【Brave CF38】3週間で2度目のファイト=ヘルマンソン、アーベリのスピーディーな打撃に下る
<56キロ契約/5分3R>
エリン・アーベリ(スウェーデン)
Def.2-1:29-28,29-28.27-30
マーリン・ヘルマンソン(スウェーデン)
7月20日のルーマニア・ブカレスト大会でRNCで勝利したばかりのヘルマンソンが、キック、ムエタイ、散打がベースのアーベリとストライカー対決に挑む。ワンツーフックからローを蹴るアーベリは、さらにパンチから左ミドルを入れる。ヘルマンソンのジャブをバックステップでかわし、ローを蹴ったアーベリは続く左ミドルをキャッチされテイクダウンを許す。
クローズドガードを開き、腰を引いて立ち上がったアーベリが右ハイ、右ローを蹴る。さらにアーベリは左ジャブ、右ミドルもヘルマンソンが組みつきテイクダウン狙いからバックに。太腿にヒザをいれ、崩してから背中に飛び乗りスタンドで両足をフックしたヘルマンソンは四の字フックに取る。手首を取るアーベリにパンチを入れ、右腕をアゴの上から絞めつけたヘルマンソンは寝技に持ち込むが、絞めは外されタイムアップとなった。
2R、アーベリはスピードのある右ローと右前蹴りを連続で蹴り、右ストレートを当てる。打撃では上のアーベリだが、ヘルマンソンはここも蹴り足をキャッチしてテイクダウンすると一気にバックに回りRNCへ。上を向きなおしてエスケープしたアーベリ、ヘルマンソンは大量の鼻血が見られる。アーベリはハーフから立ち上がり、ボディロックで倒しに来たヘルマンソンから逆にトップを取る。鼻血で息が苦しそうなヘルマンソンに対し、スタンドを選択したアーベリがローからワンツーを入れる。
スピードがあり重いローと、ステップジャブ、ボディストレートと打撃では完全にアーベリが試合を支配。ヘルマンソンもダブルのジャブを放つも、このラウンドは取られた可能性もある。
最終回、ヘルマンソンが左ジャブを当て、続くジャブは相打ちに。アーベリは右ストレートを伸ばした直後に左ハイを蹴り込む。動きが鈍ったヘルマンソンに対し、足を使いながら左ミドルを入れたアーベリは、組まれてもヒザ蹴りをボディに突き刺し逆にケージに押し込んでいく。クリンチの攻防はボディロックでテイクダウンを決めたヘルマンソンに軍配。ヘルマンソンは足を一本抜いてパスの圧力を高める。アーベリもフルガードに戻すが、スクランブルには持ち込めない。
残り40秒を切り、ようやく蹴り上げからスタンド戻ったアーベリは、ヘルマンソンのクリンチをタイ・クリンチ風に崩して離れる。ヘルマンソンはアッパーを被弾し、必死に組みついて最後にもう1度テイクダウンし、タイムアップ。スタンドの圧倒ぶりと、テイクダウン──ジャッジは割れ、前者=アーベリが判定勝ちを手にした。
「アンダードッグで戦うのは好きなの。彼女はグレートボクサーだけど、前足が出ているし、前足重心だからスウェイがそれほどじゃない。そこを理解して戦ったの」と勝者は、笑顔を見せながら冷静に勝利を振り返った。