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【Bellator213】ベラトール初戦=カルバーリョと戦うリョート・マチダ─02─「武道を究めるために」

Lyoto【写真】父、嘉三さんのポートレイトもマチダ道場には大きく飾られている(C) MMAPLANET

15(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのブレイズデール・アリーナで開催されるBellator213「Macfarlane vs Letourneau」でハファエル・カルバーリョと戦うリョート・マチダ・インタビュー後編。

UFCからベラトールへ戦場を移すこととなったリョートは、原点回帰。ハファエル・カルバーリョ戦に向けて、ブラジルから日本空手協会の指導者と選手をLAに呼び、空手の稽古を続けて来たという。

<リョート・マチダ・インタビューPart.01はコチラから>


──心身ともに充実の状態で戦うハファエル・カルバーリョにはどのような印象を持っていますか。

「ハファエル・カルバーリョはウェルラウンド・ファイターだ。元々はマスター・ノグシの下で学んだシュートボクセの選手で、今はアンドレ・ジダ率いるエヴォルサオン・タイMMAという素晴らしいチームに所属している。ただ正直なことをいえば、カルバーリョ云々でなく自分の動きが如何にできるかという方が重要になってくる。

そのために対戦相手対策というよりも、自分がさらに成長できるようトレーニングを積んできた。自分の戦いをする。それが僕のコンセプトだ。これは自分との戦いでもあるんだ。自分を如何にコントロールできるか。そしてベストを尽くすこと。

例え相手が200キロのウェイトを持ち上げることができたとしても関係ない。僕は100キロしか持ち上げられなくても、自分の戦いをする。そして、次の日は101キロを持ち上げるようになれば良い。それがカイゼンだよ。

もう20歳じゃない。40歳になれば、40歳なりの稽古、気の持ち方、思考が備わっている。対戦相手のことばかり気に掛ける必要はないんだ」

──そのための稽古はどこを中心に行ってきたのですか。

「ほぼマチダ道場でやってきた。時々スパーリングをするためにブラックハウスへ行ったぐらいで。ブラジルからJKAのナショナルコーチが、選手もつれて一緒に来てくれて。彼は僕のことを子供の頃から知っている。そして、他のファイターと僕の空手の違いも把握してくれているんだ。

『ボクシング、ムエタイのトレーニングは減らして、ルーツに戻るべきだ』とアドバイスをしてくれた。その言葉に我に返ったよ。空手が僕のベースで、それが他のファイターとの違いだ。空手を使うことで、対戦相手は混乱していた」

──確かに最近のリョートは、足さばきは空手でも、上の攻撃はボクシングやキック的になっていました。

「その通りなんだ。今は空手に戻っている。マーシャルアーツとして、空手には何重もの繊細な動きが積み重なっている。それこそが、僕が2歳の時から学んできた戦い方だった。試合のためじゃない。武道を究めるために、毎日のように稽古をしてきた。それが僕の人生なんだ。

稽古はケージの中のために行うモノではない。ケージの外の人生のために行う鍛錬なんだ。ファイトはその一環に過ぎないんだよ」

──武道を究めるための手段が、試合であって目的ではないということですね。その試合がハワイで行われることについてはどのように感じていますか。

「ハワイは自然がブラジルのようで、日本のコミュニティが多い。そしてハワイの人々は、これまで訪れた時も非常に親切で、ファイトが文化のようなところがあるよね。

ベラトールでの初戦をハワイで迎えることができて、とても嬉しいしファンの反応が楽しみでならない。ベラトールでもUFC時代と同じで、チャンピオンになるために戦う。それが僕のベラトールでのゴールだよ」

──マーシャルアーチストとしては?

「そうだね……ゴールではないけど、僕はUFCでそうだったようにベラトールというプラットフォームを通じてメッセージを送りたいと思っている。そして、実生活で色々な厳しい局面にある人々に、やる気、勇気というモノを感じとってもらえれば何よりだ。

父がブラジルに渡り、マーシャルアーツとは何かを未知の土地で伝えて来た。そんなバックグラウンドがあるからこそ、僕も試合を通してマーシャルアーツの存在する意味を皆に伝えたい。そうし続けることが、僕がMMAを戦う理由なんだ」

──リョート、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後にDAZNを通して、リョートの試合をライブで視聴する日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本は僕の血です。父から、兄や弟と一緒に受け継いでいるのが日本の血です。武道は日本で生まれました。ハワイの人々と同様に日本の皆が僕の応援をしてくれると嬉しいです。そして、いつの日かベラトールとともに日本に帰りたいと思っています。いつも応援ありがとう」

■Bellator212対戦カード

<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者]ブレント・プリマス(米国)
[挑戦者]マイケル・チャンドラー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランク・ミアー(米国)
ハビー・アヤラ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
アレハンドラ・ララ(コロンビア)
ジュリアナ・ヴェラスケス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
デレック・カンポス(米国)
サム・シシリア(米国)

<フェザー級/5分3R>
AJ・マッキーJr(米国)
ダニエル・クロフォード(英国)

<ライト級/5分3R>
ブランドン・ピーパー(米国)
クリス・アヴィラ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ホブソン・グレイシーJr(ブラジル)
ブライゼン・ボロハオ(米国)

<フェザー級/5分3R>
トビー・ミセッチ(米国)
エドワード・トームス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ティワン・クラックストン(米国)
キオ・マイヤー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ポール・ロペス(米国)
ニック・バディス(米国)

■Bellator213対戦カード

<Bellator世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] イリマレイ・マクファーレン(米国)
[挑戦者]ヴァレリー・レターノー(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
リョート・マチダ(ブラジル)
ハファエル・カルバーリョ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ネイマン・グレイシー(ブラジル)
エド・ルース(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
キング・モー(米国)
リアム・マクゲリー(英国)

<ライト級/5分3R>
ナイノア・ダン(米国)
コナ・オリヴェイラ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ティモティ・ティーブス(米国)
ケーナン・クワイハエ(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイ・カマカ3世(米国)
ショージン・ミキ(米国)

<ライト級/5分3R>
ライアン・デラクルーズ(米国)
スペンサー・ヒガ(米国)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・バルカ(米国)
アイザック・ホップス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カラ・ホセ(米国)
マーカス・ギャンブル(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マキ・ピトロ(米国)
クリス・シスネイロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ラッセル・ミズグチ(米国)
マイケル・ナカガワ(米国)

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