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【Bellator260】倒されクローズドを取り続けたリマが陥落。26連勝、アモソフが新ウェルター級王者に

【写真】予想もできないアモソフの一方的な展開となった(C)BELLATOR

<Bellator世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
ヤーソラフ・アモソフ(ウクライナ)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
ドゥグラス・リマ(ブラジル)

左ジャブを伸ばし、右カーフを狙うリマ。アモソフも右カーフを蹴り、左フックへ。リマはボディストレート、鋭い右ミドルを蹴る。シングルからダブルに移行し、最初の組みでテイクダウンを奪ったアモソフはリマの立ち上がり際でボディロックに捕えると、大きく持ち上げてスラム。クローズドガードを取ったリマは、背中の後ろで右手を取られたが、これを解除し頭を引き寄せる。

アモソフは鉄槌を落とし、ボディから頭部を殴る。リマは下からエルボーを見せるが、下のままラウンド終了を迎えラウンドを失った。

2R、左右に回りスイッチを織り交ぜるアモソフに対し、リマがジャブやリードフックを伸ばす。カーフをかわしたアモソフの右オーバーハンドは遠い。それでも左ジャブを伸ばし、リマのステップインをけん制するアモソフは右を当て、左ハイへ。蹴りに反応したリマは直後にシングルで組まれ、またもボディロックでテイクダウンを奪われる。

レスリングよりも柔道的なテイクダウンが強いアモソフがハーフでコントロールし、鉄槌、パンチ、ヒジを落とす。ワキ腹、太腿にヒジを入れるアモソフが、ケージにもたれて座ったリマの顔面にエルボーを入れる。さらに右で殴られたリマは、立ち上がろうとしても腰をコントロールされスクランブルに持ち込めない。最後の30秒でバックを譲ってスタンドに戻ったリマだが、再びボディロックテイクダウンを狙われ耐える局面でラウンド終了となった。

3R、リマの右ハイをアモソフがガードし、左に回って間合を外す。ガードの上から力強い右ハイを蹴ったリマが、強烈な右ローカーフを蹴る。アモソフも右ストレートを返し、右フックにシングルを合わせる。ケージを背負ってヒザをボディに入れたリマだが、ボディロックから大腰でテイクダウンを奪われる。

リマはここでもスクランブルでなく、クローズドガードを選択する。しかしアモソフはパンチが後頭部に当たったと注意を受け、試合はスタンドで再開される。やや厳しめのレフェリーの判断後、リマが右カーフ。さらに左フックに合わせて、右ボディフックを入れたリマが右ミドル、近づいたところでアモソフが右ハイを狙い時間に。

4R、左ジャブを当てシングルに反応できたリマは、続くテイクダウン狙いも切ったが、3度目の組みにケージに押し込まれる。ここもボディロックで抱え上げるアモソフに対し、ウィザーでヒザをつくだけスタンドに戻ったリマだったが、腰に乗せられ結果的にボディロックテイクダウを許す。ここでクローズドガードでアモソフを中の納めるリマに、スクランブルという選択はないのだろうか。チャンピオンは時折りハイガードから腰を切る仕草を見せるが基本はオープンにならず、ヤースラフ・チャントを受けた挑戦者がエルボー、ワキ腹を殴り、顔面には鉄槌を入れてトップが続いた。

最終回、リマの右カーフからの左ボディ、アモソフが右フックを合わせる。裏拳から近づくなど、距離を詰めようとする挑戦者に対し、王者は組まれるのを嫌がり近づくことができない。つまり攻撃手段がないリマが、左ミドルを蹴る。2分を経過し、アモソフが寝具レッグへ。ボディロックに移行することなく、テイクダウンを決めるとチャンピオンは、またもクローズドを取る。

リマはケージ際に移動することもなく、時間が過ぎる。残り90秒を切り、ようやく金網際に移動したリマが腰を切って腕十字へ。ゆっくりしたしかけにも関わらず、アモソフは右腕を取られる。ヒザを押し付けてエスケープを図るアモソフは、クラッチを組んだままこれを回避──リマはクローズドに戻し、試合終了を迎えた。

結果論としては、余りにも闘志に欠けたリマは首をかしげるばかり。ジャッジ2人が3Rをリマのラウンドとしたか49-46✖2、50-45が1人でアモソフが新世界ウェルター級チャンピオンに。

26連勝、メジャーMMAプロモーションで初のウクライナ人世界王者となったアモソフは「ハッピーだ。ずっと練習してきた結果だ。連勝記録は気にしていない、ただ与えられた試合を戦っていく。今は息子が来月に生まれるので、それを待ちたい」と話した。


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