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【HEAT44】春日井たけしと対戦、清水俊一─02─「楽しく全力で相手を倒しに行く」

Shimizu【写真】UFCに出たからこそ、このようにヤンゴンの地に立つことができた清水のMMAファイター人生 (C)SHUNICHI SHIMIZU

2日(土)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT44で春日井たけしと対戦する清水俊一インタビュー後編。

「格闘技を続けられているから、好きなんだと思う」とUFC後の自身を語った清水は、そのUFCに出たことで広がった世界感があり、消化していた。

ただし、好きな道だからこそ格闘家として勝利を欲している。フライ級時代の春日井の強さを十分に知り抜いたうえでアウェイの名古屋で勝利することで、これから先につなげたいという清水の意気込みとは。

<清水俊一インタビューPart.01はコチラから>


──人それぞれの格闘技人生が存在し、清水選手は唯一無二の道を進んでいるとも思います。

「UFCに出たことによって、日本国内ではボロクソに言われました。それは分かっています。むかつくこともありました。ただしUFCに出たことによってSNSで世界中と広がり、いろいろな場所からコンタクトをもらえることができました。

そのなかから現地で直接会って、繋がりも広がりました。今、海外に行かせてもらえるのも以前のマネージメントのおかげもあるし、UFCに出たからでもあると思っています。他の人ができないことができているので、UFCに出たことはプラスになっていると思っています」

──これだけ海外に行って、どのように生活を成り立たせているのでしょうか。

「夜勤の警備員とかして生計を立てています」

──人と違う格闘家人生、素晴らしいです。と同時にプロファイターとして勝利は必要です。

「ハイ、しっかりと勝ち上がっていきたいです。勝ち上がるとなると一つの大会に出場し続けるほうが良いと思います。ただ話をもらった大会には出ていきたい。この2つの気持ちがあり、どっちに進むのかはまだ定まっていない状況です。

それは道場の代表の宇留野とも話をしているのですが、今のところは声が掛かればチャンスは逃したくないという気持ちが勝っています。本当は一つのところに出続けるほうが良いことも分かっているのですが……」

──そのようにしてHEAT出場も決めたかと思いますが、当然のように春日井選手のホームになります。

「単純に春日井選手を彼のホームで喰うことができれば、モチベーションがさらに上がって突き進めるようになると思います(笑)。それに春日井選手は地元ということもあり、実際は僕よりもプレッシャーがあって緊張すると思います。そこをついて喰いたい……倒したいです」

──この試合が決まるまで2カ月ミャンマーにいた。その間のMMAの練習は充実していたのでしょうか。

「それは怪しいところです(苦笑)。ぶん殴り合いとかはミャンマーの方が良いぐらいです。ただし、組みは全然ですからね。ちょうど帰国する時のオファーだったので、日本で調整できました。さすがにミャンマーから試合の直前に帰国するようだと不安が残っていたはずです」

──日本ではどのような練習を?

「際の部分や組みの体力が落ちていないかが気になっていました。そうしたら、やはり若干落ちていると実感できたので、組みの心肺機能を上げるために動いて、修正してきました。通常の練習ができるようになったのは2月に入ってからでした」

──清水選手と春日井選手はグラップラーでも、タイプが違います。

「ハイ、春日井選手は手堅くしっかりと戦う選手です。僕は動いて、極めにいく。今回は僕は腹を決めて殴りにいくか、昔のようにという言い方はしたくないのですが、しっかりと一本取りに行く練習をしてきました。

あと春日井選手はフライ級の時よりも、バンタム級の方が減量も楽になるので、強くなっていると思うんです。体調も良くて練習ができているでしょうから。ただでさえフライ級で、もの凄く強いイメージがあったので、どれだけバンタム級でガツガツできるのかは怖いですね」

──その怖さに対し、ラウェイを経験した強みはありますか。

「それが一番です。そこを意識して練習していたので。誰だろうが取りに行くという心構えを養ってきました。それに試合前は開いてが誰だろうが、色々と考えてしまうので怖いモノです」

──これまで自分がやってきた格闘技をぶつける。そういう意識はありますか。

「最初はZSTでやってきて、いろいろあって戦極に上がったけど大会がなくなった。ならパンクラスでやろうと方向が定まったときにUFCから声が掛かり、そこで負けた。それからも色々とやりすぎて──流浪してきましたけど、やれることは全てチャレンジしてきました。

春日井選手との試合は、そういう意識を一度ガラリと変えるために無理やり踏み込んだ試合なんです。それだけの相手ですが、今回の試合はこれからに向けての試合でだと思っています。

長く格闘技をやっていると酸いも甘いもありました。勝つこともあれば、負けることもあります。でも、自分のこれからを諦めなければ敗北ではないと思っています。格闘技を続ける以上は、辛いことがあっても楽しく全力で相手を倒しに行く。そこは貫きたいです!!。あと8日のONEに出場するミャンマーアスリート、TEAM PTのポートーさんの景気付けになるように勝利をしたいと思います」

■HEAT44 対戦カード

<HEAT総合ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]カルリ・ギブレイン(ブラジル)
[挑戦者]石井慧(日本)

<キック・スーパーヘビー級/3分3R>
ジェロム・レバンナ(フランス)
楠ジャイロ(ブラジル)

<HEAT総合ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]オク・レユン(韓国)
[挑戦者]トム・サントス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
春日井たけし(日本)
清水俊一(日本)

<ヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(韓国)
サシャ・ミリンコヴィッチ(クロアチア)

<55キロ契約/5分2R>
鈴木万李弥(日本)
本野美樹(日本)

<キック・スーパーライト級/3分3R>
ヴィトル・トファネリ(ブラジル)
石田勝希(日本)

<キック・ミドル級/3分3R>
ヒマラヤン・チーター(ネパール)
チョ・ギョンジェ(韓国)

<キック65キロ契約/3分3R>
安川侑己(日本)
加藤駿(日本)

<キック・ライト級トーナメント1回戦/3分3R>
チャオ・ロゲート(タイ)
将輝(日本)

<キック・ライト級トーナメント1回戦/3分3R>
ヘンリー・セーハス(ボリビア)
ジュ・ギフン(韓国)

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