【ONE】3月23日(火)発売GONG#313から。ミーシャ・テイトが帰国した理由「自分の人生を生きたい」
【写真】UFCと一味違うONEの特色を米国に伝える伝道者。ミーシャは本誌インタビューでは実戦復帰に関しても話している(C)ONE
4月からTNTシリーズと銘打ち、米国プライムタイムに合わせたイベント中継を行うONE Championshipを3月23日(火)発売のGONG格闘技ではABEMAと共同取材でタッグを組み、総力取材を行っている。
そんな4月と5月のONE特集企画では、女子格闘技の普及を念頭に、ONEの一員となったミーシャ・テイトに女子アトム級GPとTNTプライムタイム中継について尋ねたインタビューが掲載される。
ここでは本誌内に掲載しきれなかったミーシャがシンガポールを離れ、米国に戻った経緯を紹介したい。
──今、どこかジムにいるのですか。
「そうなの。エクストリーム・クートゥアーで練習が終わったばかりで、取材の時間までずれ込んでしまってゴメンなさいホラ、後ろにフランシスがいるわ」
ガヌー ハワユ―?
──アイム・ファイン。サバ?
ガヌー トレ・ビアン(笑)。
「これから、日本のマガジンのインタビューなの。じゃぁ、今からジムを出るわ。(※長女のアマイエちゃんに向かって)もう、眠いわね。直ぐに家に着くからね」
──スミマセン。そんなときに。
「大丈夫よ。家までドライブしながらも話はできるから」
──シンガポールを離れ、米国に戻っていたことを知らなかったです。
「COVID19でシンガポールがロックダウンされて、生活していてもハッピーじゃなくなってしまって。友達も、ファミリーも誰とも交流ができなくて。それに息子が生まれたのに(※昨年6月)、誰にも合わせることが出来ないなんて。
私の母にすら、息子を抱いてもらうこともできなかった。今回のコロナ禍で人生に一番大事なのは家族であることに気づいたからこそ、米国に帰国することを決めたの」
──シンガポール政府は新型コロナウィルス感染拡大をかなり抑制できていて、米国はまだまだ厳しい状況だったのですが、そういう理由で米国に戻ったのですね。
「そうなの。このままだと、息子が1歳になっても両親に会わせられないんじゃないかって思ったから」
──米国の感染者数はシンガポールよりずっと多いですが、そのことは不安にはならなかったですか。
「う~ん、感染するリスクについては考えたけど、シンガポールで抑圧された生活をしていくことが、とてもハッピーと想えなかったから。リスクはあったけど、今はこうして母国で普通に生活出来ているので、この判断は正しかったと思うわ。
これからもマスクをして、手洗いうがいを徹底し、感染予防をした上で、家族に何も起きないことを祈るしかないわ。でも、私は自分の人生を生きたいから」
──家でマスクをして、家族と距離を取って生活する。感染していないのに、そこまで用心すると人生を失っていると私も思っています。
「その通りよ。いつだって感染とリスクのバランスをとることを考えないとね。リスクと自分たちの幸福のね。私自身、家族、他の人たちを感染から守ることと、自分の幸せのための生活の良い落としどころを見つけないといけないと思ってきたの。
私は自分の人生の1年を失いたくなかった。そのなかで最善のバランスを採ったつもりでいるわ」
──本当にその通りですね。とはいえ、シンガポールから米国に戻る上で、ONEでの業務のことはどのように考えたのですか。そしてチャトリCEOは合意してくれたのでしょうか。
「チャトリは凄くファミリーマンだから、私の決断に凄く理解を示してくれた。彼の息子もアマイエより少し年上なだけだし。まず私はシンガポールにいる時のように、どれほどONEの仕事ができるかを考慮している間、ONEもコロナの影響でショーが開けない時期が続き、多くのレイオフも断行したわ。
米国でも同じようにONEとやっていけるかということに不安もあったけど、ONEでの仕事は続いているし、彼らと一緒に仕事が出来ていることはとても光栄だし、凄く幸せなことよ」
※ONEのTNTプライムタイム中継と米国進出の見込み、そしてアトム級GPについてミーシャが語ったインタビューは、3月23日(火)発売のGONG格闘技#313──女子MMAのパイオニア、ミーシャ・テイトに訊く「フェアって言葉は、この業界では文字通り公平っていう意味じゃないの」──をお楽しみください。