【Shooto2022#01】新環太平洋バンタム級小野島恒太「手塚選手の名前を出さないと漢じゃない」
【写真】 小野島はかつてFight &Lifeでアルバイトとして働いていた(C)MMAPLANET
16日(日)、東京都文京区後楽園ホールで開催されたShooto2022#01のメインで藤井伸樹に判定勝ちし、修斗環太平洋バンタム級のベルトを小野島恒太が巻いた。
修斗デビューから、あと2カ月で12年になる小野島は多くのケガ、ここ一番での敗北を乗り越え──スタイルチェンジも含め、自分を貫いてきた。そんな彼がマイクで手塚基伸と中村倫也の名前を出した。この2人に触れること自体が、彼の修斗道、小野島恒太道を貫く姿勢の表れだった。
試合後の会見から、MMAPLANETの質問への返答に特化した小野島の言葉をお届けしたい(※抜粋)。
──おめでとうございます。
「ありがとうございましたっ!!」
──個人的にはあのバイト君がチャンピオンになったかと思うと感慨深いです。本当に紆余曲折を経て修斗のベルトを巻きました。
「前十字を切ってブランクを創った時は終わったかと思いました。8年前に根津選手と環太平洋王座を争った時の悔いも、いくつか残っていました。負けた言い訳になるので、言いたくないのですが……2カ月前に足の甲を折ったりミスがあったので。今日は万全の体調で試合に臨むということ、ベルトを取るということ。この2つの悔いを晴らせて凄く良かったです」
──今の小野島選手のスタイルだと、対戦相手は消化不良になることが多いと思います。ただし藤井選手はあのスタイルで全力でやりあえる相手だったのではないでしょうか。
「似た者同士だとは思っていました。とはいえ、自分も自信がある方なのでディフェンスが緩い選手だと考えていました。それが結構体も強くて、ちょっとビックリしましたね」
──藤井選手は攻められている時でも、バックを取りに行くという動きが絶妙で初回から見られました。
「相手の攻撃を受けているなかで、自分のなかで余裕があると思えるようになったことが大きかったです。トレーニングパートナーが攻撃力のある選手が多いので、そこらへんで試合でも余裕が持てたかと思います。自分のなかでは初回はほとんど消耗しなかったです」
──来させて迎えうつ。組ませて切る。藤井選手相手にはなかなか度胸のいる選択だったかと。
「最後にバックを取られた時もセコンドはヒヤヒヤしたみたいですけど、自分のなかで余裕がありました。あそこから逃げることも練習してきたので、いつ体を入れ替えようかと思っていました」
──何があっても自分を貫く。それはインフィティの最終戦で判定勝ちだと優勝はないのにケージに詰めて組んでいった時に感じました。
「インフィニティに関しては、今でもドローの試合も勝ったと思っています。正直、全員に勝てる……ただ、全員に判定で勝つというのが戦略でした。だからインフィニティの主旨とは違っていましたね(笑)。
スタイルをストライカーから組みへチェンジして、また極めるに至っていないんです。打撃でKOしようと戦っていた人間が、組みに変えて技量がまだ足りていない。そこを完成させるうえで、今日言った手塚選手や中村倫也選手とやるのは良いチャレンジだと思います。
自分はチャンピオンですが、その試合はチャレンジだと思っています」
──Grachanバンタム級王座に挑戦しますか?
「(笑)。手塚選手は他団体のチャンピオンだから、正直難しいと思っています。ただ、あそこで手塚選手の名前を出さないと漢じゃないです。『俺はコロナの影響で修斗で試合をしていないけど、アイツに勝っているから。俺のこと無視できるのか』って思われたくないです。ダサくなりたくないので……やっぱり、負けているって嫌なんです。でも、ちょっと難しいですかね……手塚選手は」
──そこはプロモーター間の話し合いで、業界を盛り上げてもらいましょう。もちろん、手塚選手の同意が必要になって来るかと思いますが。
「ハイ……。手塚選手は自分がテイクダウンをしたから、どうなんだというスタイルなので相性が悪いんです。だから、ここから練習して手塚選手のような選手に勝てるようになれると自分は本物だと思えます。打投極の極の部分を鍛えられる相手なので。自分の修斗の完成のためには避けられない相手です。
それとスーパールーキーの中村倫也選手は無視できない相手です。去年、自分は勝ったと思っていますがドローだった野尻選手に、あの勝ち方をしているのに名前を出さないとダサいです(笑)。ここはいつでもやってやるという気持ちです」