【UFC ESPN39】TUF29ウィナーの力を再確認。非UFCレベルの試合はザハビに凱歌
<バンタム級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
リッキー・トゥルシオス(米国)
声を出して踏み込みを2度見せた──TUF29ウィナーのトゥルシオスが、何やら声を挙げながら蹴りを見せる。サウスポーから右構え、再びサウスポーに戻すなど小刻みに構えを変えるトゥルシオス。奇声を挙げ、蹴りを繰り出すが、ザハビは距離を取って待つ。オーバーハンドで距離を詰めるザハビは、直ぐに下がって左ミドル、左ローを繰り出す。
声を出しておかしな動きを見せていたトゥルシオスがダブルレッグへ、切ったザハビは離れ際にフックを入れる。ザハビのステップインにワンツーを入れたトゥルシオスは、カモンと声を出して音を立てて踏み込む。トゥルシオスの近距離でのテイクダウン狙いを切ったザハビだが、基本は待ちを続ける。トゥルシオスのおかしな声が目立つ試合は、両者が腰を引いたような構えの打撃のお見合いで初回が終わった。
2R、左ハイから左を振るい、すぐに距離を取り直したトゥルシオス。ザハビが距離を詰めて左ミドルを蹴る。カーフも蹴ったザハビは前に出て右ミドルを蹴る。左ハーフも決めたザハビが精度でトゥルシオスを上回る。
後ろ回し蹴り、左ハイ。遠い距離からの蹴りを続けるトゥルシオスが、右フックへ。ザハビがローを蹴り、左を返す。左ボディから左ハイを繰り出したザハビが、左ロングフックを届かせる。そして左カーフを蹴り、トゥルシオスの前進には左を蹴りを上下に打ち分ける。粗いが、積極的になったトゥルシオス──だが、攻撃は当たらない。ガードで顔を守り、肩も上がり背中が曲がった姿勢では、勢いのある打撃は出せないかと思われるトゥルシオス。ダブルレッグを切られ、ジャブから右ハイを狙う。近い距離での連打戦が狙いなのか、それでも左フックを受けそうになったトゥルシオスだった。
最終回、気が付けば声を挙げなくなっているトゥルシオスがワンツーで前に出る。ザハビは右ハーフ、そして左ローから右オーバーハンドを伸ばす。ジャブを当てたザハビに対し、トゥルシオスが前に出るがローを蹴られ、組みも中途半端だ。TUF29当時から、そのレベルの低さが指摘されていたが、11カ月のインターバルを置いても──やはりトゥルシオスはUFCレベルとは思えない動きを続け、ザハビもその相手に積極に攻めることはなく、確実にローやカーフで削る戦いを実行していく。
試合は最後の1分を切り、さらに30秒になるが、特に覚悟を決めた攻撃はない。ザハビはジャブをカウンターで当てトゥルシオスの後ろ回し蹴りは空振りに終わり──タイムアップに。
勝ったザハビもオクタゴンでは、ヒエラルキーの一番下にある選手だと思われるが、トゥルシオスに関しては、彼より強い日本人バンタム級ファイターは相当数いると指摘したくなる内容だった。