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お蔵入り厳禁【UFC ESPN40】8月6日にバトルとバトル決定。世界に立ち向かう佐藤天が話していたこと─02─

【写真】結局、4カ月半のインターバルでバトル戦が決まった佐藤。1カ月と3週間の準備期間がある(C)Zuffa/UFC

お蔵入り厳禁。2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~第2弾として話を訊いた佐藤天インタビュー後編。

3月19日にグンナー・ネルソンに敗れた2週間後に行ったインタビューで「6月のシンガポール大会出場」が濃厚と佐藤は話していた。が、その後に事態は二転し、8月6日の(土・現地時間)のラスベガスで開催されるUFC on ESPN40「Santos vs Hill」でTUF29ミドル級ウィナーのブライアン・バトルとのマッチアップが決まった。

バトルはチーム・ヴォルカノフスキー8番目のピックと、事実上のインケツから優勝を成し遂げたものの、TUFシーズン29の出場選手が総じてコンテンダーシリーズや、フィーダーショーからの契約選手と比較してレベルダウンが顕著だった。佐藤としては毎試合がそうであるように必勝、さらにいえばバトルは力の差を見せて勝つべき相手といえる。

ようやく次戦が決まった佐藤が、4月の時点に何を語っていたのかをここでお届けしたい。

<佐藤天インタビューPart.01はコチラから>


──対戦相手が決まっていない場合は、やはり北米王道スタイルというかレスリング&ボクシングwithキックという相手を想定し、グンナー・ネルソンのスタイルを想定して練習するわけにはいかないですしね。

「でも結果が全てなんです。そういうことを理解してうえで、ひっくり返すチャンスはまだある。本当にネルソンってなかなかいないタイプの選手ですし(苦笑)……今回、彼を肌で感じたことはプラスになっています。今後、どうやっていくのかも明確になっていますし。初めて連敗をして……負けているから面白くないですけど、これからは面白くなってきたと思います(笑)。

勝てないと思って毎日を過ごすなんてことはないですし、根拠のない自信ではないので。そこを結果で出せるように、これからやっていくことが楽しみで。そういう意味で面白くなってきたと思います(笑)」

──ところで平良達郎選手がUFCと契約し、他にもUFCを目指すという声がわずかながら増えてきたような気がします。そのなかでも、傍から見ていても個々で熱量の違いは存在しています。実際に鶴屋怜選手などは「想いは同じじゃない」と明言しています。

「あぁ、分かります。自分も思っていましたよ……一緒にするなって。僕以外にもUFCに行きたいと発言する選手はいました。そして道場で居残って練習していると、ベテランの選手から『試合から3日後とか道場に戻って練習しても最初のうちだけで、それで続いた人間は見たことない』って言われた時があって。でも『他のヤツらとは覚悟が違う。一緒にするな』って思っていました(笑)。だから、そういう風に鶴屋選手が言う気持ちも分かります。

以前からUFCに限らず海外で戦いたいと思う選手が増えて欲しいとは言ってきたのですが、実際にそうなってきたのは良いですよね。選択肢がいくつもあるなかで、右向け右みたいな形で──なんで、皆、同じ方向を見ているのかって思っていたので。格闘技っていう選択を好きでして、それなのに同じ方向ばかりにいくのが不思議でした。

それがUFCを含め、違う選択をする選手が増えていることは単純に嬉しいです。自分自身がそうやってきたので。やりたいことがあって、人に何を言われようが曲げることはなかったです。自分を曲げたくなくてMMAを始めたのに、なんで曲げる必要があるのか。そういう若い選手が増えてきたことは良いことで。向こう見ずな発言かもしれないですけど、キャリアを重ねると先を見てしまう選手も多くなるなか、逆に若い選手から学ぶことは増えてくるかもしないです」

──宇宙が何兆年続こうが我々の人生は一度だけですしね。

「MMA以上に好きになって、一生懸命できるモノが見つからないです。ネルソン戦に負けて10日間休めって言われたのですが、もう3日もすると『あと1週間も練習できないのか』ってなってしまいます(笑)。本当にやりたいことなら、皆と同じ方向を見るのも悪いことじゃないと思っています。それと第2の人生を決めていて、時間制限があってUFCを目指すのも。

人がどんな選択をしようが、皆がしたいことをやれば良い。でも、自分は右に倣えが嫌だっただけで。他の人の選択を否定はしないです。気にならずに放っておけますし。他の人は、他の人。自分は自分です」

──その一方で記者として、佐藤選手のことを一生懸命やっている、人生賭けて米国に移り住んでということで評価したくない。本当に白星が欲しいです。

「ハイ、もちろんです。そんなことで自分を評価してほしくないですし、やりたくてやっているわけですから。試合前にお伝えしたように、やってきたことに意味はないというのがソレです。結果が全ての世界なので。この競技をやっている以上は、結果に拘っていかないといけないです。

負けて納得されるんじゃなくて、負けると驚かれるぐらいになりたいです。それこそ結果を出してナンボの世界なので、結果を出すだけです。挑戦しているから、失敗することもある。もちろん失敗しないで、勝って学べることもあると思います。そういう人もいる。でも、そういう特別なモノを持っていなくても挑戦し続ける。諦めていないので。そういう人生を歩めていて、日々を幸せに過ごせていると思っています」

──取りあえず、言える範囲で次戦はどのような感じでしょうか。

「次はアジアの大会と言われているので……そろそろ対戦相手が決まって欲しいです」

──おお、つまり6月12日のシンガポール大会ですね。

「ハイ。決まればあと2週間ほど強度を上げ過ぎないで練習しろと言われています。1日ハードにやって、1日は緩めにするような感じで。再来週ぐらいからキャンプに入る予定です。試合が正式に決まればですが。これまでがレイオフが長すぎたので、試合までの期間が短いようですが、実際には2カ月あるのでちゃんと準備してシンガポールに向かうことができると思います。

なにより感覚が残っているうちに試合ができることもポジティブに捉えています」

※インタビュー後にシンガポール大会出場はなくなり、1度は7月にラスベガスでという話もあったが、冒頭にあるように8月6日のブライアン・バトル戦が決まった。

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