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【ONE Revolution】オク・レユンと防衛戦、クリスチャン・リー─01─「多くがスタイリスティックMMA」

【写真】MMAの完成形──が勝つとは限らないのも、MMA。それでもクリスチャンのMMAは特別だ(C)ONE

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でクリスチャン・リーが、オク・レユンの挑戦を受けONE世界ライト級王座防衛戦を戦う。

まだ23歳ながら父親になったクリスチャンは、新たな人生を歩み出してから始めてのファイトに挑む。父になったことで芽生えた新たな責任感が、強いモチベーションとなりオク・レユンをシンガポールで迎え撃つ。

クリスチャンといえばMMAの完成形とよばれる、淀みのない全てが一体化したファイトが最大の特徴だ。そのクリスチャン、オク・レユンだけでなく他の多くのファイターと自身の違いは語った。


──叔父さん、そしてお父さんとして新しい人生が始まりました。

「本当に素晴らしいよ。父親になるってことは、他の経験とはまるで違う特別なことだね。この4カ月、娘が生まれ、姪も誕生した。アメージングだ。2人ともすくすく育っている。2人が大きくなるところを眺めているほど、素晴らしいことはないよ。父が僕らのことをどんな風に見てきたのか、分かったよ。

あらゆることで生活習慣が変わった。ただ、僕も妻もすぐにアジャストできた。今では妻も娘も僕と一緒にジムへ行き、練習中もマットサイドに座っているから、ずっと同じ空間にいるんだ。家に戻るのも一緒だし、試合の準備期間もずっとファミリータイムになっている」

──夜泣きに悩まされることはないですか。

「本当に良い子で、夜泣きがないんだよ(笑)。起きている時は動き回って。夜になるとずっと眠っているんだ。寝るのが好きみたいで。なんか、もう時計があるみたいだよ。ホント、どんどん大きくなっているし。眺めているだけでも、心の底から楽しいよ」

──既に最高のコーナーマンですね。

「アハハハ。ホントにその通りだ」

──と同時に、クリスチャンの責任も増しましたね。

「もう妻と2人という時間がない。ずっとベイビーのことを気に掛けている。ただ練習もそうだし、今回の試合に関してもこれまで以上にモチベーションが高いんだ。今、僕は彼女のため、そして彼女の将来のために戦っている。家族と生きていくための試合、もう僕だけの戦いじゃないからね。僕のためだけじゃなく、彼女のためにも戦う」

──これは私の人生を振り返ってですが、娘の存在は私を強くしました。と同時に、どこか私を弱くもしました。

「それって僕も分かり始めたことだよ。以前なら、絶対に理解できなかった。前は全てが自分のためだったと思う。今はベイビーのことを考えて、何が一番かを考えるようになった。そうすると、ある部分では強くなるけど、大切なモノができることで弱くなる部分もあることは分かるようになったよ」

──もちろん、今はオク・レユン戦に集中していると思いますが、ONEと契約するまで彼のことは知っていましたか。

「ONE以前、彼のことは知らなかった。でも、急激に名前を挙げたね。マラット・ガフロフとエディ・アルバレスを倒したことで。マラットと戦う前は多くの人が、彼のことを知らなかったと思う。それが僅か2試合でビッグネームになり、誰もが文句の言い様がないタイトルチャレンジャーになった」

──オク・レユンがエディ・アルバレスに勝つことは予想できていましたか。

「正直にいえば彼のことを本当に知らなかった。それでもマラットに勝ったことで、良い試合になるとは思っていたよ。オクよりも、エディの試合をたくさん見てきたから、それでもエディが勝つと予想していたけどね。でも、打撃の良さとテイクダウンディフェンスの強さを見せた。だからこそエディに勝つことができたのだろう」

──エディに勝つという勲章は欲しくなかったですか。

「うん。2人を見ると、もちろんエディの方が知名度は高い。ベラトールとUFCのベルトを持っていたんだから。ファンの数もエディの方がずっと多いだろう。オク・レユンがこの試合で僕に勝つことはないだろうけど、彼もまたONEライト級のトップランク・ファイターとして活躍し続ける。オク・レユンの知名度はまだ高くないけど、彼以外に現状でタイトルチャレンジャーは見当たらないよ」

──HEAT時代から彼の試合を見てきて、彼の強さは理解しているつもりでした。ただONEの計量方法にフィットするのか。韓国人ファイターの減量幅は途轍もないないことが多いので、そこは未知数でした。

「彼はこの階級でも、背が高いほうだ。とはいえフレームもボディサイズも僕とそれほど変わりない。6週間も練習すれば、オク・レユンも77キロになるだろう。彼はONEのライト級に適しているよ」

──そんなオク・レユン選手に対し、クリスチャンは自身のどこにアドバンテージがあると考えていますか。

「MMAのレンジ、そのミックスアップかな。スタンドでもただテイクダウンを狙うわけじゃなくて、打撃で攻めることができる。グラウンドになれば、そこで必要なことが全て対応できる。だからといって、寝技に持ち込んで関節技で仕留めるというワンパターンな動きはしないけど、マラットにもエディにもテイクダウンされたことを考えると、テイクダウンが一番のアドバンテージになるだろう」

──いくつものエレメントを結びつけるのがMMAですが、クリスチャンのMMAは結びつける必要がない。もともと1つなので。

「うん、そうだね。僕のようなMMAを戦えるファイターは、それほどいない。MMAはウェルランディッドになったといっても、まだ多くの選手はピュアMMAではなくて、ベースが存在しているスタイリスティックMMAだ。ストライカーがグラップリングをする。グラップラーが打撃を使う──という風にね。

でも世界のベストを見ると、そうじゃない。そう言われるファイターは、ウェルラウンディットではなく、フーリーラウンディットだ。均整がとれたミックスマーシャルアーチストではなく、完全なミックスマーシャルアーチストなんだよ」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

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