この星の格闘技を追いかける

【DEEP109】フライ級GP1回戦へ、本田良介ー02ー「越智さんがどうこうより、前回の自分を超える」

【写真】ともに敗戦からのGP出場、生き残るのはどちらだ!?(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP109で、越智晴雄とDEEPフライ級GP1回戦で対決する本田良介のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

抽選の結果、本田の対戦相手が元チームメイトであり、現在もマネージメントが同じという越智に決定した。その越智とともに向かった抽選会場までの道で、本田の中に去来したものとは――。ぜひ越智晴雄インタビュー後編と併せて読んでほしい。あとはもう、思いっきり戦うだけだ。

<本田良介インタビューPart.01はコチラから>


――仰るとおり格闘技は……それこそ人生も、自分が思ったとおりにはならないことのほうが多いです。ただ、それでも対戦相手が越智選手になることは、全く考えていなかったのではないですか。

「アハハハ! どちらかに選ぶ権利があれば、お互いに選ぶことはなかったと思います」

――まず抽選会場の最寄り駅を降りたところで、越智選手に遭遇したそうですね。

「そうなんですよ。別に待ち合わせをしていたわけでもなくて。僕なんて最初に電車を降りたところから道を間違えていて、反対側に歩いていたんです。それに気づいて駅に戻ったら、越智さんと会いました(笑)。

お互いトーナメントに出る以上は、どこかで当たるかもしれない。でも自分と対戦する前に負けてほしい……そういう気持ちもありました。ちょっと複雑なんですけど。ただ、もし越智さんがベルトを持っていて、自分が勝ち上がっていったら挑戦するっていう場合もありますからね。同じ階級にいれば。だから対戦が決まったら、やるしかないって考えていました」

――……。

「もちろんMMAの試合で相手を憎んでいることはないし、憎んでいる相手と殴り合うということではないじゃないですか。自分の好きな競技だから――甘いって言われるかもしれないけど、MMAは殺し合いじゃないって信じているので」

――なるほど。抽選会では本田選手が14番目となり、最後に空いている枠に入らざるを得ない立場となりました。

「抽選では早い段階で9月の枠が埋まっていって、僕は14番、最後に入る立場で良かったです。どちらかといえば8月に試合をしたかったですし。最後に空いているところへ入るだけだから、何も考えなくていい。そうしたら……えっ!?って(苦笑)。

ただ、さっき言ったような気持ちで抽選会に向かっていましたし、何も考えずに最後の枠に入る立場だったので。ある意味、誰と対戦しても意外だったと思います。自分にとっては。GP出場メンバーの中で対戦経験があるのは、杉山廣平選手と駒杵嵩大選手だけで」

――本田選手に限らず、今回はどのような組み合わせになっても初対決になる可能性が高い出場メンバーですよね。

「あとは練習したころがあるのが、越智さんと原虎徹君ぐらいですし。そういうGPに選んでくれたのは嬉しいです」

――話を戻すと、そういった時に自分の感情を押し殺すことができる、冷静に受け止めることができるのは以前からですか。

「昔からっていうわけじゃないけど、格闘技をやって変わってきたのかもしれないですね。プロデビューが25歳で、いろいろ考えてきました。なるようになるというか、自分が身勝手に思ったことが実現するのって、ほとんどないですから。自分の都合だけ考えていると……それが実現しちゃったら、おかしいですし。

減量でも試合でも、そんなことに直面してきて……。たとえば黒澤選手との試合(2019年9月、本田が判定勝ち)って、計量で失敗したじゃないですか。あの時も試合の1週間前までは、すごく調子が良くて。でもその後は計画通りに落とせませんでした。なんで思ったとおりにならないんだ、って考えましたね。

試合は、当日計量でOKだったらやりますよ、って黒澤選手が言ってくれたので本当に感謝しています。でも、その時に思いました。自分の思い通りになることばかりじゃない。それでも、やるしかないんだって」

――人間は、どこかで自分に都合の良いほうに考えがちです。自身の中で「こうなる」と考えていることは、単に「こうなってほしい」と思っているにすぎない場合もあります。

「格闘技っていう競技は、お互いに勝ちたいと思っている選手同士が戦うわけだから、どちらかの気持ちは叶わないんですよね。そういう競技をやってきたからこそ、目の前のことを受け入れて、そこに立ち向かう考え方になっていったのかもしれないです」

――なるほど。では対戦相手となった越智選手についてですが、以前一緒に練習していた頃と現在では印象は異なりますか。

「越智さんのイメージがどう、というより、自分はどう変わったのかなとは考えています。越智さんはキャリアもあって、勝負強いし、体力があって最後まで前に出て来る。そういう強いファイターではあることは変わらないので」

――対してご自身は、前回の杉山戦から何か変化したところはありますか。

「次の試合は思いっきり行きたいです。動きや体力については、前回の試合に向けて調整できていました。でも自分の動きを出す前に一発もらってしまったので。今は、試合でもっと自分の動きを出すための練習をしています。

それは誰が対戦相手になっても変わらないですね。まずは自分の気持ちを見直すところから、練習を始めます。前の試合の自分を超えられるように……常に、試合では何かを超えたいと考えています。

何が何でも勝つ。今回はトーナメントなので、勝てば次の試合がありますから。必ずこのGPで生き残る。自分がトップとしてやれるんだ、っていうところを見せます」

■視聴方法
8月21日(日)
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送PPV

■ DEEP109対戦カード

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
原虎徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
小川徹(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
本田良介(日本)
越智晴雄(日本)

<DEEPフライ級GP1回戦/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
ビョン・ジェウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
今成正和(日本)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
鈴木槙吾(日本)

<バンタム級/5分3R>
石司晃一 (日本)
山本聖悟(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
トーマス(米国)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分2R>
林豊(日本)
中村真人(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
ゲオ・レバナ(コンゴ)

<バンタム級/5分2R>
KENTA(日本)
岩見凌(日本)

PR
PR

関連記事

Movie