【ONE NEXTGEN】平田樹に代わり、リトゥと準決。ジュネリン・オルシム「3日あるから十分に対応できる」
【写真】平田を気遣いながらも、チャンス到来に充実した様子のジェネリンだった (C)MMAPLANET
29日(金・現地時間)に開催されるONE NEXTGENで平田樹に代わり急遽、女子アトム級準決勝で、ジェネリン・オルシムがリトゥ・フォーガットと戦うことが決まった。
急ぎ取材を申し込むと、ジェネリン自身がフェイスオフやメディアデーの参加と慌ただしく試合までを過ごすことになったことが伝わってきた。
2年目のSEA Gamesでは女子ムエタイ54キロ級で準優勝、WSOF GCからONE Warrior Series、そしてコロナ禍で本戦ステップアップを果たしたオルシムは組み技での強さを発揮し、これまで2連勝中だ。本来は9月3日にグレース・クリーブランドとの補欠戦でGP参加予定も、クリーブランドの欠場で試合が流れ、今大会でも同様にリザーブマッチでジヒン・ラズワンと対戦予定だったが急遽ベスト4からGP出場権を得た。
GP出場権獲得を現実のモノとしたジェネリン・オルシムにとって、4日前の対戦相手の変更も些細なことでしかなかった。
──ここ数日間、クレイジーな時を過ごしたと思われます。今の気持ちは?
「私は全然問題ないわよ。この知らせを聞いたのは、昨日。そして今は試合に向けて調整しているところよ」
──昨日、リトゥとの試合のオファーがあったということですね。その時は、どのように感じましたか。
「凄くエキサイトしたわ。だってグランプリに参加できるんだから、嬉しかの一言よね」
──ジヒン・ラズワンとの試合の準備をしてきて、ここにきて対戦相手が代わることで焦りはなかったですか。
「そんなに焦ることはないわ。もちろん、いくつかのゲームプランの変更は必要だけど。とにかくGPに出場できるということに比べると、大したことじゃないから。シンガポールに入るまで、ずっとハードな練習をしてきたし、自分のやらないといけないことは全てやってきた。あとは自分の力を試合で見せるだけだから」
──つまり、このオファーにノーという選択はなかったわけですね。
「全くないわ。ありえない(笑)。だって補欠戦から本戦準決勝で戦えるのよ。このオファーがあった時、マーク・サンジャオ・コーチを含めラカイの3人が同じ部屋にいて、全員で大喜びしたわ(笑)。補欠戦って何かが起こった時に、急遽トーナメントで戦う代役を決める試合じゃない? その試合のために準備してきて、その何かが少し早く起きたのよ。試合まで3日あるから、十分に対応できるわ」
──なんと、そんな風にポジティブに考えられるのですね。シンガポール入りして、ひょっとして欠場者が出て、準決勝出場があるかもということも一切耳に入っていなかったのでしょうか。
「本当に何も聞かされていなかったわ。イツキが体調を崩したことも知らなかったし、私はこのチャンスを得られたことは正直、凄く嬉しいけど彼女には気の毒なことだし、少しでも早くイツキには回復してほしいと思っている。オファーがあるまで私はずっとジヒンと戦うつもりだったの。そして昨日の午前11時に、イツキが欠場することを知ったのよ」
──ジヒンは柔術家です。リトゥはレスラーです。どのようなアジャストが必要だと考えていますか。
「レスリングね、アジャストが必要なのは。ジヒンはグラップラーだけど、レスリングはしない。とにかくリトゥと戦うには、距離が大切になってくるわ。彼女のレスリングは本当に怖い武器だし、ただし寝技のコントロールという部分ではジヒンとも似ているとも言えるわ。
ただリトゥは打撃をジヒンより使うわね。彼女が私を相手に打撃戦を仕掛けてくるならレスリングでこられるよりずっと戦いやすくなる。だって打撃なら私の方が上だからね」
──とはいえリトゥは、GPで最強のボクサーと思われたモン・ボーをテイクダウンからパウンドという流れで勝利しました。
「モン・ボーはテイクダウンされた後の動きがなかった。私は彼女と違い、テイクダウンされてもそこからの展開を創ることができる。打撃だけでなく、グラウンドでもアドバンテージは私にあると思っているし。リトゥがテイクダウンしてくるなら、私はエスケープだけでなくてサブミットするチャンスになるはずよ。キャンバスに背中をつけられても、それは私にとって良い形だから」
──ここ数試合でジェネリンはグラップリングの成長が著しいです。今やラカイでもトップのウェルラウンディットファイターと言えるのではないでしょうか。
「チームにはたくさん、偉大なウェルラウンディットファイターが揃っているわ(笑)。それが私にとってのアドバンテージなの。私はチームラカイの経験豊かな選手たちから、その経験や知識を共有させてもらっているから。まだ私のファイターとしての旅は始まったばかりで、皆から勉強させてもらうことばかりよ。
リトゥの戦績は6勝1敗で、私は5勝2敗。まだまだこれからの選手だから、ラカイの皆から習うことばかり。そして彼らの教えに心から感謝しているわ」
──チームラカイはアジア最強のMMAジムの1つですが、女子選手はそれほど在籍していません。
「そこも私のアドバンテージよ。力強い男子選手と練習すると、力では通用しないから、全力でぶつかりながら技術で彼らに対抗している。だから私は成長できるの」
──ジェネリンが準決勝を戦うことで、既に驚きがありましたが、準決勝ではまた世界をビックリさせる自信はありますか。
「そうね……私にとって試合は試合。そして、この与えられたチャンスをモノにする。絶対に勝つのは私よ」
──では決勝戦ではスタンプか、ジュリー・メザバルバか──どちらと試合がしたいですか。
「スタンプね。彼女は強くて、有名だから。そしてスタンプは準決勝を必ず勝ち上がるでしょうね」
──ジェネリン、突然の個別インタビューのリクエストに応えた頂きありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとう。イツキの体調が少しでも早く良くなることを願っているわ。イツキ、すぐにケージに戻って来てね」
■視聴方法(予定)
10月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App
■ONE NEXTGEN対戦カード
<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準決勝/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)
<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準決勝/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)
<キック・ヘビー級/3分3R>
イラジ・アジスプール(イラン)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)
<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
ダスティン・ジョインソン(カナダ)
<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
ミャオ・リータオ(中国)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)
<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イスアエフ(ロシア)
ボグダン・ストイカ(ルーマニア)