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【RFC23】MMA初陣で藤野に善戦、パク・ジョンウン。果たせなかった亡き、親友との約束……

Park【写真】所属するピョンネ・キックボクシングジムで。まだまだ本当に幼い表情のパク・ジョンウン、打撃を見る限り末恐ろしい逸材の可能性も。髪型はチェ・ドゥホ風だ…… (C)MOOZINE

今月2日(土・現地時間)に韓国ソウルのチャンチュン体育館で開催されたROAD FC23で弱冠18歳ながら、日本から出場した藤野恵実と熱戦を繰り広げたパク・ジョンウン。

これからの韓国女子MMAをリードする可能性のある彼女にMMAデビュー戦、そして過去&未来を尋ねた。すると彼女の口から、デビュー戦の裏に存在した秘話が聞かれることとなった。
Text by Choi Woo-Suk

──MMAデビュー戦、判定負けを喫したとはいえWSOFでは世界戦まで経験している藤野恵実選手に大健闘しました。

「ありがとうございます。顔に少し痣ができたぐらいで、特にケガもありませんでした。たくさんの人から良い試合だったと祝ってもらいました。凄く感謝しています。負けたにも関わらず、あまりにもそういう声が多かったので本当に驚きました」

──初めてのMMA戦と考えると、敗戦にも満足ですか。

「まず試合を受けて良かったと思います。本当に色々なことを学ぶことができました。藤野さんの試合の進め方、精神力、そして人間的な大きさに触れることができました。他の選手の試合を間近に見ていても学ぶべきことが多かったです。デビュー戦でしたが不安はなく楽しく、気持ちも高揚して、凄く良い時間を過ごすことができたんです。本当に幸せで、勉強になりました」

──試合を振り返り良かった点と、悪かった点を教えてください。

「残念だったのはヘリンという小学校の時からの友人との約束が守ることができなかったことです。彼女は重い病気でずっと入院していました。私はヘリンに『絶対に勝つ』と言っていましたが計量の日に亡くなりました。試合当日がお葬式でしたが、もちろん参列できないですし、出棺のときに傍にいてあげることもできなかったです。

藤野さんは本当に強くて、試合に勝てませんでした。約束を守れず彼女に申し訳ない気持ちでいっぱいです。だから、もっともっと頑張らないといけない……ですね」

──そんなことがあったのですか……ご友人の冥福を祈ります。パク・ジョンウン選手は韓国の数え方で20歳、日本だとまだ18歳ということになります。

「ハイ、1996年9月 17日生まれです」

──MMAは練習も厳しく、生活の糧にするのも簡単でない世界です。この道を進むことに関して、ご家族はどのように思われているのですか。

「それはよく聞かれることなのですが、母は昔、地元のフェンシング選手で、父や兄もスポーツをしていたのでもの凄く反対された事はありませんでした。特に母は全く問題なく、父の方は少し心配していたようです。でも、『始めたからには最後まで頑張れ』と言ってくれています」

──実際にMMAを始めたのはいつになりますか。

「今で2年目になります。ただ、練習はしていてもアマチュアで女子の試合は組まれること自体が少なくて、私もアマMMAを経験することはできませんでした。それ以前にサンボとキックボクシングの練習もしていたので、格闘技全般ではキャリア5年になります」

──試合でも打撃の強さを感じました。

「キックボクシングではちょっと正確に覚えてはいないのですが、だいたい11戦10勝1敗という戦績だと思います」

──それは素晴らしいレコードではないですか。

「トーナメント戦で戦うことが多くて、負けたのは一度です。ヘッドギア有りの試合で。相手のパンチではなく、ヘッドギアがずれたので直そうとしたらレフェリーの先生が、ダウンを宣言しました。いずれにせよ、その試合は相手の選手の方が巧妙でしたし、自分の負けで納得しています」

──サンボでは韓国代表になってアジア大会にも出場していますね。今後もサンボの試合に出る予定ですか。

「2013年から2年、エスポワールの代表でした。ただ、女子にはコンバットサンボなく、スポーツサンボしか出場できないので、打撃の実戦稽古ができなかったことは残念でした。今後は契約上の問題があるわけでもないので、組み技だけでも実戦の機会を得るためにサンボの試合にも出場し続けようと思っています。それはキックも同じです」

──MMAの組み技はレスリングとブラジリアン柔術がベースで、サンボがベースというのはかなり珍しいですね。柔術を習うことはないのですか。

【写真】MMAとサンボを掲げる珍しいチーム・ストロング・ウルフだ。韓国ではキックジムでもMMAやクロスフィットは大流行りだ(C)MOOZINE

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「ご存じだと思いますが、サンボは格闘技として、何一つとして欠ける要素のない総合武術です。これは実際にサンボの練習をされると分かってもらえるはずです。サンボの練習では驚くべきことばかりです。アジア大会で銀メダルを取った私が、組み技で劣勢だったことで『サンボはこの程度か』などというようなことを言われてしまうかもしれないですが、それはあくまでも私の力不足です。サンボの問題ではないんです。そして、サンボにもブラジリアン柔術の要素を取り入れて練習しています」
<この項、続く>

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