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【Pancrase324】井村塁と対戦、ジェイク・ムラタ─01─ほとばしるジェイク・シールズ愛

【写真】なぜ シールズ康大ではなく、ジェイク・ムラタとなったのか──は、マイケル・ジャクソンをマイケルと呼んで、ジャクソンとは呼ばないのと同じ理屈か? (C)PFL&MMAPLANET

17日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されるPancrase324で、ZSTバンタム級王者のジェイク・ムラタが井村塁と対戦する。
Text by Shojiro Kamaike

2014年にパンクラスでプロデビューしたジェイク・ムラタは、修斗、DEEP、ネクサス、そしてZSTなど様々な舞台を渡り歩いてきた。当初は本名の村田康大として戦っていたが、2017年10月のDEEP名古屋大会から現在のジェイク・ムラタに改名。リングネームの由来は、憧れのファイターであるジェイク・シールズだ。

インタビューの中でも、ほとばしるジェイク・シールズ愛――そこに、ジェイク・ムラタの格闘技観が存在した。


――試合を1週間後に控えてのインタビューとなりますが、ムラタ選手はツイッターの更新頻度が高いですね。

「アハハハ。主に試合の宣伝のためですね。プロモーターさんがいて、僕たちの試合があるわけじゃないですか。だから今回の試合が決まってからですけど、ちゃんと仕事として意識していこうと思いました。毎日1回は必ず、練習で写真を撮ってツイートしようと」

――夜の練習時間以外でもツイートがありますが、昼は別のお仕事をされているのですか。

「昼間は会社員として働いています。仕事の隙間時間にツイートしていますね」

――そうだったのですね。朝や昼に練習風景がツイートされているので、どんな勤務体系なのだろうかと、ふと思いました(苦笑)。

「平日の日中は会社の仕事があるので、昼間の出稽古は土日だけですね。最近はZEEKジムさんにお世話になっています」

――ZEEKジムというと、石橋佳大選手が所属しているジムですね。

「ここ3~4年、石橋さんにはお世話になっています。練習を通じて、すごく刺激を受けていますね。石橋さんが試合で勝つと、自分が試合で勝ったかのように嬉しいですし。僕が勝った時は、石橋さんも自分のことのように喜んでいる――と表情を見て、そう勝手に思っています(笑)」

――なるほど(笑)。話をムラタ選手に戻しますが、ジェイク・ムラタというリングネームは、ジェイク・シールズにあやかっているのですか。

「はい。リングネームについては……まず大学を卒業してから東京で就職したんですが、その会社はすぐに辞めてしまって、アルバイトしながら、本名の『村田康大』で試合に出ていました。でも勝ったり負けたりで、一度見切りをつけて就職したんです。それが就職した会社では思ったより残業も少なくて、格闘技を続けられる環境だったので、心機一転リングネームを変えて試合に出ようと」

――そこでリングネームをジェイク・ムラタにするほど、ジェイク・シールズのファンだったのですね。

(C)EXC

「ジェイク・シールズ歴は長いですよ。17歳で格闘技を始めた頃からなので、もう10年になります。

最初はYouTubeの動画で見ました。ELITE XCのポール・デイリー戦とか、よく見ていましたね」

――ジェイク・シールズのどのようなところが好きなのですか。

「ジェイク・シールズはレスリングベースですけど、自分も柔術では潜るタイプだったので、動きがとても参考になりました。今のファイトスタイルはジェイクっぽくないねって言われますけど……」

――そうなのですか。

「僕は今、テイクダウンしてから抑え込みではなく、バックテイクを狙うんですよ。それでも今、昔の試合を見ても参考になりますね。当時は分からなかったことが、今見ると気づくことも多くて。当時は単にシングルで組んでいたものかと思っていたら、しっかりハイクロッチで倒していたりとか。……ジェイク・シールズって、もう試合はしないのでしょうか?」

――2018年10月、PFLでのレイ・クーパー3世との試合を最後に、MMAでは戦っていません。

「ジェイク・シールズのSNSを見ていても、もう試合はなさそうですよね」

――今もジェイク・シールズのSNSをチェックしているのですか! 完全にファンですね。

「もちろん英語で書かれているんですけど、だいたいの雰囲気で感じ取っています。あぁジェイクが女性ファンと絡むんだ、とか(笑)」

――では、ジェイク・シールズの個人的ベストマッチは何でしょうか。

「……それは、ファイターとしてのベストマッチですか? それともジェイク・シールズという物語に関するものですか?」

――「ジェイク・シールズという物語」という表現に、とても興味がわきます(笑)。その前に、まずはファイターとしてのベストマッチからお願いします。

(C)DAVE MANDELL

「ベストマッチは、ジェイソン・メイヘム・ミラー戦ですね(2009年11月、ストライクフォースでジェイク・シールズが判定勝ち)。

ああいうグラップリングマッチが好きです」

――そして、「ジェイク・シールズという物語」という見地からベストバウトを語ると……。

(C)NAOKI FUKUDA/WOWOW

「ジェイク・シールズという物語でいえば、UFC2戦目でGSPと戦った時ですね」

――2011年4月、GSPが判定勝ちで6度目の王座防衛を果たした試合ですね。

「UFCがメインストリームとなってからも、ジェイク・シールズは別の大会に出ていて、勝ち続けることで『GSPに勝てるのはコイツしかいないのでは?』と言われていた。そしてUFC初戦でマーティン・カンプマンに勝ち、2戦目でGSPに挑戦する。ジェイク・シールズは『GSPに対して秘策がある』と言っていたけど、結果はジャブを突かれて潰され、判定で負けました。そんな展開まで含めて、ジェイク・シールズって美しいな、と思うんです」

――……。

「あとレイ・クーパーに勝って修斗のベルトを獲得していましたけど、(2004年7月)、十数年後にレイ・クーパーの息子(レイ・クーパー3世)に負ける。そういうストーリーも好きなんです」

――とにかくジェイク・シールズ愛が凄いですね。

「僕もMMAをやるうえで、『海外で戦いたい』という目標があります。ジェイク・シールズがUFCに出る時、『最後の大物』と言われたように、僕も『最強の外国人選手』みたいな形で」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
10月17日
午後1時00分~ TIGET LIVE
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE

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