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【Bu et Sports de combat】武術で勝つ。型の分解、サンチン編─16─サンチン、MMA実戦応用編─01─

【写真】同じガードでも、相手を制空権に入れる、入れないという違いが構え生じる(C)MMAPLANET

武術でMMAを勝つ。空手でMMAに勝利する──型を重視する剛毅會の武術空手だが、岩﨑達也宗師は「型を使って戦うということではない」と断言する。型稽古とは自身の状態を知り、相手との関係を知るために欠かせないモノであって、その形で戦うことではない。

サンチン、ナイファンチ、セイサン、パッサイ、クーサンクーの型稽古を行う剛毅會では、まずサンチンから指導する。5種類の型稽古にあって、唯一サンチンのみが息を吸いて吐くという意味での呼吸を学ぶことができる。

全ての根幹となる武術の呼吸を学ぶことができる──サンチンの解析、前回で一旦は最終回とする予定が、岩﨑氏より『まだまたお伝えしたいことがあるなかで、ここだけは今、話しておきたい』という追加実践を複数回お送りすることとなった。サンチン特別版、MMA実戦応用編。今回はサンチンの構えの格闘技の試合、MMAでの役立ち方について紹介したい。

<サンチン解析第15回はコチラから>


質量が互角の場合を前提とし、

4オンスのMMAグローブを着用してボクシングのように顔面を守ってガードした構えだと


相手に右ストレートを打たれた場合、ガードをすることでパンチは顔面に届いておらず、防御にはなっているが、制空権を突破されており相手が有利な状況になっている


結果、打ち返してもパンチは当たらない


サンチンの状態を理解して、両腕の少し外を意識して構えると


パンチへの処理ができており、自らの制空権を創ることができているので相手のパンチは届かず


自身のパンチは届く


右ハイキックを蹴られた場合


顔面を守った構えだと、ガードはしていても、相手に入られており危険な状態になっている。これでは相手に蹴られていることになる


対してサンチンを理解した構えだと


同じ距離でも相手の蹴りは足が上がらず、蹴りが頭の近くまで来ない。相手が蹴ることができていないこととなる


前蹴りで蹴った人間で試すと、ボクシングの構えは届くが


サンチンを理解した構えでは、なぜか頭を引いてしまい蹴りは届かなくなった


「サンチンの構えを応用した構えは、試合で使うということではなく、体に内蔵することで余裕のある戦いができるようになります。そしてサンチンの姿勢を維持した構えを習得すると、相手が入って来られないという事象は比較的にすぐにおきます。サンチンを型の稽古で修得せず、このような構えを取っても相手の攻撃に対し、ボクシングのような構えに戻すことが殆どです攻撃とは距離など相手の状態を見て、出しやすいモノを出している。サンチンを理解した構えを取ることで、相手の距離が出し辛い状況を創り出すことができるのです」(岩﨑)

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