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【Pancrase328】北方大地に挑戦、山北渓人─01─「誰からベルトを獲るのかが大切になってくる」

【写真】一つ一つの質問を丁寧し、そして自信を持って答えていた山北(C)MMAPLANET

18日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE328で、山北渓人が北方大地の持つストロー級KOPのベルトに挑む。

専修大学レスリング部出身、プロアマ通してMMAで負けなしの山北は、王座挑戦権を手にしてから9カ月、この時を待った。王者は12月に防衛戦を終え、3月にRIZINで戦った。プロMMAキャリアはまだ2年5カ月の山北にとって、この9カ月は自らが強くなるために貴重な時間となっていた。


──タイトルマッチまで4日となりました(※取材は7月14日に行われた)。デビューから1年8カ月で6試合をこなしてきた山北選手ですが、前回の野田遼介戦から9カ月というインターバルがありました。

「12月に北方選手の防衛戦が決まっていたので、それが終わってから暫らく時間が空くだろうしオファーが来たらいつでも戦えるように準備していました。ただ、4月ぐらいかなと思っていたのですが、北方選手がRIZINに出たのでこれだけ空きました」

──自身の挑戦が決まっているのに、チャンピオンの目が違うところを向いた。そこに関しては、素直にどのように思いましたか。

「別にそこは良かったです。過去6試合の対戦相手と比較すると、段違いで強い選手に挑戦するわけですし。準備期間が増える方が、自分にとってはありがたいです。僕が北方選手の立場だったら、逆に早く戦いたいと思ったはずです」

──なるほど。とはいえ自身が目指すチャンピオンです。村元友太郎選手というDEEPの選手との対戦では、勝ってくれと応援していたのではないですか。

「負けてベルトの価値を下げないで欲しいと思っていました。結果、勝ってくれたので良かったです。僕としてはベルトを獲るのも、誰からそのベルトを獲るのかが大切になってくるので。北方選手の持つタイトルに挑戦できることが有難いです」

──チャンピオンがステップアップし、王座決定戦でチャンピオンになるのと意味合いが違うと捉えているということでしょうか。

「ハイ。最近、そういうことが多いですけど、強くないとチャンピオンになっても意味がないので。壁になってくれる選手を乗り越えないと、満足はできないです。強い北方選手に挑戦できるので、この試合のない9カ月の間、練習だけに打ちこめました。僕はまだキャリアは少ないですし、凄く大切な時間になりました」

──北方選手は12月の防衛戦に続き、3月のRIZINを終えて山北選手と戦う準備に入った。対して山北選手は去年の10月の試合後から対策練習ができていたわけですね。

「正直、対策練習らしい対策練習はそれほどしてこなかったです。打撃も組みも、防御への意識は高めたことはありますが、普段の練習とほとんど変わりなかったです。これまでも試合前だからといって、対策練習に重点を置くことはなかったですし。今回もいつも通りの練習で強度を高めたぐらいです。大切なことは、僕自身が強くなることなので。これだけ試合がなかったのは初めてなので、試合のことを考えすぎることなくガムシャラに鍛えることができました」

──山北選手といえばテイクダウンからコントロールで強さを見せてきました。この間、どこを強化してきましたか。

「これまでもずっと打撃の練習もしてきましし、その打撃も良くなってきたと言って貰えています。組みでもコントロールだけでなく、極めの部分に拘って練習し柔術の試合にも挑戦しました」

──おお、柔術のトーナメントで出ていたのですか。

「ハイ。2月の東京柔術オープンと4月の全日本選手権に出場しました。東京柔術オープンは5人ぐらいの参加だったので2試合ですが、全日本は参加人数も多くて4試合か5試合して、オール一本勝ちできたので……柔術ですが、自信になりました。ある程度の極める力もついていると思います」

──カテゴリーと階級は?

「青帯のライトフェザー級です」

──なるほどぉ。いやぁ、もちろん青帯のトーナメントにも黒帯になって世界を獲るという選手も含まれているかもしれないですが、仕事終わりに汗をかいた成果を知りたくて出場していた人には、気の毒です(笑)。大学までレスリングをして、MMAで6連勝の選手が自分のトーナメント枠にいるなんて。

「……。いやぁ(苦笑)。でも、柔術は柔術ですし。他の格闘技をやってきたことで帯を貰うわけにはいかないです。柔術で結果を残さないと、飛び級は良くないです」

──真面目です(笑)。ところで柔術のトーナメントに出るということは、普段から道着の練習をしているのですね。

「感覚的なことなんですけど……グラップリングだけやるより、柔術もやる方が成長できると思います。柔術の動きはグラップリングにもMMAにも生きますし。柔術は一つひとつ、丁寧さが求められます。道着を着ていると想い通りに動けないことが増えますし、『ノーギだったら行けるのに』ってストレスを感じます。その時に一旦落ち着いて解除する。そのひと手間を知ることで、判断力がつくのに役立つと思います。頭を使うことはMMAには大切になってくるので」

──そのひと手間、柔術で丁寧に練習したことが、ノーギやMMAの練習になるとフィジカルで突破できることで戦いやすくなるのか。同じように丁寧に戦えるようになって、強味になったのかどちらでしょうか。

「手間が省ける方ですね。それでも精度が上がっているので」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
7月18日(月・祝)
午後2時30分~ TIGET LIVE
午後2時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE(※第1部)
午後4時30分~ U-NEXT(※第2部)

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