【ONE111 A New Breed】ONE初陣、比系・武芸百般ドレックス・ザンボアンガ「師匠のフルコン空手は…」
【写真】ONEも現在はバーチャルメディアデーを用いており、計量は元々非公開だ (C)SEXY KWANG/ONE
28日(金・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナでONE Championshipの本格的な活動再開──第2弾=ONE111「A New Breed」が開かれる。
MMAが3試合組まれた今大会、うち2試合でザンボアンガの名前を確認できる。デニス・ザンボアンガはご存知、2月に山口芽生を下し、ONE世界女子アトム級王座アンジェラ・リーへの挑戦が決定していたファイターだ。もう1人のザンボアンガ=ドレックスは、彼女の実兄で修斗に2度来日経験があるファイターだ。
フィリピンのフルコンタクト空手出身ながら、なぜザンボアンガ兄妹が打撃重視のストライカーではない、ウェルラウンダーなのか。その秘密を尋ねた。
──ドレックス、ONEチャンピオンシップ初陣が近づいてきました。今の気持ちを教えてください。
「凄くエキサイトしているよ。まず世界規模のステージで戦えることに。そして妹のデニスと同じに戦うこともね」
──ドレックスは確か2017年の終わりにUFCでアレックス・ヴォルカノフスキーと戦う話がありました。
「あの時は代役のオファーで、試合の1週間前だった。もちろんUFCで戦えることが嬉しくないファイターがいるはずがない。UFCからのオファーは誰でも誇りに思うはずだ。でも、時間が足りなくてビザが取れずUFCと契約することはできなかったんだ。
今となっては、あの短期間で試合を受けていてもヴォルカノフスキーのような強豪に勝てるわけがなかったと思っているよ」
──その4カ月後に修斗に来日しました。
「今、僕がONEで戦える大きな要因が修斗を経験したことだと思っている」
──修斗では2度戦い、最初は斎藤裕選手が相手でフェザー級でした。2戦目の石橋佳大選手との試合はバンタム級。修斗の階級はユニファイドでONEとは違いますし、今回がONEのフライ級と考えると、ドレックスの適正階級は何級なのでしょうか。
「あの頃は68キロぐらいだったから、65キロで戦うことは苦もなかったし、バンタム級に落とすことも問題なかったよ」
──ただし修斗のバンタム級に落とす時は水抜きが許されており、ONEフライ級は同じく61.2キロですがドライアウトは禁じられています。
「そうだね。ハイドレーションテストは人生で初めての経験だった。でも、初日はもうパスしたよ。タイにやってきてから、ずっと練習しているから体も絞れていたし、問題なく体重は調整できたからね」
──妹のデニスの試合を昨年12月にクアラルンプールで見た時に、なぜ彼女はウェルラウンダーなのか。どういう練習をフィリピンでしてきたのか気になっていたのですが、ドレックスの妹だと知って理解できました。ドレックスはフルコンタクト空手からキック、柔術、グラップリングとあらゆる試合に挑戦してきましたね。
「確かに僕のキャリアは空手からスタートを切ったけど、師匠は柔術家でもあったんだ。MMAを戦ううえで、凄く幸運だったと思う。先生のカラテはフルコンタクト空手でありながら、投げや寝技での極めも認められていたから、MMAのようなモノだったよ。ただし、素手で顔面パンチはなかったけどね
──顔面パンチの有無は大きな違いかと思うのですが。
「師匠のフルコンタクト空手は打撃だけとか、寝技だけっていうんじゃなくて、何でも使えるという部分で多いに役立っているよ。マーシャルアーツとして、技を磨くことができたたからね。そこにレスリングもやり、ボクシングも練習してきたことでMMAではどんな局面で戦える。加えて師匠が同じということで、デニスといつでも繰り返し練習することができたのも大きいよ」
──では今回の試合、対戦相手のディッチャディン・ソンシリスッパティンはムエタイベースのMMAファイターです。どのような印象を持っていますか。
「対戦相手のことは試合前には話したくないんだ。でもしっかりと相手の研究もしてきたし、金曜日は必ず勝つよ。弱点も分かっている。デニスと2人で、皆をアッと言わせるような試合をするから」
──了解しました。ありがとうございます。ではABEMAでドレックスのファイトを視聴するファンに一言お願いします。
「日本の修斗で戦えたことで、今の僕があると思っている。日本のファンの皆には僕だけでなく、妹のサポートをしてほしい。そしてONEチャンピオンシップを楽しんで欲しい」
■ONE111 A New Breed対戦カード
<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者]スタンプ・フェアテックス(タイ)
[挑戦者]アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
<ムエタイ・バンタム級準決勝/3分3R>
ドロレック・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
クラップタム・ソーチョーピャッウータイ(タイ)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
ワシャピニャ・ガオコー(タイ)
<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ワンダーガール・フェアテックス(タイ)
KC・カルロス(米国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ドレックス・ザンボアンガ(フィリピン)
ディッチャディン・ソンシリスッパティン(タイ)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ファン・ディン(中国)
ソク・ティー(カンボジア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)
アレックス・シールド(米国)