【Fight & Life】ONE FN01でDJと再戦、アドリアーノ・モライシュ「誰が一番強いのかを知りたいなら…」
【写真】KING OF COMBAT SPORTSのチャンピオンとしての矜持が感じられたミキーニョだった (C)MMAPLANET
27日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night01「Moraes vs Johnson 2」。イベント名にあるようにメインでデメトリウス・ジョンソンの挑戦を受けるのが、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュだ。
今大会は米国のプライムタイムにAMAZONプライムで初めて配信が成される大切なイベントで、両者は2021年4月にもTNTの第1回中継大会で拳を交えている。そんなONEの全米進出の切り札カードを戦うチャンピオンの現地インタビューが、26日(金)発売のFight&Life#92に掲載されている。
ブラジリアのストリートファイターが、柔術に目覚め、MMAで頂点を目指すなかでアジアを主戦場していったという歴史が、初めて本人の口から語られる。そんなインタビューでスペースの都合上、掲載できなかったミキーニョとONEの関係、そして複合マーシャルアーツ・イベントとなったONEにあって、MMAの世界王者としての誇りについて──をここで掲載したい。
──ミキーニョがONEで戦い始めた頃はビクター・クイが代表の時代で、今のような規模のグローバル団体ではありませんでした。今もアジアを拠点にしているのは同じですが、ONEに対しての世間の評価は、ビクターの時代と現在のチャトリ時代では全く違います。当時ATTに拠点に移したことで、米国で戦っていきたいと思うことは?
「確かにアジアに遠征に行くと、時差や到着タイミングとか問題はあった。特にビクターの頃は水曜日に到着して、金曜日に試合をするパターンが多かった。でもファンが凄く熱くて、勝っても負けても反応が素晴らしい。それに多くの団体はプロモーターの都合だけ運営が行われており、選手の意見など聞いてくれない。でもビクターもチャトリも聞く耳を持っている。
ビクターもそうだし、チャトリとはシンガポールで一度、しっかりと話をした。正直に、僕はチャンピオンだけど米国に移り住んで生活も大変だって。そうしたら、チャトリは『ミキーニョ、私がデキるサポートは惜しまない』と契約更新の時の条件を一新してくれたんだ。
話をする機会を創らないボスは信用できない。もともと僕はビクターやチャトリが用意する試合は全部やるつもりでいたけど、彼らはちゃんと僕と対話してくれた。これははっきり言えるんだけど彼らが僕に与えてくれた尊厳は、僕の彼らに対する忠誠心を確かなものにしたよ」
──周囲の練習仲間は北米メジャーで戦う選手が多いですが、米国で知名度を挙げたいと思うことは?
「そういうことは本当に気にならないんだ。多くの人はそういうことを気にかけているみたいだけど、僕は自分が何者か理解している。これまで何をやってきて、これからどうするのかも分かっている。一つだけ正解があるとすれば、サークルケージのなかで良いパフォーマンスを見せることだけだよ」
──ところで昨年4月のTNTでのライブは期待ほどの成果を得ることができなかったですが、アマゾン・プライムの配信でONEの知名度が米国で上がると期待していますか。
「きっと米国のファンもONEという色々なスタイルの強豪が集うマーシャル・アーツの殿堂を楽しむはずさ。ムエタイ、キックボクシング、サブミッション・グラップリング、当然MMAの試合もある。アマゾン・プライムでの配信はONEの選手にとっての勝利ではなく、米国のファンにとって勝利なんだよ」
──本気でそう思っているのですか。ちょっとキレーに話し過ぎていないですか(笑)。自分は正直なところMMAが好きすぎて、グラップリングはともかくキックやムエタイが続くと早くMMAの試合になれよと思ってしまいますよ(笑)。
「僕もONEと契約しているチャンピオンだからね(笑)。いや、実は僕だってそう……ムエタイやキックを楽しんで視ている時もあるけど、MMAほど複雑で選択肢の多いスポーツは他にないからね。それに誰が一番強いのかを知りたいなら、薄いグローブを着けた5分5R制の試合を見れば良いと思っている。
と同時にムエタイが好きなファンもいるだろうし、キックファンも存在している。別のルールの格闘技の試合を一挙に見ることができるのは、それでも良いことだと思うよ」
──そうですね。MMAだけだと、米国のファンはUFCとONEを直接比較するでしょう。でも、ムエタイもキックもあればまた違った角度からONEを感じられるはずです。だからこそMMAのチャンピオンとして、ムエタイやキック、あるいはグラップリングのチャンピオンに負けない存在感を示さないといけないという気持ちになりませんか。
「それはそうさ。MMAが世界で一番ハードなスポーツなんだから。そして見ていても、色々なアクションがある。最も完璧な戦いがMMAだからね」
──ただグラップリングほどではないですが、ムエタイやキックと比較するとファンに知識が必要になるのもMMAの特徴です。
「ONEでMMAの凄さを理解してもらうには、2つの方法がある。まずはミックスファイト・ルールだ。当然、今はDJとのタイトル防衛戦に集中しているけど、ベルトを守ればミックスファイトで戦うというオプションは僕にもある。
DJが既にロッタンと戦って、MMAがベストであることを示してはいるんだけど、その機会が巡ってくればジョナサン・ハガティーと戦ってみたい。彼は素晴らしいムエタイ選手だから。でもね、最強の男を決める戦いは薄いグローブをつけた5分5Rの戦いさ。繰り返しになるけどね(笑)」
──MMAの凄さを理解してもらうためミックスルールで戦うと。
「もう一つの方法は、次のタイトルマッチではコメインのムエタイ世界戦よりも、僕の試合の方が素晴らしいショーだと証明する。とはいっても、ある意味答えは出ているんだ。だって僕はメインイベントで戦うんだから。ONEフライ級で僕は試合数、タイトルマッチの数、勝利数、フィニッシュ数で一番なんだ。この数字は嘘をつかない。KOか、サブミットで勝つ。それがメインイベントを戦うモノの務めさ」
■放送予定
8月27日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午前10時00分~ONE Supper App
■ ONE FIGHT NIGHT01対戦カード
<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] リアム・ハリソン(英国)
<ムエタイ・フライ級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
サヴァス・マイケル(キプロス)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
マウロ・チリリ(イタリア)
<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
ジョナサン・ハガティー(英国)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
リン・フーチン(中国)
<ムエタイ58キロ契約/3分3R>
ディアンドラ・マーティン(豪州)
アンバー・キッチン(英国)