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【UFC198】ミオシッチのスタンドの圧力に対し、ヴェウドゥムはどう戦う?

Werdum【写真】母国凱旋、スタジアム・ビッグショーでヴェウドゥムは強気のファイトを展開できる(C)MMAPLANET

いよいよ開催が迫ってきたUFCにとってブラジルで初めてとなるスタジアム興業= UFC198「Werdum vs Miocic」。14日(土・現地時間)、ブラジル・パラナ州クリチバのアレナ・デ・バイシャーダで開催される同大会のメインは、イベント名にあるようにUFC世界ヘビー級選手権試合=ファブリシオ・ヴェウドゥム×スタイプ・ミオシッチの一戦だ。

王者ヴェウドゥムにとってクリチバはシュートボクセ在籍時代を過ごした思い出の地だ。本来、今年の2月にケイン・ヴェラスケスの挑戦を受ける予定だったヴェウドゥムは、そのヴェラスケスの負傷によりミオシッチとの対戦が決まった。しかし、今度は彼自身の負傷により両者の試合は持ち越されて、ブラジルMMA界最大のショーで対峙することとなった。

挑戦者のミオシッチはキャリア14勝2敗の33歳、レスリングベースのストライカーだ。オーソの構えからジャブで距離を測り、右ストレートを伸ばす。この圧力が抜群で、必要とあればテイクダウンからトップコントロールしパウンドを打ち込み相手を削っていく。ミオシッチと向い合うと、その打撃のプレッシャーで疲弊するファイターが多く、王者にとっても決してスタイルマッチアップ的に戦いやすい相手ではない。

もちろんヴェウドゥムの最大の武器はブラジリアン柔術だ。ただし、その武器をフル活用するために苦手の打撃をキングスMMAのハファエル・コルデイロ(※彼もクリチバ出身)の下で磨き上げてきた。その結果、見事なMMA流ムエタイの使い手として、UFCの頂点に立つまでになった。その上積みしてきた打撃というファクターで、優位に立てればヴェウドゥムにとって凱旋勝利はすぐ手に届く。

その一方でスタンドの打撃でイニシアチブを握られると苦しい。テイクダウンディフェンス――スプロールにも長けたミオシッチを相手に、殴ってダメならグラウンドでという風に戦えるモノではない。何よりも大切なのは殴られる覚悟、気合いだ。ミオシッチの勢いを受けて下がり、しょうがなしのテイクダウンを仕掛けるようだと勝利は本当に遠のく。打撃だけをクローズアップすると、劣勢になろうが「1発、2発殴られても平気だ」という気構えを表し、組めるし、倒せるという空気をまとわせておけば、ミオシッチのプレッシャーも弱まるはず。

だからといってミオシッチがレスリング勝負でテイクダウンしグラウンドに行くようなことは、まず考えられない。つまりミオシッチも打撃勝負を続けるしかない。そんな状況に持ち込むには、序盤の戦い方、気構えが本当に大切になってくる。殴られ続けて平気な人間はいない。しかし、少しは殴られようが何でもない――と見せ、自分のファイトを貫くことで、チャンピオンは勝機を広げることができる。

■UFC198 対戦カード

<UFC世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国/2位)

<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/2位)
ヴィトー・ベウフォート(ブラジル/3位)

<140ポンド契約/5分3R>
クリス・サイボーグ(ブラジル)
レスリー・スミス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マウリシオ・”ショーグン”・フア(ブラジル/8位)
コーリー・アンダーソン(米国/12位)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル/6位)
マット・ブラウン(米国/8位)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァルリー・アウベス(ブラジル)
ブライアン・バルベレナ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ネイト・マーコート(米国)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
ロブ・フォント(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル/10位)
ヤンシー・メデイロス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ルアン・シャゲス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ヘナト・モイカノ・カルネイロ(ブラジル)
ズベア・トホゴフ(ロシア))

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