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【Road to ONE03】グンター・カルンダと対戦、手塚裕之─02─「野獣だろうが、根性がないですね」

【写真】大自然の野獣とコンクリート・ジャングルの野獣が、いよいよ今夜激突する (C)MMAPLANET

あと7時間、本日10日(木)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHTでグンター・カルンダと対戦する手塚裕之インタビュー後編。

栃木県塩屋谷町の自然を生かすトレーニングに邁進する野獣・手塚はカルンダと同様にこの試合をONE王座に向けてのステップアップにしたいという想いがある。

そしてカルンダ戦後に関して、手塚は意外な意中の対戦相手の名前を挙げた。

<手塚裕之インタビューPart.01はコチラから>


──今は自宅での練習が主となっているのですか。

「そんなことはないですよ。ハイブリッドレスリング山田道場でのスパーリングは欠かせないですし、半々ぐらいですね。4月にONEで戦う予定がコロナ感染拡大で流れてしまって。緊急事態宣言の時はここでしか練習はできなかったですけど。

ただし、あの時は田植えの時期だったので夜しか練習できなかったので、ミットを持ってもらえると十分でしたね。あとは山田道場から1人来てくれてマンツーマンで練習したり、ウェイトもここでやっていたので。

僕の住んでいる町では感染者が出ていないから、近所の目もあるし県外に行くなという空気ありますし、出稽古ができる状況ではなかったです。なので、ここがあって良かったです」

──近所の目……それは今もあるのですか。

「試合は仕事ですから、それはやりますよね。ただし遊びで東京に行くとかっていうのはないでしょうし、家族も周囲の目を気にしないわけにはいかないですよね。やはり小さな村社会ですから」

──でも試合は仕事だと。とはいえ日本でこの時期に外国人選手と戦うことは予想外だったのではないでしょうか。

「オファーを貰った時は日本人選手と戦うと思っていたので、それでいうとラッキーです。7月の末にオファーがあったのですが、それまではシンガポールへの渡航が解かれれば向こうで試合ができるかもしれないけど、時期とか考えらえる状況ではなかったですし。

だから試合ができることで、ドキドキと仕事をするっていうキリッとした気持ちになれましたね」

──練習に向かう姿勢も変わりましたか。

「いえ、そこは変わらなかったです。4月に試合が流れた時から、ずっと強度の高い練習をしてきていたので」

──グンター・カルンダ選手、映像などはチェックされましたか。

「フィジカルが強いです。見た目も筋肉隆々でパンチが伸びてきそうです。スイッチを器用に使っていて。蹴りもありますしね。でも柔道の選手ということで、組みも強いのでしょうね。柔道の選手だから組み技体形だと思っていたら、かなりスリムで。

ただONE Warriorで負けた試合では、気持ちが折れてうずくまっていました。ああいう風な試合の投げ方は、サムライ・スピリッツにはないです。野獣だろうが、根性がないですね」

──そういう相手とどのように戦わないといけないと思っていますか。ONE本戦で戦うことを睨んで。

「打撃でも寝技でも圧倒して、相手に何もさせない。一方的に試合を制する戦いをしたいです。あっ!!」

──どうしましたか?

「アブに刺されました」

──えっ?

「毒はないので大丈夫ですが、クソ痛いです(笑)。血が出てきました。汗に引き寄せられてくるのかもしれないですね」

──……こんな危険な取材はあまり経験したことがないです。

「スイマセン……えぇとONE本戦を睨んで、ですよね(笑)。ONEからも注目される大会になるので、ウェルター級のベルトに絡めるような選手と戦いたいと思ってもらえる勝ち方をしたいと思います」

──意中の選手はいますか。

「アギラン・タニと戦いたいです。岡見さんと良い試合をして、秋山選手にも勝っているので。ONEのなかで自分の立ち位置を図ることできる相手だと思います」

──日本人との競争でもあります。他の日本人ウェルター級選手との違い、どこをアピールしたいですか。

「う~ん、スピードですかね。自分の持ち味はスピードなので。それと日本人対決は難しいかもしれないですが、秋山選手と戦いたいというのはあります。小さな頃からTVで視ていた選手なので」

──おお秋山選手ですか。実現すれば地元でも話題になりそうなマッチアップですね。MMAで頑張って地域の活性化と結び付けたいなど考えることはありますか。

「それは……あります。ここで頑張って、街の方にも県にもアピールしMMAを根づかせたいです。

ポテンシャルの高い子は多いです。野山を走って、川を泳いできたので。身体能力が高い子供たちが多いので、格闘技に興味を持って生かして欲しいですね。

それに農家では人出不足もあるので、MMAで地域や農業を盛り上げたいです。ドナルド・セラーニとか牧場をやっていて、若い人間を集めているじゃないですか。あんなこともできるなら、やってみたいですし。そういう訴えがけを街にできるようにしていきたいです」

■Road to ONE03対戦カード

<ライト級/5分3R>
青木真也(日本)
江藤公洋(日本)

<ストロー級/5分3R>
猿田洋祐(日本)
内藤のび太(日本)

<ウェルター級/5分3R>
手塚裕之(日本)
グンター・カルンダ(コンゴ民主共和国)

<バンタム級/5分3R>
今成正和(日本)
根津優太(日本)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)
KING強介(日本)

<キックボクシング・ストロー級/3分3R>
有井渚海(日本)
黒田直也(日本)

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