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【ONE55】トノン戦後の青木真也─02─「なぜ狂気を纏うか理解してくれている」。イヴォルブとの絆

Shinya Aoki【写真】敗北直後、この充実の笑みを受かべることができた理由とは (C)ONE

26日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されたONE55「Dynasty of Heroes」で行われたゲイリー・トノンとグラップリングマッチで敗れた青木真也インタビュー第2弾。

トノン戦を負けにライベート・クラスで指導をしていた宇野薫との時間が、青木を勝負師に戻させた。そしてシンガポール、イヴォルブMMAの面々が青木を支え、敗れたとはいえトノンとの勝負がピュアMMAファイター青木真也にリスタートを切らせることとなった。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


──宇野選手が勝負師だと思わせてくれたというのは?

「宇野さんの4月の試合を手伝っていなかったら、もう一度勝負師に戻れなかったんじゃないかなって思います。その気持ちがあったから、支えてもらったなと感じていて。

宇野薫から勝ちたいっていう気持ちがもの凄く伝わってきました。宇野薫はファイター以上に勝負師だったんです。実はあの日、舞浜まで自転車で行ったんです」

──本当ですか(笑)。

「練馬から1時間半から2時間掛けて(笑)。宇野夫妻も何だって思ったはずです。で、ファイターの宇野薫だとか、ファッションの人として何とも思わないけど、勝負師の宇野薫って格好良いなって考えながら、チャリンコ漕いで帰ったんです。

自分ととことん向き合っているし、リスペクトできる。とにかく格好良かった。あの帰り道に1カ月後の自分の試合、宇野さんのように勝負師として戦いたい、もう一度──勝ち負けにこだわりたいと心の底から思って戦ったんです。

あの宇野さんと向き合った時間というのは、自分にとって凄くプラスになりました」

──その勝ちに拘る姿勢は申し訳ないですが、エドゥアルド・フォラヤン戦では感じられなかったです。だから、負けたというのはフォラヤンには失礼な話ですが、勝利への強い意志は希薄でした。

「あれは……あれは孤独にやられていましたね(苦笑)。だから、勝利に拘る自分にまたなることができた。それが嬉しかったです。それが、この試合で感じた手応えなんです」

──それはMMAで戦うことに関して、ですね。

「もちろんです」

──人として良くなってきた青木真也がまた以前のように毒吐きまくりますか。

「それは……ちょっと解釈が違っていて、今、生きていて凄く楽なんです。それは日本のマーケットを完全に考えなくて良いから。だから、『うるせなぇな、バカ』ってやる必要がないんです。

シンガポールにいて、凄く楽で。素でいられることに。チャトリを筆頭に僕の回りにいてくれた人たち全員が、青木真也がなぜ試合中に狂気を纏わないといけないのかということを理解してくれているんです。それが凄く嬉しかった。

試合前にチャトリが『グラップリングとMMA、気持ちの違いはあるか? 同じだろ? 試合になったら怖いよな。だから、行くんだよな』って話してくれて。

これだけのお客さんの前で、恥をかくかもしれないんだから変わらず怖い。凄く怖い。その緊張感、ピリピリ感をチャトリたちは理解してくれていました。チームのサポートをしてくれる連中も」

──試合前の握手はMMAではしないですよね。

「あれはゲイリー・トノンに対する礼儀です。彼の方が格上だから。ただ、MMAだとしないな……。だから、グラップリングの儀礼ですね。ラッシュを着るのと同じで、あそこから絶対に勝ちたい相手との戦いが始まるということですね。

あぁあ、本当に勝ちたかったスね。そういうのも含めて、同世代のファイターのなかでは一番、勝負だったり格闘技を楽しめているじゃないかと思います」

──あの愛してくれた人、ありがとうという感謝の言葉。完全に脳内が日本人じゃない(笑)。でも米国人やブラジル人って、もちろん──その人間の背景、ポジションを気にしつつ、そこに鈍感かのように今の自分を見てくれるというのは、自分も感じます。

「ブルーノなんて、ホントそうでした。彼女(アンジェラ・リー)が、その後で大一番を戦うのに、あの時だけは『Always with You』って言ってきてくれて。あの試合のときだけ、完全に僕のことを考えてサポートしてくれました。そして、そういう想いを言葉に出してくれるんですよね」

──そんなサポートがあり、宇野薫選手の存在もあって勝負師としての青木真也が戻ってきました。そうなると、次のMMAへの期待感が高まります。

「期待しておいてください。とにかく勝ちたい。もう桜庭(和志)戦から1年半も勝っていない。まぁ、そんなファイターはザラにいるんですけど、頑張らんといけないです。勝ちたいです」

──試合後、次はトノンと青木選手のMMAだと言わんばかりの進行でした。

「組まれれば何でもやりますよ。そういう人間だっていうのは、皆が知っていることです。ただ……なんだろうな、皆が思っているほど金で動いているわけでもない」

──それはもう、持っているからですよ(笑)。

「まさにソレが真理で。その状態まで作れたというのがあるので、追い込まれるとかは少ないです。だから、好きなことをやりたいという気持ちが強くなっています。別に銭で戦っていないスからね。

今回の試合なんて、1カ月全力で遊んで、必死に遊んだ結果としてお小遣いもらって帰るみたいな(笑)。勝ちたい、イイ格好見せたいっていうピュアな部分でやっています」

<この項、続く>

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