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【ADWP】無差別級レポート<03>2016年ワールドプロはフィリッピ・ペナ・プレギーサが頂点に

4月19日(現地時間・火)から23日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのZAYED スポーツシティ内のIPICアリーナにて、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2016が開催された。

大会レビュー最終回は優勝賞金30000ドルを目指して競われた黒帯アダルト男子無差別級の準決勝と決勝の模様を紹介したい。

<無差別級準決勝/6分1R>
フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
Def. by 2-0
アレキサンダー・トランス(デンマーク)

試合開始早々引き込んだペナは、トランスの襟を掴んで前に崩すと長い脚で跳ね上げてスイープ。早々に2点を先行してみせた。下になったトランスも、すぐに得意のハーフガードの体勢に。しかし上からうまくバランスを保つペナは、襟を持ってトランスの上半身を制しながら膝を抜きにかかる。危ないと見たトランスが横回転して逃げようとすると、背後にすかさず付いてシングルバックを奪取してみせた。

しばらくペナのシングルバックに捕まっていたトランスだが、何度も回転してやがて体をずらし、もっとも得意なディープハーフに戻すことに成功。そこから体をスピンさせてのスイープを仕掛けるが、ペナも素早く反応して立ち上がる。トランスはそれに付いて行ってタックルを仕掛けるが、懐の深いペナはそれを突き放してみせた。

残り2分の時点でスタンドに戻ると、引き込んで半身の体勢を作ったペナ。対するトランスはペナのズボンを押し下げながら、上半身で低く体重をかけてのパス狙い。自らの肩口をペナの腰に当て、さらに登ろうとするトランスだが、ペナは両腕を張って距離を取り、脚をトランスの体の前にこじ入れて距離を取って防御。残り時間が少なくなってきたところで、さらに激しく横に動いてパスを狙うトランスだが、ペナの足は超えられず試合終了。序盤のスイープの得点をペナが守り切った形となった。

難攻不落のガードと抜群のスイープ技術に加えて、最重量級の世界的強豪トランス必殺のディープハーフ・スイープを防ぎきるトップでのバランスの良さと懐の深さ。ペナがその力を存分に見せつけて決勝進出を果たした。

ちなみに既報の通りもう一つの準決勝は、準々決勝(Dブロック決勝)においてヴィクトー・ホノリオとアーバース・サントスが両者失格となったために行われず。Cブロックを制した地元UAEの柔術プログラム担当、ホセ・ジュニオールがペナと決勝を争うこととなった。

<無差別級決勝/6分1R>
フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
Def. by 腕十字
ホセ・ジュニオール(ブラジル)

30000ドルを賭けた無差別級決勝戦は、ブシェシャことマーカス・アルメイダが欠場し群雄割拠の争いになったなか勝ち上がって来た世界屈指のガード巧者ペナと、おそらく誰もその活躍を想像できなかったジュニオールという異色の組み合わせに。

試合がはじまるとペナはすぐに引き込む。左足を用いてラッソーの形を作ると、ジュニオールの方は残った右足を両膝で挟み込みながら座り込んで動きを止める。やがてペナが長い左脚を伸ばしてジュニオールの体を蹴るようにして距離を作って右足を自由にすると、ジュニオールは立ち上がって再びペナの右足をさばき、さらに深く押し下げるような形でのパス狙い。ジュニオールが前傾姿勢で胸を合わせようとしたその瞬間、ペナは右腕でジュニールの脇をすくってのスイープを決める。

ジュニオールもその勢いを用いてすぐに体勢を入れ替えるが、結局上になったのはペナの方。パスを仕掛けてきた相手の重心移動のタイミングを突いた見事な技術で2点を先制した。 

下になったジュニオールはすぐにディープハーフを作るが、ペナは腰をズラしてリバースハーフの状態にし、さらにジュニオールの上半身を腕で押さえつけて通常のハーフガードに。そこから立ち上がってのパスを狙うペナに対し、ジュニオールは前に崩してのスイープを狙うが、ペナは長い足でバランスを取る。一度離れた後、ペナはジュニオールの両足を捌いて両足担ぎの体勢で後転をさせる。それでもジュニオールがハーフガードに戻すと、ペナはその上半身を押さえつけつつニースライドパスの形を作って、さらに胸を合わせてニアマウントに。

これを嫌がったジュニオールが体を捻ると、その動きに乗じてバックに付いたペナがすかさず背後からの腕十字に移行。ジュニオールの体を回転させてスパイダーウェブの形を作ると、時間をかけてジュニオールのブリップを切って腕を伸ばし、残り40秒のところで極めてみせた。

階級別では新星のアーバース・サントスに不覚を取ったペナだが、そのサントスが失格した無差別は実力を見せつけてきっちりと制覇。今年度の真の世界最強決定戦と言える世界柔術無差別級でも、優勝の有力候補となることは間違いないだろう。

このペナに昨年の世界最強べウナウド・ファリアやブシェシャことマーカス・アルメイダ、さらに新星アーバース・サントス等が加わるとどうなるのか。惜しくも今回敗退したレアンドロ・ロ、アンドレ・ガルヴァオン、キーナン・コーネリアス、ヒカルド・エヴァンゲリスタ、アレキサンダー・トランスも虎視眈々と優勝を狙って来るはず。そしてMMA出陣を宣言し、今年は組み技の試合に出ていない怪物ホドウフォ・ヴィエイラの出場はあるのか。今年も世界柔術無差別級が、待ち切れない。

■アブダビ・ワールドプロ柔術黒帯男子アダルト リザルト

【無差別級】
優勝フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
準優勝ホセ・ジュニオール(ブラジル)
3位アレキサンダー・トランス(デンマーク)

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