【UFC ESPN22】ガステラムの心の内まで見透かしたウィティカーが多彩すぎるMMAを展開、完全勝利
<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
ケルヴィン・ガステラム(米国)
サイドキックを繰り出すウィティカーが右ロー、ガステラムのステップインに右を当てる。ガステラムはローを入れたが、ウィティカーが右ストレートとジャブ、さらに左フックを当て、ジャブ&左フックというダブルを見せる。ガステラムも前に出てパンチを振るうが、ワンツーで距離を詰めた右ハイがガステラムを襲う。
パンチに目が行き、蹴りが見えていないガステラムはもう一度ハイを蹴られそうになり、残り半分で組まれてテイクダウンを許してしまう。パウンドを落とし、足を一本抜いたウィティカーがエルボーを入れ、冷静に試合をリードする。ガステラムはロックダウンを取っており、背中をつけて戦うということか。それでも殴られ背中を見せたガステラムは、ウィティカーが組みを続けなかったことで自由になるが、直ぐに時間を迎えた。
2R、ウィティカーが右ロー、ガステラムは左を振るって前に出る。と、シングルに出たガステラムだがウィティカーが即反応して離れ、続く前進には下がりながら左を狙う。前に出て右ジャブを当てることもあるガステラムは、目的を果たすよりもジャブを受けることが多い。そして力が入って前に出るや、ウィティカーが組んでボディロックテイクダウンを見事なタイミングで決める。
スクランブルで組みに拘らないのは初回と同じで、離れたウィティカーが右ハイを蹴っていく。シングルのフェイクに続き、ワンツーで前に出たガステラムは右ハイをブロックした直後に左フックを被弾する。左に回りながら、ローに左を当てたウィティカーは、色々な角度で打撃を入れていく。ジャブを当てられ、距離を詰めることができないガステラムは終盤にクリンチに持ち込むも、ウィティカーは体を入れ替え余裕の対応を見せた。
3R、右三日月を入れたウィティカーが鋭い右カーフローを蹴る。ワンツーからスリーで左を当てたガステラムだが、続くローが急所に入り試合が中断する。すぐに再開され、右ハイを蹴ったウィティカーは左を被弾して、間合を取り直す。蹴りが急所に入ったが、あの踏み込みとパンチの回転があればウィティカーを攻略でいるか。
しかし、あの動きを持続することも難しく、結局はウィティカーの距離になり踏み込みが届かくなくなっている。ウィティカーはステップインに右を合わせ、右ミドルに続き左ストレートを当てる。さらに左フックをテンプルに打ち込むなど、多彩な攻撃が続く。
その後も見事なタイミングで左ジャブを当て、右ジャブを被弾しても直後に右を当て返し、蹴りを上下に散らせる。さらに蹴り足を掴み、ニータップのようにパンチを繰り出して尻もちをつかせたウィティカーが、ワンツーを当てラウンド終了を迎えた。
4R、的確な攻撃と適度の省エネファイトを見せるウィティカーは、ダーティボクシングの直後に左ジャブを当て、ワンツーをブロック。近い距離でのシングルにも反応したウィティカーは、ガステラムに付け入る隙を与えない。全ての攻撃が関連しているウィティカーを前にすると、ガステラムの攻撃は余りにも単調だ。
ついには踏み込んでショートアッパーまで繰り出すようになったウィティカーは、とにかく前に出るしか打撃できないガステラムに攻撃を積み重ねていく。そのガステラムもステップジャブをヒットさせるも、あとが続かない。ローの次はニータップ、離れて右エルボーを狙うウィティカー。ここでガステラムがシングルに取り、尻もちをつかせる。すぐにスタンドに戻ったウィティカーは、間合を完全にコントロールし最後もステップインにアッパーを当ててラウンドを締めた。
最終回になると、いよいよ逆転を掛け前に出るしかないガステラムだが、ウィティカーは組んでクリンチ戦に持ち込み時間を使う。ガステラムの右ジャブを届かず、逆に右を被弾。ウィティカーの多彩な攻撃は、打たれる覚悟の上で成り立っている。よってパンチを被弾しても、怯むこともリズムが狂うこともなく距離さえ修正すれば、再び自分のペースで戦えるようになる。
中盤にウィティカーは前蹴りを顔面に届かせ、まだ引き出しを持っていることを見せつけると、さっとシングルレッグでテイクダウンを奪う。既にガステラムの心の動きを察知して戦いを進めるウィティカー。グラウンドのトランジッションからスクランブルまでガステラムを掌の上で転がし、バックとトップを行き来する。最後はガステラムにクローズドガードを取らせ、これ以上ないドミネイトを見せたウィティカーがフルマークの判定勝ちした。