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【DEEP JEWELS32】1年4カ月振りの再起=ミッコ・ニルバーナ戦へ、奈部ゆかり「フライ級GPを──」

【写真】取材後に猫──ではなく恐竜ポーズを決めた奈部 (C)MMAPLANET

本日7日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されDEEP JEWELS32で、奈部ゆかりがミッコ・ニルバーナと1年3カ月振りの再起戦を行う。

一昨年12月に韓国のRoad FCに参戦し、ローワン・ビルガーにケージレスリングを武器に快勝も、この時点で左ヒザを負傷し長期欠場を強いられることになった。

同時にコロナ禍となり、練習からも遠ざかっていた奈部は仕事を天職し、ケージに戻ることを決めた。再起戦前日、計量直後に聞いた奈部ゆかりインタビューをお届けしたい。


──2019年12月のROAD FCでのローワン・ビルガー戦。計量後に奈部選手はMMAPLANETのインタビューで「国内は一通り当たったので海外でやっていきたい」という話をされていましたが、あの時点で既に足を負傷していたということですよね。

「ハイ。計量の2日前に韓国の知り合いの後輩とアップをしていて、左ヒザの半月板が割れて関節に挟まっている状態で足が伸びなくなっていました」

──試合後にヒザをケガしていたと聞いていたので、靭帯だと思っていました。

「靭帯はもともとその1年ぐらい前に前十字が切れていて、そのまま放っておいたのが仇となりました」

──しかし、その状況で良く試合をしましたね。

左ヒザがしっかりとテーピングで固定され、戦っていた奈部ゆかり

「欠場するっていう選択はなかったです。山崎(剛Me,We)代表も『大丈夫だよ』って、ただポジティブな言葉を掛けてくれて」

──痛みは?

「痛かったです。足が伸びないですし。でも山崎さんは『こういうのはよくあるよね』とか、ネガティブにならないよう導いてくれました。でもアップ中にヒザが痛くて、『この動きはやりたくないです』って伝えると、『お前、試合が始まって同じことを言うつもりか』って怒られたんです」

──あの山崎さんが、怒った?!

「ハイ。あんな風に怒られて、ビックリしたんですけどやるしかないって気持ちが固まりました。そうしたら、試合後には『良くやった』と言ってもらえて……」

──結果的に試合をしたことで、ケガが酷くなったというのは?

「う~ん、そもそも試合が終わったら手術だっていう気持ちでいたので。手術後はコロナになって、務めていた会社から練習を禁じられて、秋ぐらいまでジムに行くことができなかったんです。そこで転職して、練習に戻ることにしたんです」

──ここにもMMAバカがいたということですね。

「格闘技関係者以外の人とは、相談したら反対されると思って誰にも話さずに決めました。山崎さんには『優先順位を考えて、選べ』って言われ格闘技を選びました。コロナで練習していなくて、テレビを見たり外をウロウロ歩いたり、最初は楽しかったです。でも練習していないと不安になってきて、皆のインスタが気になるようになって。つまり、私はやりたいんだなって分かったんです。

この間に何人かの知り合いも引退しちゃいましたし、(前澤)智ちゃんとかも。でも、フライ級も選手が増えてきて、戦ってみたいなって思いました」

──練習再開はいつ頃だったのですか。

「10月の終わりぐらいですね」

──ほぼほぼ11カ月間、MMAから離れていたわけでね。

「コテンパにやられました。レスリングの選手にもグラップリングで関節技を極められたり……もう涙がでてしまっていたんですけど、その時に山崎代表から『奈部ちゃんが休んでいた間も皆、練習していたんだから』と言われた時は、ズカーンと来ましたね……。いつも優しい山崎さんから、ガツンと言われたことは響きましたけど、あれでやろうって思いました」

──ケガの影響はなかったですか。

「それより練習していなくて、太っていたので……。体重が軽くなると、負担は少なくなって今は全く気にしていないです」

──いよいよ明日再起戦になりましたが、今の心境というのは?

「自分ではあまり意識しないようにしているのですが、凄く緊張しています。若い選手がたくさん出ているので、やっぱりやっていきたいという想いも改めて強くなっています」

──この後というのは、考えていますか。

「これは海外に出たいというのは、変わっていないです。状況が許されるようになるとONEやROAD FCで戦いたいです。渡部華奈選手がBELLAOTORに行って、再戦をしたいと思っていたので羨ましいです。

それとJEWELSにはフライ級王座がないので、選手が増えてきているしフライ級GPもしてほしいです。皆、20代ばかりですけど、杉山しずか選手という凄い人がいますし、同じチームですけどそういう機会があれば戦いたいです」

──女子選手はいくらでも練習仲間と戦うという感じがします。

「柔道時代もそうですし、プライベートはプライベート。試合は試合だと考えています。ミッコ・ニルバーナ選手とも試合が決まる2日前に新年会をやっていて、『もしかしたらあるんじゃない』って話していたんです。でも、今からするとあの時点でもう決まっていたと思います。ミッコ選手は『そうかもしれないですね』って笑っていたんですよ」

──そうであるなら、怖いです(笑)。

「アハハハ」

──ところで今回は計量後のポーズで、あの猫のような格好をしなかったです。

「アッ、アレ……恐竜なんです」

──恐竜だったのですか……スミマセン。あのポーズをとらなかったのは、心機一転ということなのでしょうか。

「いえ、忘れていました。1年4カ月振りだったので、ただ単に頭から抜けていました(笑)。普通にしていましたね」

──アハハハ。では再起戦に向けて、一言決意のほどをお願いします。

「新しいことをやってきたというより、自分がやってきたことの精度を上げてきました。劇的に進化しているということではなく、これまでの延長線上で圧倒して、まだまだ若い子には負けないぞというのを見せつけたいです」

■視聴方法(予定)
3月7日(日)
午後5時15分~PPV SPWN

■DEEP JEWELS32対戦カード

<DEEP JEWELSアトム級GP1回戦/5分2R>
大島沙緒里:47.5キロ
富松恵美:47.6キロ

<DEEP JEWELSアトム級GP1回戦/5分2R>
パク・シウ:47.6キロ
にっせー:47.35キロ

<DEEP JEWELSアトム級GP1回戦/5分2R>
村上彩:46.85キロ
さくら:49.05キロ

<DEEP JEWELSアトム級GP1回戦/5分2R>
青野ひかる:47.5キロ
佐藤絵実:47.3キロ

<グラップリング54キロ契約/5分1R>
伊澤星花:52.45キロ
杉本恵:53.6キロ

<フライ級/5分2R>
奈部ゆかり:56.9キロ
ミッコ・ニルバーナ:56.7キロ

<ストロー級/5分2R>
アミバ:──キロ
藤田翔子:52.85キロ

<55キロ契約/5分2R>
ケイト・ロータス:54.15キロ
HIME:54.40キロ

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