【BJJ BET02】ポイント制の妙、動き続けるミカ・ガルバォンを封じたオリヴェイラが番狂わせ起こす
【写真】最後までらしさを見せ続けたミカが、ポイントゲームの妙とオリヴェイラの巧妙さにしてやられた──ものの、そこにオリヴェイラのディフェンス能力の高さがったことは見逃せなない(C)BJJ BET
<88キロ級T準々決勝/8分1R>
マウリシオ・オリヴェイラ(ブラジル)
Def.2-0
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
元チームメイト対決は、オリヴェイラがまずダブルレッグのフェイクを見せる。引き込んだオリヴェイラに対しガルバォンがヒールを狙う。ロールして逃れたオリヴェイラは、足を絡めてスイープを狙うが、スクランブルから両者スタンドに。
即ジャンピンガードを取ろうとしたオリヴェイラの首を抱えつつ、ガルバォンもジャンピンガードを仕掛ける。下を取りきったのはガルバォンだったが、この攻防でオリヴェイラに2Pが入る。確かにオリヴェイラはスイープを狙ってはいたものの、ガルバォンは下にならず一度スタンドが成立してからの互いのジャンピンガードを仕掛けたように見えるだけに、非常に微妙なポイントだ。ガルバォン陣営からは、レフェリーに非難の声が挙がる。
意外な表情を浮かべたガルバォンに、一瞬の隙が出来たかオリヴェイラは一気にパスを狙う。すぐに足を入れたガルバォンがニーシールドで耐える。アームドラグからハーフのガルバォンは、潜りながら足を絡めてヒールへ。足を深く差し入れ、反転して逃れたオリヴェイラはニースライスから頭を抱えに行く。察知して頭を抜いて座ったガルバォンは左足を取ってクラブライド、ガルバォンは体を反転させて正対する。
ポイント有りでも果敢に動く新世代柔術家同士のグラップリングマッチは、残り3分に。スタンドに戻った両者、ガルバォンのダブルレッグを切り、直後に引き込んだオリヴェイラがレッスルアップからシングルレッグで立ち上がる。足をリリースしてガードを取ったオリヴェイラは加点よりも、逃げ切り狙いが明らかとなった。
ガルバォンはハーフバタフライに対し足関節を狙うも、ここは立ち上がられると致命的な2Pを許すことになり、すぐに起き上ってパス狙いに転じる。オリヴェイラはここでスタンドを選択し、ダブルレッグを場外ブレイクに持ち込む。その後もオリヴェイラは、ガルバォンのテイクダウン狙いやガードからの仕掛けにも距離を取って付き合わず残り20秒に。ここでヒザをついて、ガードの中に収まったオリヴェイラは、ニンジャからのシングルレッグと最後まで攻め続けたガルバォンから逃げ切り──番狂わせを起こした。
序盤の失点を挽回できなかったガルバォン、ポイント制では彼の自由奔放なグラップリングは制限された感があるが、このルールで勝ってこそオールラウンド・グラップラーともいえる。ノーギ・トーナメントが盛んに行われることで、ミカ・ガルバォンがどのような完成形を目指すのか、敗れてなお今後が気になる存在であることは間違いない。