この星の格闘技を追いかける

【BRAVE CF50】Sウェルター級王座挑戦、ヌルディエフ「悲惨な現実を見てきた。MMAはただ楽しい」

【写真】アルシラウィ、ヌルディエフともに計量を終えている(C)BRAVE CF

1日(木・現地時間)、バーレーンはムハラクのアラード要塞特設会場で開催されるBRAVE CF50。

そのメインで元UFCファイターのイズミール・ヌルディエフがBRAVE CFスーパーウェルター級王者ジャラ・フセイン・アルシラウィ✖イズミール・ヌルディエフに挑戦する。

50回記念のビッグショー、4週間に渡るファイトマンスリーのとりの一番のチャレンジャー、ヌルディエフにZoomインタビューを行った。

ロシアはチェチェン共和国のグロズヌイ生まれ。10歳の時に家族とともにオーストリアに移住したチェチェン人であるヌルディエフにとって、MMAはただ楽しいスポーツだという。


──木曜日の夜、アルシラウィの持つBRAVE CFスーパーウェルター級王座に挑戦します(※取材は3月30日に行われた)。今の調子を教えてください。

「減量に向けて少し疲れているけど、良い感じだよ。スーパーウェルター級という階級は他の大会では王座が認定されていない。やはり減量の幅が小さいというのは体にも良いことだ。

だいたいMMAはいつまでも、階級間の差が大きすぎる。他のプロモーションもBRAVEに追従してほしい。そうじゃないと、皆がハードな減量を強いられるからね。僕にとってスーパーウェルター級がベストかどうかは戦ってみないと分からない。でも減量がイージーになることは絶対だよ」

──ところでUFCを離れてから、前回の試合はドイツのELITE MMA Championshipでウェルター級王座決定トーナメントに出場し、ポーランドのティモウス・ロパチェクを判定で破りました。10月の終わりにアミラン・ゴゴラゼとの決勝が決まっていましたが、コロナ禍で陽性者が出て大会が中止になりました。

「EMCは新型コロナ感染拡大の状況下でハードな状態に置かれている。でも、僕は試合ができない期間をこれ以上長くするわけにはいかなかった。そんな時にBRAVEからオファーをもらい、EMCと話し合ったんだ。彼らは僕がBRAVEで戦うことを認めてくれた。凄く良心的だと思ったよ。

MFCは活動が再開されたら、ドイツで一番の大会になるに違いないよ。そして、僕はこれからBRAVEで戦っていく。今の世の中で、これだけの国際的なMMA大会を開くことができるのはUFC、Bellator、ONEとBRAVEだけだ。

選手の感染予防もしっかりとしているし、この機会を与えてくれたことに感謝している。ハードな現実のなかで、試合をして金を稼ぐことができるから、僕は生きていける。中東、バーレーンで新しいチャレンジが待っているんだ」

──ところで金・土ではなくて、木曜日に戦うというのは新鮮ではないですか。

「ずっと土曜日に戦ってきたから、なんだか奇妙な感じがするのは確かだよ。でも問題ないよ、何曜日に戦おうがファイトはファイトだ」

──チャンピオンのアルシラウィを始め、中東の選手たちの力をどのように評価していますか。

「正直言えば、以前はアラビックのMMA界のことを意識することなかった。でも、今ではやる気に満ち溢れたファイターが多く、凄く成長していると思う」

──ところでイズミールは、ロシアのチェチェン共和国グロズヌイの生まれですが、今はオーストリア国籍をもっています。

「10歳の時にチェチェンを出て、もう15年に近くになるね。僕はチェチェン紛争の真っただ中で育った。両親は安全に僕らを育てるためにグロズヌイを出ることを決めたんだ」

──グロズヌイ時代に格闘技の経験は?

「7歳の時に1年間だけ空手をしたことはあったけど、オーストリアに移ってから11歳の時にレスリングを始めた。16歳の時にMMAに転じたんだ」

──チェチェン、戦闘民族の血そうさせたのでしょうか。

「まぁ、僕らは戦争の中で生きてきたからね。子供の頃、目の前で人々が死んでいった。そりゃあ、気持ちは強くなるよ。MMAを忍耐強く戦うことは、ただ楽しいという気持ちしかないんだ。

MMAを戦うことに、恐怖を感じるなんて一切ない。もっと悲惨な現実を見てきたから、僕にとってMMAはただ楽しいものなんだ」

──……それは、私たち日本人には理解できない心境にあるのでしょうね。ところでそのMMAで戦うアルシラウィの印象を教えてください。

「タフだよ。チャンピオンになれるだけの理由がある。アラビアンのなかで最高の選手だろうね。凄く尊敬しているけど、まぁ普通の相手だよ。僕は過去にもっとタフな相手と戦ってきた。問題はない。

僕にはACBやUFCで最高の相手と試合をしてきた経験がある。そうだね……彼が何か僕の想像以上の強さを持っているなんてないだろう。それに今回の試合に向けウェルター級で最強のキックボクサー、ハミシャと練習してきた。全力で戦いチャンピオンになるよ」

──チャンピオンになった後に関してですが、MMAファイターとしてどこを目指していますか。

「もちろんUFCに戻ることだよ。ただ、今はBRAVEの王者になって自分の名前を挙げることに集中している。BRAVEは欧州で一番の大会だからね。BRAVEで全てをやりつくして、次の戦場に向かう。そして、MMAを戦いながら豊かな人生を送りたい」

■視聴方法(予定)
4月1日(木・日本時間)、
午後11時30分~ FITE
午後11時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF50対戦カード

<BRAVE CFスーパーウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ジャラ・フセイン・アルシラウィ(ヨルダン)
[挑戦者]イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)

<BRAVE CFライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
モハメド・ファフレディン(レバノン)
モハメド・サリード・マレム(スイス)

<BRAVE CFフライ級王座決定T1回戦/5分3R>
アリ・バガウティノフ(ロシア)
ダスティン・オーティズ(米国)

<BRAVE CFフライ級王座決定T準決勝/5分3R>
ヴェリムラッド・アルカソフ(ロシア)
ザック・マコウスキー(米国)

<74キロ契約/5分5R>
アミン・アユブ(フランス)
マショラブジョン・ルジボエフ(ウズベキスタン)

<スーパーライト級/5分3R>
イッサ・イサコフ(ベルギー)
マルセル・グラビンスキ(ドイツ)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ケビン・ルアート(スイス)
ルイス・グリスマン(デンマーク)

<フェザー級/5分3R>
ヴェレリウ・ミウチャ(モルドバ)
オマール・ソロモノフ(ウクライナ)

<95キロ契約/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
コンスタンチン・ソルダトフ(ベラルーシ)

<バンタム級/5分3R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
ボリスラフ・ニコリッチ(セルビア)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・レサー(南アフリカ)
ルスタン・ジエフ(ロシア)

<77キロ契約/5分3R>
カール・ブース(英国)
カルロス・ベギョソ(エルサルバドル)

<バンタム級/5分3R>
ビイル・シュティピン(ロシア)
アレクサンドル・ケシュトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
シェイブ・ユセフ(英国)
スティーブン・ゴンコルヴェス(米国)

<73キロ契約/5分3R>
マチェク・ギエルシェウスキー(ポーランド)
フィリップ・シウバ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
ヤン・リアッセ(ルクセンブルク)

<フェザー級/5分3R>
グレン・マクベイ(英国)
アブドゥルマナップ・マゴメドフ(ロシア)

PR
PR

関連記事

Movie