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【Invicta FC32】NYでバージョンアップした魅津希が、完勝。体重オーバーを詫びるマイクでファンが拍手

<116.4ポンド契約/5分3R>
魅津希(日本)
Def.3-0:30-27. 30-27.30-27
ヴィヴィアニ・ペレイラ(ブラジル)

体重オーバーとなった魅津希。元UFCファイターの猛者を相手に、試合に出る限りここは計量失敗を引きずらずに戦うしかない。魅津希は踏み込んでワンツーを繰り出すし、続く前蹴りをペレイラがキャッチして崩す。ガードから起き上がり組みついた魅津希がケージに押し込むが、大外刈りを仕掛け逆に倒される。腰をコントロールして抑えるペレイラに対し、魅津希はバタフライフック、腰が浮くとヒップスローを狙う。

重心を低くトップキープのペレイラに魅津希、ガードからパンチを入れる。腰を切った魅津希は足関節狙い、ペレイラが体を捻る間に立ち上がることに成功する。そのまま組みつき、小外掛けで魅津希がテイクダウンに成功する。今度はペレイラが足関節を狙うも、足を抜いた魅津希はスクランブルでバックを取りかけ、引き込んだペレイラからマウントを奪取する。体を起こし左右のパンチを落とした魅津希が、ハーフに戻されてもヒジと拳を打ち初回を取った。

2R、魅津希は左ジャブを伸ばし、ワンツー、そしてスピードの乗った右ストレートを当てる。左フックを返すペレイラだが、魅津希の速さにカウンターを合わせることができない。踏み込みながらジャブでなく左エルボーを繰り出す魅津希が、右を当てて離れる。頭を振り、相手のパンチを受けないという動きが格段に良くなっている魅津希は、右フックで注意をそらし、左右のストレート系のパンチでペースを握る。

ペレイラは魅津希が動いたところでパンチを出すというリズムで戦うが、これは以前の魅津希には非常に有効だった戦略だ。しかし、オデコで受けるのではなく、かわして攻撃につなげる魅津希に通じない。ワンツーを2度、3度と決める魅津希はペレイラの右オーバーハンドをかわし、スウェイから右ストレートをヒットさせる。上半身の滑らかな動きを攻守に生かした魅津希がこの回も取った。

最終回、変わらず頭を動かし、ワンツーやジャブを放つ魅津希に対し、ペレイラはカウンター狙いというよりも待ちのファイトになっている。やや距離をおき、ワンツーと同じタイミングでダブルレッグを見事に決めた魅津希はハーフに一旦収まり、抱えられたワキを抜きにかかる。

頭を抜いた魅津希は寝技に拘らず、スタンドへ。そしてワンツーをヒットさせるなど、勝つべき動きが自然と出ている。右へのヘッドムーブから左ジャブ、頭を振っても視線が乱れない魅津希は、明らかに一段階ステップアップした動きを続ける。ペレイラもダブルのジャブを振るうが、ダックアンダーで懐まで入ってくる魅津希を攻略できない。残り10秒となり、より近い距離でもパンチの交換に付き合った魅津希は、NYで身に着けた勝てる能力をまざまざと見せつけ、UFCベテランをフルマークで下した。

「自分のスタイルは変わることはないですが、そのスタイルで戦えて良かったです。UFCファイターだから強いとしか言いようがないですが、言いたいことがあります。英語が下手なのですが……」と断りをいれ、メモを手に「体重を落とせなかったのに試合を受けてくれたヴィヴィアニに感謝してます。今後、絶対にこのようなことないようにします」と英語で話し、大きな拍手を受けた。

上半身の動きが加わっても、下半身の安定感が変わらなかった魅津希。パーフェクトウィンと素晴らしいマイクだった。


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