お蔵入り厳禁【Gladiator012】バンタム級王者・竹本啓哉─02─「柔術を広めるにはMMAで勝つのが一番」
【写真】このベルトを持って、迎え撃つのはストライカーかグラップラーになるのか (C)MMAPLANET
2月23日(日)に大阪市東成区の東成区民センターで開催されたGladiator012メインで神田周一を破り、グラジエイター・バンタム級王座に輝いた竹本啓哉インタビュー後編。
MMA絶滅危惧種といえる完全グラップラータイプの竹本は、完全決着を謳うグラジエイターに相応しいチャンピオンになること、そして韓国Road FCで戦いたいという希望を持っていた。
お蔵入り厳禁──なぜ、ロードFCなのか。そこに新チャンピオンの柔術愛が存在した。
<竹本啓哉インタビューPart.01はコチラから>
──グラジエイターのベルトを獲ったばかりですが、大石真丈選手を破った清水俊一選手がベルトを狙いたいという発言をしていました。
「櫻井代表がその試合を組むのであれば、逃げることはありません」──これからはグラジエイターのベルトを守りつつ、他の大会にも出場していきたいという希望を持っていますか。
「一選手にしか過ぎないので、成り行きに次第になるとは思いますけど、どこか目指すところがあるかということでしたら、韓国に行ってみたいです」
──韓国というと?
「韓国の団体だったら、どこでもというのはあります。それこそROAD FCだったり……」
──えっ? 打撃偏重でグラップラーには厳しい戦場ではないですか。
「だ、だ、だからなんです。僕、ストライカーをいてこましたいんです。ヘヘヘヘヘ」
──バックマウントでもブレイクが掛かるかもしれないですよ(笑)。
「取ります、絞めるから大丈夫です。キックボクサーをこましたいです。僕は柔術とグラップリングが本当に好きなんです。まだ格闘技を始める前に見たミノタウロがボブ・サップを極めたシーンが忘れられなくて。格闘技に興味のない人に、興味を持ってもらうのは……凄く強そうに見えて、打撃を使う人間をグラップラーが仕留めること。それが一番だと思っています」
──(※Grachan岩﨑ヒロユキ代表が通りかかり)GRANDバンタム級王座決定戦で竹本選手、ありますか。ストライカーをいてこましたいらしいです。
岩﨑 今、うちはバンタム級のトーナメントを考えているんですよ。もう1人、どうしようかと選考中で……。ストライカーが多いから、それは楽しいですね。でも、次はどうするの? Grandは時間がかかるけど、次はどこを考えているの?
「それはもう、決まったところで……と考えています」
岩﨑 そう、ストライカーとやりたいの?
「ハ、ハ、ハイ」
岩﨑 まぁグラップラー同士だったら、グラップリングで良いじゃんって思ってしまうしね。でも清水君が殴って腕十字を極めるっていうのもMMAだし。今日の戦い方は想定内だったんでしょ?
「自信があるポジションだったので」
岩﨑 渡部修斗選手とは、もう1回はないの?
「僕の反則負けですから、僕からは言えないです。櫻井代表が組んでくださるなら、やります」
──岩﨑代表、煽ってくれていますね(笑)。
岩﨑 アドバイスです(笑)。じゃぁ、そういうことで。
──では話を戻して、ミノタウロ✖サップのような試合をしてみたいと。
「ぼ、ぼ、僕は柔術が好きなので、柔術を広めたいんです。でも、柔術とかグラップリングって柔術好きの人しか見ないじゃないですか?」
──確かにそうですね。
「柔術を知らない人に柔術を広めるには、MMAを戦ってグラップリングで勝つのが一番だと自分では思っています。だからなるべき柔術に興味がない人が多いところで、グラップリングで勝ちたいんです」
──面白いですねぇ、竹本選手。では同じようにグラップリングで勝負する上久保周哉選手などにはシンパシーを持たれているのですか。
「あっ、頂柔術の? 素敵だなって思います」
──同じ階級で、上久保選手の方が大きな舞台で戦っていますが……。
「これはどうかと思うのですが、同じ階級であってもグラップラーには憧れしかなくて敵対意識はないんです。この人もグラップリングを頑張っているんだっていう気持ちでいます。
戦えと言われると絶対に戦います。でも、僕のなかではグラップラーと戦いたいという気持ちは……土肥潤ぐらいです」
──おお、ここで土肥選手の名前が出てくるのですね。
「土肥潤には2回負けているので、このまま引き下がると自分のことが嫌いになりそうなので……。基本的には柔術に興味がない、ストライカーと戦いたいですけど。
それにグラジエイターは完全決着を目指す格闘技ですから、相応しいチャンピオになりたいと思います。そして、櫻井代表に恩返しがしたいです。非社会人ですが、そうやって頑張ることで社会人として立派になるかと思っています」