【Bellator241】フェザー級ワールドGP準々決勝でフレイレに挑戦、ペドロ・カルバーリョ「自分を信じて」
【写真】現在の試合前の拠点であるストレイトブラスト・ジムのあるアイルランドと母国ポルトガルの国旗を手にするカルバーリョ(C)BELLATOR
13日(金・現地時間)、コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナで開催されるBellator241「Pitubull vsCarvalho」のメインで、ペドロ・カルバーリョがワールドGP準々決勝を兼ねたBellator世界フェザー級選手権試合で、王者パトリシオ・フレイレに挑戦する。
ユーラシア大陸の最西端に位置し、未だMMAワールドの末席にあるポルトガルでMMAファイターを志し、自分の信じた道を邁進してきたカルバーリョ。その知られざるMMAファイター人生と、この一戦に掛ける想いを尋ねた。
──パトリシオ・フレイレとの世界戦、そしてワールドGP準々決勝を戦うペドロですが、今もポルトガルのMMAファイターは珍しい存在です。なぜ、MMAを始めようと思ったのでしょうか。
「僕がMMAを始めたのは13歳の時だった。初めてMMA大会を見て、凄く小さなグローブで戦っていて本当に驚かされた。そして、恋に落ちたんだ(笑)。ポルトガルでMMAの練習をするには、どうすれば良いのかも分からなかったけど、運よく住んでいたギマラエスの街にMMAのジムがあって練習を始めることができたんだよ。
そこれからずっとMMAに夢中になってきた。ただひたすらMMAをやってきて今に至るってわけさ」
──ポルトガルは仕事抜きにしても訪れたい素晴らしい大好きな国ですが、柔術以外にコンバットスポーツのイメージは一切ない国でした。
「おお、僕の国をそう言ってもらえるのは本当に嬉しいよ。そうだね、ポルトガルではキックボクシングやK-1が一番、格闘技では人気があるかな。だからファイターを目指した場合、能力の高い人間はキックで戦う。MMAはまぁ一般的な人気を得ている状況じゃないことは確かだよ。
若い頃から必死にMMAの練習に取り組んでいた僕も『MMAなんかやっていて、将来はどうするんだ?』って言われたものさ。『ポルトガル人の誰がMMAの世界で成功している?』ってね。そういう意見との向き合うことが、僕の人生になったようなものさ。僕は自分を信じて邁進した。そして今があるんだ。
これからは母国でMMAの知名度が上がることに役立てるファイター人生を送りたいと思っている。実際、ポルトガルでもMMAは普及しつつあるし、そこに関しては本当に嬉しいよ。僕がパトリシオ・フレイレに勝ち、ベラトール世界フェザー級チャンピオンになれば、もっとポルトガルでMMAは盛んになるだろう。だから絶対に次の試合で勝ちたいんだよ」
──MMAファイターになろうと決めた時、どこを目指していたのでしょうか。
「今と同じだよ。自分が世界のベストになること。それだけを考えてきた。今も12年前と何ら変わりない」
──ただ2008年のポルトガルで、その道筋は見えていましたか。
「自分を信じるだけだよ。毎日、練習して強くなれば──その機会が訪れる。それしかなかった。多くの人間が、僕と同じような志を持っていたとしても、遅かれ早かれ諦めていた。いくら信じていても、ずっと暗闇をさ迷うようなモノだったからね。
ただし、歩みを諦めると陽が当たることはない。僕はいつか陽が当たることを信じて練習を続け、試合に出ていた。そして10年経って、ベラトールで戦うチャンスを得ることができたんだ。自分を信じていなければ、この日を迎えることはできなかった。とにかく自分を信じていなければ、物事をなすことは無理だよ。
それはポルトガルに住んでいようが、米国、ブラジル、ロシア、MMAを戦っていくうえでベストの国に住んでいても同じだろう。自分を信じていないと強くなることはできない。いくら環境が整っていても、ね。それだけは言えるよ」
──素晴らしい言葉です。
「でも、それってMMAだけじゃなくてあらゆる人の人生に当てはまるんじゃないかな。自分を信じて日々を生きていかないとね」
──ありがとうございます。ますます素晴らしい言葉です。ところでベラトールで戦うようになってから最初の3試合はヨーロッパの大会でしたね。米国での試合と違いはありましたか。
「何も変わらないよ。ファイトはファイト。戦う場所が違っても、同じグローブを使って、同じようにケージに鍵を掛けられて戦うわけだから。米国で戦うことは楽しいけど、ファイトはファイトだよ」
──昨年9月、ワールドGP初戦を勝ち抜いた時点で準々決勝の抽選が行われ、ペドロはダリオン・コールドウェルと対戦予定でした。しかし、最後の最後に王者フレイレがその権限を活かし、3月にペドロと戦うことを選択しました。
「僕がまず3月に戦うことを選択したのは、クリスマスをゆっくり過ごしたかったから。パトリシオが僕を選択した理由がどんなものか、僕には関係ない。ただ世界チャンピオンになる日時が確定したに過ぎなかったから。
休む時は休む。そして、それ以外は世界のベストになるために全力で練習に取り組む。世界挑戦の機会が恵まって来たんだから、本当に嬉しいよ。ここまで人生を掛けてきた日々、その成果を出せる1年になるからね」
──ではパトリシオ戦への自信のほどを教えてください。
「スタミナで僕はピッチブルを上回っている。彼のカウンターショットは確かに威力があるけど、打撃に関しても僕の方が完成度が高い。コンディションもこっちにアドバンテージがあるし、極めることもできるだろう。
どんな展開になっても構わない。僕が勝つ。何があろうが、僕は勝つんだ」
──5分✖5Rの経験は?
「初めてだよ。でもさっきも言ったようにスタミナには自信があるから、5Rの方が歓迎さ。3Rよりも僕は5Rに向いている。実を言えば3Rで戦う時も、最終ラウンドから調子が上がってくるんだ。
だから5Rだと試合の中盤から体が温まり、相手が疲れてきたときに僕は絶好調になる。もちろんピッチブルは5Rを戦ってきた経験値では僕の上をいくけど、5Rを同じペースで戦うことは彼には無理だ。きっと序盤に勝負を賭けてくるだろうね。
そこで自分のリズムで戦うことができれば、ピッチブルが疲れてくるにことは間違いない。そこで僕がヤツの心を折って、仕留める。ドミネイトとしてフィニッシュ──僕は世界チャンピオンになるんだ」
■Bellator241対戦カード
<Bellator世界フェザー級選手権試合&ワールドGP準々決勝/5分5R>
[王者]パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者]ペドロ・カルバーリョフ(ポルトガル)
<フェザー級選手権試合&ワールドGP準々決勝/5分5R>
ダニエル・ヴェイケル(ドイツ)
エマニュエル・サンチェス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ポール・デイリー(英国)
サバウ・ホマシ(米国)
<ライト級/5分3R>
ニック・ニューウェル(米国)
ザック・ゼーン(米国)
<ミドル級/5分3R>
アントリー・トコフ(ロシア)
ファビオ・アギラー(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
マット・ミトリオン(米国)
ホニー・マルクス(ブラジル)
<女子フェザー級/5分3R>
レスリー・スミス(米国)
ジェシー・ミーリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ホビソン・グレイシーJr(ブラジル)
ビリー・ゴフ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ロメロ・コットン(米国)
ジャスティン・サムター(米国)
<ライト級/5分3R>
キリズ・モタ(ブラジル)
ネイト・アンドリュース(米国)
<140ポンド契約/5分3R>
マイク・キンベル(米国)
ケニー・リベラ(米国)
<160ポンド契約/5分3R>
ベイビー・スライス(米国)
カヒーム・マーリー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
マーク・レミンガー(米国)
イオン・パスク(ルーマニア)
<ライト級/5分3R>
ウラディミール・トコフ(ロシア)
マーカス・スリン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(米国)
パット・マッカラン(米国)
<フェザー級/5分3R>
ランドロ・イーゴ(ブラジル)
ドミニク・マツォッタ(米国)