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【ONE129】タン・リーに挑戦、ゲイリー・トノン―01―「結論として、僕の打撃は当たるんだ」

【写真】後半では賑やかになってきた――ONEのグラップリングシーンについても尋ねています (C)TSP

11日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE129「Lights Out」で、ゲイリー・トノンの挑戦がONE世界フェザー級王者タン・リーに挑戦する。

松嶋こよみに勝利してから、1年3カ月。この間、師ジョン・ダナハーはデススクワットの活動を辞めた。まだキャリア7戦目、このブランクの影響はないのか――トノンに尋ねた。


――ONE世界フェザー級王座挑戦が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。

「ファイトウィークってストレスがあるものだけど、今回は凄く自信があるんだ。長い間、待ち望んでいた試合だからね。ついにやってくるっていう感じで。MMAでタイトル戦を戦うのは初めてだし、相当ワクワクしているよ。

世界にショックを与えたいし、僕はMMAファイターでも世界のトップの1人だと証明する試合にしたいんだ。そうでないという声もあるから、チャンピオンシップで勝利することは評価を覆す絶好の機会だよ」

――それにしても一昨年12月に松嶋こよみ選手を下した直後に挑戦は決まっていたと思いますが、実現まで時間を要しました。

「2人ともケガがあったからね。タン・リーは拳、僕はヒザを負傷した。それでも1度は去年の12月に戦うことで合意していたけど、コロナの影響で大会が流れた。結果、今に至るって感じかな。

本当は去年の4月に戦うことになっていたけど、リスケジュールが繰り返されたんだ。でも、精神的には去年の4月から……いや、コヨミ・マツシマに勝ってからずっと準備はできているよ」

――この試合はストライカー×グラップラーという見方がされます。だからこそ、タン・リーの組み技と寝技の力、ゲイリーのスタンドでの力が試される場でもあるかと。

「その通りだね。MMAだ。どちらが、コンプリートに戦えるかという勝負にあって、僕自身がいかに成長したかが試される試合になる。まず僕と戦う相手は寝技の前にいかにテイクダウンをされないで戦うか、そこが第一の注意点になる。

そして僕は相手からテイクダウンされることを、一切恐れていない。そうなれば楽に僕のフィールドに行ける。だから、対戦相手は距離を取って打撃の勝負を仕掛けてくる。結論として、僕の打撃は当たるんだ。僕と戦う相手は打撃よりもテイクダウンを恐れて、警戒している。僕が動けば、彼らは組まれないよう対処する。なら僕のパンチは当たるし、そういう動きをしているとスタミナが切れるのも早くなる。そうなってくると、今度はテイクダウンも簡単には入れるわけさに。

だからって、誰も僕と近い距離でずっと戦いたいとは思わないだろう? 反対に僕はテイクダウンされることを恐れないから、前に出ることができる。下がっても詰める。前に出てきてもテイクダウンできる。それがあるから、パンチも当たる」

――まさにMMAですね。

「打撃だけじゃ、そりゃあ僕は勝てないさ。でも僕にはグラップリングがある。そしてテイクダウンがある。この2つが入り交ざってくると、打撃でも負けない。僕のプレッシャーと比較して、タン・リーはテイクダウンをされたくない分、その圧力は弱くなる。打った後のことを考え、できるだけ一発で効かせたいと思っているはずだ。タン・リーの攻撃はもともと長いから、とにかく詰められることを嫌がるだろうしね。

もうどれだけストレスが感じながら戦っているのか、僕は手を取るように理解できる。回って下がる、誘ってヒザ蹴り、アッパーカットを打ってくるのが見えているよ。だから、そんな攻撃は当たらない。テイクダウンのフェイクがある、それが僕の打撃だ。ただテイクダウンを狙うなら、タン・リーもサバイブできる。ただし、そこに打撃を織り交ぜて僕は戦う」

――テイクダウンされることは厭わないなら、近い距離で引き込むこともありますか。

「それで局面が、良くなるのならね。ただ僕の柔術は本来トップコントロールだ。長い間、背中をマットにつけて戦うことはない。きっとレッグロックを狙うときぐらいだろう。そうでない場合は、引き込んでも上を取るためにすぐに動く。レッグロックが取られるなら、取りに行く。そうでなければ、バック狙いさ。その方がダメージを与える攻撃ができるしね。

なんせパウンドがある。背中をつけて戦う時間が長いだけ、パンチを貰う数が増えるのは絶対だ。僕が背中をつくのは一瞬、相手の背後をとるためだよ」

――なるほど。では今回の挑戦に向けて、どこで調整を行ってきたのでしょうか。

「マツシマに勝った直後から、数カ月間はプエルトリコで練習を続けていた。いつも練習しているメンバーも一緒にプエルトリコに向かってね。ただ、特定の練習場所があるってことじゃなくて空いている場所を探して練習してきた。それからテキサスに移り、キャンプの半分はテキサスで行ってきた。そこも同じメンバーと、何人かの新しいメンバーも加えてね。

チームってことじゃないんだけど、トライスターの選手やアンドレ・フィーリも協力してくれたよ。ニューヨークからはニック・プラジオが来てくれて、空手とテコンドーについて教えてくれた」

――デススクワットが分裂した影響は?

「ジョン・ダナハーが僕のメインコーチであることは、一切変わりない。僕は打撃のコーチもつけていない。ジョンが僕の打撃のコーチであり、MMAのコーチだからね。毎日、一対一でも練習してきた。それが僕のトレーニングで、デススクワットの分裂は何も影響ないよ」

<この項、続く>

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