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【UFC195】漢気ロビー・ローラー=中間距離の覇者に対し、コンディットはどちらに回る?

Robbie Lawler【写真】その漢気ファイトでファンの支持も多いウェルター級世界王者ロビー・ローラー (C)MMAPLANET

2016年1月2日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われるUFC 195「Lawler vs Condit」。メインでUFC世界ウェルター級王者ロビー・ローラーが、カーロス・コンディットを相手に2度目の王座防衛戦を行う。

漢気ローラーはキャリア25勝10敗という、現役UFCチャンピオンのなかで一番敗北の数が多いファイターだ。ライト級王者ハファエル・ドスアンジョスも7敗を喫しているが、それより3つも黒星が多い。つまりそれだけ艱難辛苦を経験した叩き上げといえる。

一度はUFCを離れハワイのICONスポーツからEXC、そしてStrikeforceを経てUFCに戻ったことで、アップダウンの激しいキャリアを生き抜いたことが分かる。負け数が多くても、これだけチャンスが回ってきたのは、そのサウスポーの構えから真っ向勝負の打ち合いを挑むというファイティングスタイルがあってこそ、だ。

挑戦者コンディットはオーソドックス、彼の対サウスポー&ボクサーとの戦いといえば、2012年2月のニック・ディアズ戦が思い出される。徹底して左に回り、左ローを入れたコンディット。焦れたニックのパンチが荒くなると、そこにジャブを入れるという戦いでブーイングを浴びながら判定勝ちを収め、暫定世界王座に就いた。

ただし、この戦法はローラーには通じないだろう。ローラーにはニックにない追い足がある。いくら左に回っても、ローラーは先回りするように右に移動し、その左の拳を届かせるはずだ。そうすれば回るファイトは逃げるファイトに早変わり、ジャッジの支持を得ることはできない。

実際ニック戦ほど極端ではなかったが、左回りベースでジョニー・ヘンドリックスと戦った際には鋭い踏み込みから左ストレートを被弾し、テイクダウンを許し続けた。左回りも左ローも効果がなかったコンディットは、正面で右ミドルや右ハイというサウスポーに有効な蹴り技を見せたものの、ヘンドリックスの突進を止めることはできなかった。

ローラーにはヘンドリックスのようなテイクダウンはない。ただし、レンジの外で戦うMMAストライキングがこれ以上ないほど――コンディットのニック戦のように――進化した後に新たな領域に踏み込んだのが、ローラーのミドルレンジMMA打撃だ。強烈な左ストレートを意識させ、しっかりと右ジャブを入れる。打ち負けないからか、テイクダウンディフェンスが上達したからか、卵が先か鶏が先かではないが、打撃とTD防御の相乗効果でローラーは中間距離マスターとなった。

そんなローラーにレンジのなかで勝負したオーソの選手がローリー・マクドナルドだった。今年の6月にローラーに挑戦したマクドナルドはコンディット同様にローや前蹴りを多用しつつ、右回り基調のファイトを展開。しかし、右ボディフックや右ストレートでローラーを流血に追い込んだ代償が鼻骨骨折とKO負けだった。自分の攻撃を入れるために、レンジでなくタイミングで勝負を掛けたマクドナルドに対し、ローラーは左の拳を常に正中線に置き強烈な左ストレートを何度もその顔面にヒットさせた。

こうなるとテイクダウンの距離も遠くなり、抜群のスプロールから隙間を作った組みで、ローラーはパンチやヒザを入れてさらにマクドナルドを疲弊させた。中間距離の打撃戦においてコンディットより上をいくマクドナルドを粉砕したローラー、今回の防衛戦で警戒すべきは、飛びヒザだ。

中間距離から一気にその間合いを埋める飛び道具。当然のようにチャンピオンも、この攻撃を頭に入れて戦うだろう。だからこそコンディットに必要となるのがヒザ蹴りからの着地後になる。コンディットが、このKOパワーを有した飛びヒザを軸足を変えるフェイントやスーパーマンパンチのような踏み込みとして使えば――中間距離の覇者を慌てさせることになるかもしれない。

いずれにせよ、まずこの試合の流れを見るのはコンディットが左に回るか、それもとも右に回るか。右に回った方が、リスクも高いが勝利に近づくモノともなる。

■ UFC195対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ロビー・ローラー(米国)
[挑戦者] カーロス・コンディット(米国/4位)

<ヘビー級/5分3R>
スタイプ・ミオシッチ(米国/3位)
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ/2位)

<ウェルター級/5分3R>
アルベルト・トメノフ(ロシア)
ロレンツ・ラーキン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ディエゴ・ブランダォン(ブラジル)
ブライアン・オルテガ(米国)

<ライト級/5分3R>
エイブル・トゥルージロ(米国)
トニー・シムズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイケル・マクドナルド(米国/8位)
金原正徳(日本)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・ノーク(豪州)
アレックス・モロノ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジャスティーン・キッシュ(米国)
ニーナ・アンサロフ(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー(米国)
スコット・ホルツマン(米国)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国/12位)
ジョセフ・ダフィー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
ジョー・ソト(米国)
田中路教(日本)

<ウェルター級/5分3R>
エドガー・ガルシア(メキシコ)
シェルドン・ウェストコット(カナダ)

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