【RFC21】春日井、初回のチャンスを逃すと、ソン・ミンジョンに押し切られる
【写真】初回のRNCを取り損ね、焦る気持ちを修正できないうちにテイクダウンを大切なところで奪われ、春日井はさらに精神的にも疲弊していった(C)MMAPLANET
＜RFCフライ級暫定王座決定戦／5分3R&延長1R＞
ソン・ミンジョン（韓国）
Def.ex 3-0※本戦1-1:29-28,28-29,29-29
春日井健士（日本）
細かいフェイントから左ジャブを伸ばす春日井、ソン・ミンジョンはしっかりと見切ってタイミングを計り右フック。春日井はここで組みついてケージへ。体を入れ替える両者、右腕を差し上げた春日井だが、簡単にテイクダウンは奪えない。小外掛けから尻餅をつかされたソン・ミンジョンは、バックは取らせずに立ち上がって胸を合わせる。打撃の間合いから再びケージ際で組み合った両者、離れたソン・ミンジョンが飛びヒザを見せる。
組んだ春日井は後方に引き込むように倒されるも、すぐに体を起こしたリバーサル。トップを奪取し、腕十字をしのいで担ぎパスからバックへ。両足をフックした春日井はRNCを仕掛ける。ここで手首を掴んで耐えるソン・ミンジョンに対し、春日井は2度、3度とRNCを狙う。ソン・ミンジョンが起き上がっても、前方に落ちることなくバックマウントをキープする春日井はRNCを狙い続ける。しかし、残り30秒でついに胸を合わされガードを強いられる。春日井はパウンドを受けながらタイムアップに。ラウンドこそ取ったが、嫌なラウンドの終わり方となってしまった。
2R、右ストレートから左ジャブを打ち込んだ春日井、ソン・ミンジョンは続くテイクダウン狙いを切る。レフェリーは春日井がソン・ミンジョンをケージに押し込んだ状態でブレイクを命じる。試合がスタンドに戻ると、春日井は組まれてバックを許し、逆にRNCを仕掛けられる。手首を取って胸を合わせながら春日井が立ち上がると、ここで2度目のブレイクに。ケージでの組み合いのなかでのブレイクは、非常に微妙だ。打撃戦で右を打ち込んだ春日井だが、ここでもテイクダウン狙いを切られ、逆に2度目のテイクダウンを許してしまう。ここは尻餅ですぐに立ち上がると、またもレフェリーがブレイクを掛ける。打撃戦のなかで春日井がダブルレッグを狙うが、ソン・ミンジョンは受けが強い。
残り1分、腰をコントロールしてテイクダウン狙いのソン・ミンジョン。一旦はトップを取りかけた春日井がパンチを落とすが、スクランブルを制することはできず同体でスタンドへ。最後の20秒の打撃戦で間合いは図るシーンが、殴られて下がるようにも見えた春日井はラウンドを失った。
3R、右ローから前蹴りを入れた春日井。ヒザ蹴りからショートのワンツーを被弾し、前に出たところでダブルレッグを合わされてしまう。春日井はブリッジから胸を合わせていったが、ソン・ミンジョンの支え釣り込み足のような形で大きく宙を舞わされてしまう。ハーフからスイープ狙い、足を抜いたところでシングルを逆に決めた春日井。ここでもバックを取りきれず、前方に落とされ逆にバックを譲る。春日井はすぐに胸を合わせながら、同体で立ち上がると、小外掛けを仕掛けたが、これも決まらなかった。
声を挙げて前に出たソン・ミンジョン、組みついた春日井とケージ際の激しい攻防が続く。と、レフェリーは空気の読めないブレイクを命じる。残り90秒、互いのパンチは当たらず、ソン・ミンジョンは組んできた春日井を潰してトップへ。と、思われたが春日井がすぐに起き上がってケージに押し込んでいく。ここもブレイクを掛けたレフェリー。春日井にカットが見られドクターチェックへ。再開後にテイクダウンを取られた直後に、春日井が胸を合わせてパンチを落とすも、ここでタイムアップに。
最終回は最後にトップを取ったが、テイクダウンで劣った春日井の敗北濃厚だ。しかし、延長ラウンドの存在がジャッジの裁定基準を狂わせるのか、1－1のドローに。試合は4Rにもつれ込むことに。開始早々、右ストレートを伸ばし前に出たソン・ミンジョン。パンチの打ち合いのあと、春日井はテイクダウン狙いをスプロールされ、組み際にもヒザを当てられる。そのままケージに春日井を押しこんだソン・ミンジョンが離れると、ここで春日井の右がヒット。
春日井は打撃戦の流れからテイクダウンを狙うが、ソン・ミンジョンの防御力は高く、逆にワキを潜ってバックを取られる。ボディロックからテイクダウンを奪われてしまった春日井はパウンドを受けつつ立ち上がる。互いに声を挙げて、打撃戦に出るとソン・ミンジョンは、ここで大外刈りでテイクダウンに成功してパウンドを落とす。春日井は首を取って立ち上がり打撃戦へ。互いに疲れからか、軸が乱れ打撃を出しては組みつくという状態が続く。組み合いを許さずにブレイクを続けるレフェリー。
残り1分、エルボーも織り交ぜて限界を超えたような形相で殴り合う両者。足を揃っているところで組まれた春日井は、ここで四つからケージに押し込んでテイクダウンを奪う。バックを取りきれず、前方射落とされながら腕十字を仕掛ける春日井。ヒジが抜けており、動きが止まったなかで試合はタイムアップとなった。
精根を使い果たした激闘を延長3－0の裁定で制したソン・ミンジョンが、その腰にRFC暫定フライ級王座のベルトを巻いた。
