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【DWCS S05 Ep01】動いて、削って、耐えて、疲れる。激闘制したアルタミラノ「これを続けるだけ」

【写真】LFAフライ級王者のアルタミラノが、ドロドロの展開で逆転勝ち。「ただ、これをやっていくだけ」という言葉は彼が奢らない性格を表していた(C)Zuffa/UFC

<フライ級/5分3R>
ヴィクター・アルタミラノ(メキシコ)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
カーロス・キャンデラリオ(米国)

遠めからボディや蹴りを見せるアルタミラノが、スピニングバックキックへ。キャンデラリオは近距離でのパンチのコンビから、右ハイを顔面に当てる。直後にシングルレッグからダブルに移行して、テイクダウンを決めたキャンデラリオは、ガードの中から鋭いパウンドを落としていく。アルタミラノは足関節に続き、スイープ狙いからスタンドに戻り、間合を取り直す。アルタミラノのダックにクリンチからダーティーボクシングのキャンデラリオが、左ローを入れる。パンチはスウェイでかわすアルタミラノだが、シングルレッグで下になると、ここも足関節を狙う。

キャンデラリオがスペースを取ると、すかさず立ち上がったアルタミラノがミドルに続きストレートをヒットさせる。キャンデラリオは直後に3度目のテイクダウンに成功し、ワキ腹から顔面にパンチを落とす。ここから顔面に左右のパウンドを連打したキャンデラリオは思い切り左ヒジを見舞っていく。アルタミラノも下からエルボーでカットに掛かるが、下のままでラウンドを終えた。

2R、アルタミラノのローに右を合わせたキャンデラリオが、左ストレートを入れる。さらにワンツーを決めたキャンデラリオは、左ストレート、右ミドルと構えを変えて攻勢を続ける。アルタミラノもダブルレッグをスプロールし、初回のように簡単に下にならないファイトを展開し、左エルボーをヒットさせる。

キャンデラリオは左ストレートからレベルチェンジ、ダブルレッグへ。ケージに押し込みテイクダウンを決める。腰を切り、あるいはハイガードと下から仕掛けるアルタミラノだがケージが窮屈で動きを制限させる。それでもアルタミラノはスクランブルからスタンドに戻ると、疲れを見せながら左を当てる。さらにヒザ蹴りから、ローと攻撃を散らすとキャンデラリオは腹が効いたか、疲れからか動きが落ちる。ハイキックの空振りから離れたアルタミラノは、テイクダウン狙いを切ってバックを伺うも、キャンデラリオも左腕を差して許さない。ここからクリンチの展開になると、ルタミラノが豪快に内股を決めたところでラウンド終了となった。

最終回、「インターバル中、4年間このために戦ってきたんだろ!」とコーナーマンの叱咤激励を受けたキャンデラリオだが、ダブルレッグを切られて左から右ストレートを被弾する。アルタミラノは右ミドルを入れ、ワンツーと攻勢に。サイドキック、右ストレートと手数も精度も上回るアルタミラノは。キャンデラリオの左オーバーハンドをよけてワンツー、左ローという対角線コンビネーションを繰り出す。

ここで組みにいったアルタミラノは、離れて左ボディ、左アッパーを打っていく。キャンデラリオはパンチを打っても姿勢を乱すなど、相当に疲れている。ここにアルタミラノは前蹴りを腹に入れる。一気呵成に前に出たアルタミラノに左を入れたキャンデラリオだが、組みは切られる。右から左ボディを打ち込んだアルタミラノは首相撲に離れ、ワンツーから左ハイを蹴る。

組んでバックに回ったアルタミラノは。RNC狙いから肩固めに移行する際に、キャンデラリオがスタンドに戻る。残り1分、シングルレッグを切られたアルタミラノは左エルボー、右ボディとキャンデラリオを圧倒する。最後の30秒、両者とも疲れるなかキャンデラリオがシングルレッグ、これでは契約は勝ち取れないとスタンドに戻りギロチンから引き込む。頭を抜いたアルタミラノが、パウンドを連打したところでタイムアップとなった。

結果、LFAフライ級正規王者アルタミラノが判定勝ちも──これがDWCSでなければ、喝采ものの激闘であったが、フィニッシュ至上主義のトライアウトの場では評価されるのは難しいか。

それでもアルタミラノは逆転勝ちに、爽やかな笑顔を浮かべて「判定を待つ間にナーバスにもなっていないし、勝ったと思った。楽しんだよ。上になろうが、下になろうがハイペースでアクションを続けた。殴られ、サブミッションも狙った。ただエンジョイした。3Rは特に、2人も疲れていたけどね。ダナが満足できたか? それはダナに聞いてよ。僕はこの結果がどうであれ、これが好きで続ける。ダナが選んでくれると嬉しいけど、そうなららなくても、僕はずっとこれを続けるだけ。それが僕のパッションなんだ」と話した。


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