【Brave CF37】ダゲスタン生まれ英国育ち。王族の後ろ盾、ゴールデンルーキー=ムハマド・モカエフが初陣
【写真】計量では既にお馴染みになっているヌルマゴのような出で立ちを見せているモカエフ(C)BRAVE CF
1日(土・現地時間)にBrave CF37がスウェーデンのストックホルムで開催される。ルーマニア・ブカレスト2連戦から、場所を北欧第一の都市に移し3週連続での大会となる。
現地のBulldog Fight Nightというイベントと共同プロモーションで開かれる3連戦の第一夜にはスウェーデンを中心としたスカンジナビア勢やトルコ、ギリシャのファイターが出場するが、一番の注目はこの日がプロデビュー戦となる1人の英国人ファイター=ムハマド・モカエフだ。
対戦相手のグレン・マクベイもプロ初陣で、正真正銘のデビュー戦同士のマッチアップが最も注目されるのは、モカエフが華々しいアマMMA界で活躍してきただけでなく、可能性溢れるファイトを見せてきたからに他ならない。
2000年7月30日生まれ20歳になったばかりのモカエフだが、アマMMAでの戦績は23勝0敗でIMMAFでは2019年にバーレーンで開かれた世界大会で日本の山口怜臣を下して優勝すると、今年もパンデミックが始まりかけた3月の7日&8日に豪州はパースで開かれた世界選手権で2連覇を達成している。
山口との対戦で映像を確認した日本のMMAファンも少なくないだろうが、モカエフの強さはそのレスリング力の高さにある。山口戦でも後方にバック宙するかという勢いでバックスープレックスで投げ、山口陣営に笑顔を見せるという強烈なインパクトを残している。
英国籍のモカエフだが、生まれはダゲスタンで12歳の時に英国に移住し、ジュニア時代に英国レスリング、そしてMMAを始めてからも柔術やノーギ・グラップリングで結果を残してきた。バックスープレックスだけでなく、当然のようにダブルレッグも強く、粗めでアグレッシブな打撃の終着地点は現状ではテイクダウンといえる。
スタンドの組みでいえば内股、払い腰など柔道の投げも得意としており、とにかく派手なファイターだ。Brave CFを所有するバーレーンのNHK MMAチームに所属しているモカエフは、同時にタイガームエタイ、MMAを始めたリバプールのアスパイア・コンバットスポーツ・アカデミーの3カ所でトレーニングを行っている。
いわばダゲスタン生まれという血統書を持ち、英国で洗練された──ダゲスタンのような練習でも生き残り合戦ではない──環境で育ち、中東の王族の後ろ盾があるというまさにゴールデンルーキーが、プロMMAファイターとしての第一歩を踏み出す。大いに注目したい。
■BRAVE CF主な対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
ヘンリ・リンドラ(フィンランド)
ルイス・グリスマン(デンマーク)
<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・フロレス(スウェーデン)
マイケル・デガ・シェイキ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ファティ・アクタス(トルコ)
イルマン・スマイジッチ(スウェーデン)
<女子ストロー級/5分3R>
ヴェーラ・ヌカネン(フィンランド)
ビアンカ・アントマン(スウェーデン)
<ライトヘビー級/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
アタナシス・ヘルケレジス(ギリシャ)
<ライトヘビー級/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
アタナシス・ヘルケレジス(ギリシャ)
<バンタム級/5分3R>
グレン・マクベイ(英国)
ムハマド・モカエフ(英国)