【Shooto2020#03】スーパーアトム級王座へあと一試合、黒部三奈「コレをやることが好きで──」
【写真】とにかく格好良い黒部三奈です(C) MMAPLANET
5月 31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されたプロ修斗公式戦。同大会で修斗女子スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝が行われ、杉本恵が中村未来を下し、黒部三奈が大島沙緒里を破った。
今や独身でMMAに没頭する自虐ネタすら板についてきた黒部に、コロナの時代で戦うことについて尋ねた。
──こういうと大島選手には非常に失礼な言い草になってしまいますが、今回こそは黒部選手がスロースターター返上かという風に予測していました。
「あぁ、まぁそうですね……。出だしは相変わらずでした。別にポジションを取られても怖さはなかったです。一本取られるとか、怖いパウンドが入る感じはなかったですけど、まぁちょっとやっちゃったなぁって(苦笑)」
──大島選手がやるべきこととして、優位に立ったように感じました。
「あぁ……アハハハ。そうですね、ガッツリ取られましたね。と同時にバックを取られてからも、一本さえ取られなければと落ち着いて対処はできました」
──最初は譲っても、そこを耐えるとこっちのモノだという気持ちはどこかにありますか。
「その自信はありますけど、そういう試合にしようと思っているわけではないんです。1Rからちゃんと、攻められるようなことなく作っていこうとは思っているんです。でも、結果としてああいう風になってしまいます(笑)」
──決勝戦の相手となる杉本選手は大島選手の同門ですし、そこをさらに衝いてくることも十分に考えられます。
「それはあるかもしれないです。でも、本当に私も1Rをやられようと思っているわけじゃないですよ。アハハハ」
──それは十分に承知しています(笑)。
「しっかりとやろうと思って……スパーリングの一本目からも、そこに気を付けてやってきたんですけど」
──今回、準備期間の大半が緊急事態宣言下だったと思います。そのなかで、調整面で問題はなかったですか。
「いつもとは違います。違いますけど……できるなかでパーフェクトな準備をしてきたので、そこには自信がありました。ただ一度、喉風邪にみたいな症状が出た時は──これは……孤独死なのかって(笑)」
──アハハハハって、笑いごとじゃないですよ。
「でも1日で治ったので。まぁ、こういう状況ですけど、戦いたいという気持ちがなくなることはなかったです」
──ご家族から心配されることは?
「いやぁ、もう別にこの年で試合をしていること自体で……親は『好きにやりなさい』ってことなので」
(横を通りかかった)浜崎朱加 その髪型、凄く話題になっていましたよ(笑)。どうしたんだって!
──アハハハ。ターザンみたいで、男前ですよね。
「ターザン、違いますよ!!」
浜崎 髪の毛の量が多いよって(笑)。じゃあ、オンナ出しているの?
「そう、オンナ出してますぅ!! モテようとしているんですぅ。オンナ出しているけど、何かぁ?」
──いやぁ、浜崎選手ありがとうございます。『モテようとしている』という言葉引き出してくれて(笑)。つまり、そこも諦めていないということですね。
「いや、諦めていないっスよ。えっ? なんで、そこ聞きますか?」
──いやぁ、でも2階の記者席から試合を見ていて颯爽として格好良かったです。
「そうですかぁ、ありがとうございます(笑)。アレっ? 口説かれてますかぁ、ひょっとして」
──ダハハハ、勘弁してください(笑)。ステイホームで家族がさらに仲良く暮らしているのに。
「アラぁ、そうなんですかぁ」
──(笑)。話を決勝戦に戻しますと、このトーナメントは黒部選手が勝って当然という空気は依然としてあります。そういう部分が逆にプレッシャーになることはないでしょうか。
「そういう風に思われているかもしれないですけど、相手のキャリアとか考えずに全力で潰すと思ってやってきました」
──MMA界がUFC以外は止まっているといえます。そのなかで王座奪取後に描いていた未来図も修正が必要でしょうか。
「う~ん、こんな世の中になると想像もできなかったんですけど、逆にこの間に本当にコレが好きなんだなぁって認識できたんです。だから目標云々でなく、コレをやることが好きで、コレしかないって。どんな状況でもできるなら、やりたい……。コロナがあったから、その気持ちはさらに強くなったというか、そこに気付きました」