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【Special】諦める選択肢はない。芝本幸司<02>「いかにリスクを犯すことができるのか」

Koji Shibamoto【写真】人生を賭けての挑戦、その敗北直後に取材を受けてくれた芝本に感謝したい (C)MMAPLANET

2日(木・現地時間)から5日(日・現地時間)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドに開催されたブラジリアン柔術世界選手権でルースター級で5年連続ベスト8となった芝本幸司インタビュー後編。

世界に伍する力を持つ日本人柔術家、しかしホンの少しの差を埋め、越えられることができない。今年も準々決勝でカイオ・テハの前にポイント4-4、アドバンテージ0-6で敗れた。

2016年の世界への挑戦で、芝本は何を想ったのか──をお伝えしたい。

<インタビュー前編はコチラ

──1位以外は全て敗者というのが芝本選手の考えですが、弾みをつけるうえでも、表彰台に上る必要があると考えることは?

「いえ、これを超えられれば1位になれると思っています。この5年連続ベスト8から、もう一つ上に昇るために僕に足りない何か、要素があるんですよ。そこがクリアできた時こそ世界を取れる準備ができると思います。

準備ができるというのは世界一になれる地力はついたということですね。その力があるトップ選手がひしめいている状況で、色々な状況が影響して2位や3位に振り分けられているだけで。あくまでも1位になり切れる力をなくして、2位や3位はないと思っています。そこは変わらないですね。

やっぱりここで一つ、何か大きく自分のなかで変えていかないといけないモノがある。そう思います」

──その言葉が試合直後に口をついて出るということは、今回の敗北で世界を諦めるつもりは全くないということですね。無責任ですが安心しました。

「諦めるという選択肢は最初からないです。とにかく前に進むだけなので。なんというのか……恐らく何かにチャレンジしないといけないと思うんですよ」

──これまでとは違った角度で、柔術を見直さないといけないということでしょうか。

「そうです。もしかしたら強くなりたい、勝ち切りたいという部分を優先してしまって、凄く堅い試合運びになっていたかもしれません。もちろん、そういうスタイルを組み立てて来て力をつけてきたということはあります。でも、この大舞台の緊迫した試合のなかで、いかにリスクを犯すことができるのか。

そういった思い切りの良さであったり、切り替えが足りないのか……まだ試合が終わった直後ですが、今の気持ちとしてはそんな風に考えています。試合のなかでもっとチャレンジしないといけない……。

フィジカルが劣っているとも、技術が劣っているとも──思わないけど、何か試合の最中にリスクを犯せる、チャレンジできる気持ち──気持ちの持ち方というのか……ちょっと分からないですけど。そんな試みが必要かと。閃きなのかもしれにですね」

──これも凄く無責任な言い方になるのですが、序盤からする必要はなくても、10分間の試合中のどこかでほんの一瞬でもかつての芝本選手の戦い方でもあった柔道発展形の一部、背負い投げを決めるだとか、そういうことも閃きなのかもしれないですね。芝本選手はルースター級の他の選手が持っていない武器を実は持っているのに……と。

「それをやはり──自分が試合のなかでワンアクション、チャレンジをした後にどうなるのか分からないんです。自然に出た動きがテイクダウンであれば、それで良いと思います。ただし、それを狙って仕掛けるのであったら今までと同じになってしまいます」

──う~ん、本当に深いです。

「閃きのなかで出していく。ホント、今言われたように最初からとかでなくて、10分間のなかのどこかでソレが出せる選手になっていく必要があるのではないかと思います。

相手を驚かせることができる、相手の戦略を崩せるというのか、パニックに追い込むことができる動きですね。それがあらゆる試合のそれぞれの状況下において、常に出せるようにならなければいけないですね」

──準々決勝で敗れた後も会場に残って試合を見続けている。とてつもない強者がマットの上で試合を続けています。そんな彼らの姿を見ていると、世界を取るという気持ちも一層強固なモノになっていくのでしょうか。

「初めてベスト8、二面マットで戦った時、凄くフワフワしていました。地に足がつかない、会場が広く見えました。でもここ1、2年はそういったことがなくなり、ここで戦うことが当たり前になりました。

目の前の敵が……カイオ・テハであったり、ジョアオ・ミヤオであったりと具体的に名前を挙げることができる敵に、この会場で如何に勝っていくのか。なので、この会場にいると──というよりは、日常で意識していることです。とにかくやり切りたい……です」

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