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【DEEP105】「スノボで感覚を磨く」&「重いモノを持ち上げる自信」。関鉄矢と対戦、規格外=山本歩夢

【写真】このまま突っ走ることはできるのか──(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP 105 IMPACTで、山本歩夢が関鉄矢と対戦する。

昨年12月デビューの山本は、キャリア3戦3勝で全試合が1Rフィニッシュと頭抜けた強さを見せてきた。MMAの練習は月に1、2回。重いモノを挙げ、スノボーで感覚を研ぎ澄ませるという山本はZST王者で、同門の神田コウヤに勝利している関との試合に向け、「ケガせず、初回で勝って大晦日に滑り込む」と断言した。

全てが規格外、ビッグマウスか実力の裏付けがあるのか──とにかく、山本歩夢の言葉に耳を傾け、12日の試合を注視したい。


──今年の2月に山本選手のキャリア2戦目をDEEP100で見て、『強い選手が出てきた』と思っていると、格闘技DREAMERSに出演していたことが分かり、時系列が理解できていなかったです。昨年から今年の流れというのはどういう状況だったのですか。

「もともと柔道をやっていたのですが、引退して半年ぐらい経ったときに、実業団時代の先輩がLDHのオーディションがあることを見つけて教えてくれたんです。先輩自身は30歳で年齢制限があって出られなくて『代わりに出てみないか』と誘われて。

僕は自分で会社を経営しているのですが、その宣伝も含めて手っ取り早く有名になりと思ってオーディションに申し込んだのですが、延期になって。もともと格闘DREAMERSのオーディションは、3月とかだったじゃないですか」

──ハイ、それが新型コロナウィルス拡大で8カ月ほど延期されたと記憶しています。

「いつあるか分からないし、少し体を動かさないと変になりそうでMMAをやろうと思い一番近いジムに入会しようと話を聞きに行って。そこがパラエストラ柏だったんです。それが去年の11月の終わりぐらいで、入門しようというタイミングでオーディションがあるという連絡が入りました」

──なるほどぉ。もともと柔道を、しかも実業団レベルでやっていたので、MMA3戦とは思えない強さを見せることが可能だったのですね。

「21歳まで実業団でやっていました。高校から一旦、大学に進学したのですが……そこから実業団に入りました」

──大学、実業団でやれるということは柔道の腕前も相当だったのでは?

「高校だと埼玉県で……埼玉県って柔道のレベルが高いのですが、66キロ級と73キロ級で優勝して全国大会に出場しています。2人しかいない柔道部でも、埼玉栄とか名門校に勝つことができ、インターハイでも入賞できました。自分でやらないといけない練習は何なのか。そういうことを理解していれば、結果は残せるという気持ちにはなれました。

それもあって所属はパラエストラ柏ですけど、MMAの練習は月イチ、月に2度ぐらいしかしていないです」

──では、普段はどういう練習をしているのですか。

「格闘技とは違う別のことをやっています。沖縄に行って素潜りをするとか」

──!!

「でも素潜りのために石垣島に行くと、『格闘技をやっている人がいるよ』ってブラジリアン柔術の渡辺(直由)さんを紹介してもらいました。なので石垣に行くと、練習に行くというか顔を出させてもらっています」

──素潜り目的で石垣島へ行って、渡辺直由さんと柔術を(笑)。あと、重いモノを挙げるのが好きだと伺ったことがあります。

「好きというか……男として喧嘩が強いのと、重たいモノを持ち上げるのって浪漫があるじゃないですか」

──アハハハハ。そうですか?

「ハイ。アハハハハハ」

──強さ、重いモノを持ち上げるのが男の浪漫!! 私の若い頃は強い、速い、オンナでした(笑)。

「アハハハハ、まさにその通りだと思います。それは分かります。タイでハヤブサ(スズキ・GSX1300R)をかっ飛ばしたりしています。それと僕、スノーボードも得意で試合前にも先輩とスノーボードに行くつもりだったんです。それこそスノーボードはノーブレーキでコントロールできるかどうかっていうスピードで滑降して。感覚が研ぎ澄ますというか、こういうのってMMAを戦うのに生きると思っています」

──バイクでかっ飛ばすのも、スノボの滑降も命がけです。

「ハイ。一歩間違えたらっていう感覚は、格闘技に生きるはずです」

──いやぁ、言わんとしていることは分からないでもないですが、無謀というかトンパチですね。

「それにベンチプレスとかスクワットとかで重たいモノを挙げるのも、他の人より重いモノを挙げていると自信になります。数字は誰が見ても絶対です。でもジムで、皆で汗をかいて強くなっているねぇっていう練習って……それこそRIZINに出ている選手たちと練習していたら、自信になるかもしれないです。でも、それって実体のないモノなので。ケージの中に入っちゃうと『何やっていたっけ?』ってなっちゃうと思うんです。

僕はMMAを始めてまだ間もないですけど、チーム戦ではなくて1人で戦うモノだと思うので。絶対的な数字の方が自信もつくし、安心感があります」

──う~ん、MMAの練習を必至にしている選手から反感を買いそうですね(笑)。

「それもあって、ジムでは割とハブかれています(笑)」

──アハハハハ。面白いです。ところで10月の平田直樹選手との試合がキャンセルとなり、今回の対戦相手は関鉄矢選手になりました。昨年、RIZINでチームメイトの神田コウヤ選手に勝っている選手ですが、その辺りというのは?

「そこは余り意識しないです。普通に勝てるなって思いますし」

──あのう……MMAの練習を月に1、2度していて強いと思う選手はいますか。

「いないですね」

──それは柔道をやってきたからでしょうか。それとも重いモノを挙げて、スノボをするから?

「柔道がメインだと思いますが、田舎育ちで喧嘩を山ほどしていて……。喧嘩もバチバチにやって、負けたこともないです。ボクシングとかのパンチでもなく、柔道をやっているから投げるでもない。掴んで、後ろに回って背後から殴るとか、そういう陰険な部分が格闘技にも生きてきていると思います」

──いやはや……。肝が据わっているのですね。

「自然な強さ……男らしいことをやりたいだけです」

──ではMMAファイターの目標というのは?

「いやぁ、無いッスね。取りあえず、日本で有名なのはRIZINなのでMMAを始めて1年ぐらいで出ることができればと思っていました。まぁMMAはやってもあと1年、2年はやらないと思うので……よく皆が海外、UFCが何とかって言っていますけど、UFCも視たことないですし。

まぁ今はそういうところは目指していないですけど、もし狙うなら練習なんかしていなくても、国内ではサクっと勝たないと海外では通用しないとは思っていますけどね、完全に」

──その考えだと、格闘DREAMERSで契約を勝ち取ることなど絶対に無理でしたね。髙谷さんも『見ている先が違う』と言われていました。

「ハイ(笑)。ホントにその通りです。僕みたいなのがいると、雰囲気を悪くしてしまいます」

──まずは関選手との戦い、どのような試合を見せたいと思っていますか。

「1Rでケガなく、サクっと勝って大晦日にギリギリで滑り込むつもりです。2R、3Rとか考えてなくて、相手の試合も1回見ただけで対策をもしていません。とりあえず自分の持っている全てを1Rでぶつけます──というような感じですかね」。

■視聴方法(予定)
12月12日(日)
午後4時45分~SPWN PPV配信 & ニコニコ生放送 PPV配信

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