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【RTU ASIA2022】視界良好=Road to UFC、中村倫也─01─「トーナメント戦の3試合で、より強くなれる」

【写真】中村倫也を語るには、+15戦ぐらいの目線がちょうど良いような気がする。SUSUKEの言う自身の選択を正解するのは自分という言葉をここまで実行している(C)MMAPLANET

10日(金・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode03でインドネシアのググン・グスマンと対戦する中村倫也。

昨年7月のデビューから11カ月でUFCが見える戦いの臨むこととなった──レスリングも強かった──天性のMMAファイターは、4月24日のPOUNDSTORMでアリアンドロ・カエタノとの激闘から、わずか1カ月半のインタバーバルでRoad to UFCに挑むこととなった。

キャリア4戦目のチャレンジ、中村はRoad to UFCで勝つことではなく、UFCで戦うことをイメージし、この3試合で如何に自分が強化できるのかを主眼に置いていた。


──Road to UFCのトーナメント枠が本日発表されました(※取材は5月23日に行われた)が、倫也選手はいつブラケットを知ったのですか。

「いや、自分もさっきです。対戦相手の名前を知ったのは……先々週、契約書を見たときですね。その時に知りました」

──では先ほど知ったトーナメント枠、順当に日本人選手が勝ち進めば風間選手と準決勝で当たることになりました。ここに関しては、どのように思っていますか。

「本当に誰と当たっても構わないので特別な感覚はないですが若干、キム・ミンウがどこに入るのかは気になりましたけど」

──キム・ミンウは気になっていたと。

「ちゃんと一つ、UFCに行くまでの壁として『ここを越えないといけないんだな』という相手ですね。もちろん、やるとなると覚悟は決まる相手ですけどね。正直、ずっと見てきたわけではないですけど、エントリーリストを見て『ROAD FCのチャンピオンがいるな』と思い映像をチェックしました。

シンプルに韓国人選手特有の骨の強さ、あとはやっぱり気持ちの強さがあります。技術が高いのはもう当然で、そのなかで韓国の選手はハートが強い。その気持ちの強さがあるから、一目を置いているという感じです」

──レスリングでもそうでしたか。

「正直なところレスリング時代には、韓国人選手に苦手意識が少しありました。でもその時と比較すると、今の僕は心の成熟度合が違うので。何でも受け入れられる状態になっているので、大丈夫です。

ただ対戦相手として、キム・ミンウは無傷で終わる相手ではないかと思っています。これはトーナメント戦ですから、大きなケガは絶対にしてはいけない。そこがワンマッチとトーナメント戦の違いで。そいう意味では、ケガをするリスクが低い方が良いのでキム・ミンウの枠は気になっていました。初戦の相手は分かっていたので、彼と準決勝で当たるのか、決勝になるのかというのは」

──風間選手を指導する大沢ケンジさんも、初戦の相手が分かった時点で『キム・ミンウは誰と戦うか知っていますか?』と気になった様子でした(笑)。

「アハハハハ」

──つまりケガをするかもしれない相手なので、キム・ミンウと戦うなら決勝戦がベスト。つまり今回のトーナメント枠は、歓迎すべきモノだったということですか。

「気にせず、思い切って戦えますからね(笑)」

──実はPOUNDSTROMの前に倫也選手に関しては、まだプロ2戦目だからRoad to UFCにはエントリーされないという話が我々の間では伝わってきていました。

「僕は出られるのか、出られないのかということも頭になかったです。Road to UFCに向けて動いているということが僕の耳には入ってきていなかったので。POUNDSTORMのカエタノ戦に集中できるようにしてくれていたようです。で、カエタノ戦が終わった次の週に出られるっていうのを聞いて、『おっ、ここに行けるんだ』と」

──出たいという気持ちはあったのですか。

「正直、少し早いと思っていました。ただ、海外で戦うというチャンスが少ないなかで、この話をもらって躊躇することは全くなかったです。もちろん出たいという気持ちは前提としてあったので」

──ベガス開催のコンテンダーシリーズだったら一発勝負、Road to UFCは3つ勝ち続ける必要がある。そこに関しては、何か思うところはなかったですか。

「もちろん一発の方が良かったです(笑)。でもトーナメント戦の3試合で、より強くなれるので。そうやって強くなった状態でUFCにデビューできるというメリットもあると思います。しっかりとトーナメントを通して、成長したいです。

3試合というのはデメリットになるかもしれないですけど、UFCの人たちが僕の試合を3回見るわけで──色々なことが背景にあるかと思いますが、僕のなかではこの3試合で多くのモノを得られると思っています。トーナメント戦は厳しいです。そして厳しい方が得られるモノは当然多いです」

──4月24日のアリアンドロ・カエタノ戦、あの勝利の裏にケガでなかなか調整が上手くいっていなかったという事実が隠されていました。あれから実質1カ月半で、今回のトーナメント初戦を迎えるだけですが、その辺りに関しては?

「とりあえず1回戦までにベースアップをする時間はないです。試合までの期間、その前半で体の痛みを取り、心を元気にする。そこにまず重点をおいて、後半で4月の試合と同じところまで持っていく。そういう風にイメージしています。当然、戦略は戦略で立てていますが、6月まではベースアップではなくて整える。自分を元気にして、ちゃんと暴れることができる状態を創って──9月、そして12月は武器を増やしていきたいです。現状、コンディションは整ってきています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode01
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode03
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

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