【DEEP103】DEEP初出場、DJ.taikiと対戦──関鉄矢─01─「最初は格闘技を舐めていました」
【写真】サークルに近いケージで、DJ.taikiを相手にどのような動きを見せるか──楽しみな関(C)TETSUYA SEKI
9月23日(木・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP103に、ZSTフェザー級王者の関鉄矢が初参戦する。
キャリア序盤は黒星も多かったが、2016年末から勝ち星を重ねて、翌年にはZSTのベルトを獲得。その後、RIZIN出場を経て、DEEP初戦でベテランのDJ.taikiと対戦することとなった。
ZSTのリングでは打ち合い上等――そんなスタイルで戦ってきた関が、新しい舞台で何を見せるのか。まずは、これまでのキャリアについて訊いた。
――DEEP初参戦でDJ.taiki選手と対戦する関鉄矢選手です。格闘技を始める前は、ずっと野球をやっていたのですよね。
「小学校の時、友達に誘われて野球を始めました。小さい頃から身体を動かすことが好きだったので」
――ということは、甲子園やプロ野球を目指していたのでしょうか。
「いえ、そういうわけでもないんですよ。特に目標もなく、ただ野球をやっていたような感じでした」
――野球で憧れの選手などは……。
「特にいなかったです。誰かの試合を見るよりは、何でも自分でやることが好きでした。野球以外にもサッカー、テニスとか他のスポーツもやりましたけど、それぞれプロの試合を見ることもなかったですね」
――では、なぜ野球を辞めて格闘技を始めたのでしょうか。
「高校の時に野球部の監督と合わなくて、野球部を辞めたあと、学校も退学しちゃったんですよ。それで仕事をしながら、何か運動したいなと思って、近所にあったボクシングジムに通い始めました」
――プロボクサーを目指すのではなく運動として、ですか。
「はい。ボクシングジムに通ったといっても、月に1回ぐらいですかね。そんな生活が1年ぐらい続いたあと、友人から格闘技のジムに誘われたんです」
――関選手は1994年生まれ、10代の頃だとK-1やPRIDEなど日本の格闘技が盛り上がっていた時期ですね。
「でも、そういうのをテレビで見たこともなかったんです(苦笑)」
――えっ……同世代のファイターは、K-1やPRIDEなどを見て格闘技を始めた選手が多くないですか。
「そうですね。みんなよくPRIDEとかの話をしているけど、僕は選手のことを全く知らなくて(笑)。今のジム、SONIC SQUADに入ったのも、キックボクシングをやりたかったからで。試合に出ることも考えていなかったです」
――最初はMMAではなく、キックボクシングから入ったのですね。
「ボクシングもそうですけど、打撃競技をやりたかったんですよ。打撃のほうが、やっていても何かハッキリしているじゃないですか。SONIC SQUADではキックボクシングのクラスもあると聞いて、入会しました」
――一般会員としての入会ですね。
「本当にパンチの基本から、ジャブから教わって……。ジムに入って最初は組み技や寝技に興味がなく、打撃の時間だけ来ていました。ちゃんと寝技を練習し始めたのは、ジムに入って2~3年後ぐらいですね。入って1年ぐらいは打撃が中心でした」
――その状況から、試合に出るようになるキッカケは何だったのでしょうか。
「安田(けん、SONIC SQUAD代表)さんから『試合に出てみる?』みたいな感じで聞かれて、せっかく格闘技をやっているなら試合に出てみようか、という感じでした」
――MMA初戦は2013年10月、ZSTのSWAT!でドンキーコングNOBU選手にギロチンで勝利しています。そこで打撃ではなく、一本勝ちしているのは……。
「コーナーに押し付けられて、そのまま首に腕を回すことができたんですよ。自分が練習でやられたことを、見様見真似やってみたら極まりました(笑)」
――お話を聞いていると、どんなスポーツでもこなせてしまうタイプなのだろうな、と思います。
「そうなんです。それで最初にできちゃったら、『こんなものでいいかな』と思ってしまう。実際、最初の頃は格闘技をナメていました」
――2015年からZSTと、中国で行われたWLFでの試合まで3連敗しています。その時点で気持ちに変化はなかったのでしょうか。
「ZSTで負けた時は、負けたけど全く通用しなかったわけでもなくて。『次はいけるかな』っていう感じで考えていました。でも中国で負けて、気持ちが変わりましたね」
――2016年5月に中国で行われたWLFで、ムス・ヌエルティビエクに1R KO負け。それまでの敗戦と何が違っていたのでしょうか。
「あの試合は、本当に何もできずにKO負けして、『このままじゃ勝てない』と思いました。何回やっても勝てないなって、本当に悔しかったです。あとVTJで負けたことも大きかったですね」
――同年9月、山本哲也選手に判定負けした試合ですね。
「塩漬けされて、何も出せずに負けました。そこから、寝技をイチから勉強しようと思ったんです」
<この項、続く>