。レスリング、グラップリング、打撃、全て僕の方が上だよ。彼はレスリングがベースだから、テイクダウンを狙ってくるだろう。でも、受けて立つよ。テイクダウンを奪われることはない。試合を見て欲しい。

土曜日は、僕が他のバンタム級ファイターと違うところを見せるよ。いつまでもランク外やランクの下の方で戦うつもりもない。すぐにランキングを上げて、大きな契約をして、ビッグマネーを手にするよ(笑)。もちろんタイトル挑戦がすぐに実現するとは思っていない。でも、まだ時間も残されているし、急がない。それに本音をいえばトニー・グレーブリーは最もハードな相手だ。KOパワーがあるし、レスリングが強い。でも何を恐れていない。自分がどれだけのものか、トニー・グレーブリーと戦った確認するんだ」

■視聴方法(予定)
9月18日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN210対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジュグアニ(米国)
グレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
ビル・アレジオ(米国)

<ミドル級/5分3R>
アレン・アメドフスキー(マケドニア)
ジョセフ・パイファー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボザー(カナダ)
ホドリゴ・ナシメント(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
デイモン・ジャクソン(米国)
パット・サバティーニ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
トレヴィン・ジレス(米国)
ルイス・コウシー(米国)

<女子バンタム級/5分3R>
アスペン・ラッド(米国)
サラ・マクマン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ローマ・ルックンブンミー(タイ)
デニース・ゴミス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トレイ・オグデン(米国)
ダニエル・セジューベル(メキシコ)

<女子フライ級/5分3R>
マリア・アガポヴァ(カザフスタン)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー(米国)
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)

<ライト級/5分3R>
ニコラス・モッタ(ブラジル)
キャメロン・ヴァンキャンプ(米国)

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