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【UFC174】田中路教、持ち味発揮し快勝。確かな一歩を示す

<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
Def.3-0:30-27, 30-27, 30-27
ローラン・デローム(カナダ)

カオル・ウノ、ミチノリ・オミガワら日本のベストファイターと練習していると煽り映像で紹介された田中。さらに2010年全日本アマチュア修斗優勝、北米での試合は初めてでもグアムで試合をし、2013年にPXCのチャンピオンになった、柔道ベースで非常に力強いと中継陣にも詳しくキャリアを言及され、ケージへ。対戦相手はUFC2勝1敗1NCのデロームだ。

やや遠い位置で左右にステップを踏む田中に対し、デロームが右ストレートを伸ばす。田中もワンツーを返し、デロームも同じ攻撃を繰り返すなど慎重な立ち上がりに。田中はローを入れ、デロームのパンチをサークリングでかわす。その田中の最初のテイクダウンの試みもデロームは軽くいなす。と、田中のローにデロームが右を合わせる。バランスを崩し尻餅をついた田中はマウントを許すが、背中を向けて前方に落すという得意の動きを見せてトップを取り返す。

デロームのクローズドガードのなかで左のパウンドを落した田中だが、デロームは続いて三角絞めへ。胸を張ってベースを取り直した田中が右エルボーを落す。田中は立ち上がろうとしたデロームの手首を払ってトップをキープすると、左エルボーを見せる。パンチの連打を見せた田中は右エルボー、残り1分を切ってもブレイクは掛からない。パスを狙う田中にデロームが下から鉄槌。田中は掴まれているリストを切って、重い右パウンドを見舞っていく。

このままトップを取り続けた田中、ダウンはスリップ気味だったこともあり、初回は取ったか。2R、田中がまずワンツーを決める。果敢にパンチを見せ、デロームのパンチには距離を取る田中。上手くフラストレーションを与えている。と、真正面から組みついた田中は、デロームをケージに詰めると腰に乗せてテイクダウンに成功する。トップから細かいパンチを交え、プレッシャーを与えた田中はパスに成功する。

デロームも足を戻し、リバーサルで揺さぶりを掛けるも、この辺りのトップキープこそ田中の持ち味。動きの中でマウントを奪取した田中はエルボーから肩固めへ。デロームが足を戻してハーフを取るも、田中はエルボー&パンチを落し続け、三角狙いもしっかりと事前に防いでいく。残り10秒、エルボーとパンチをまとめた田中は、カットも奪い明確にこのラウンドを手にした。

最終回、田中は引き続きサークリング、デロームの跳びこみを落ち着いてかわす。と、田中は右ミドルを蹴り込む。真っ直ぐ前に出た田中は、組んでバックに回る。デロームが胸を合わせると、豪快に反り投げで崩してトップへ。デロームのリバーサル狙いをかわすも、パスからマウントを取られる。ここもロールしながら、胸を合わせた田中は右エルボー。続いて左のパウンドからパスのプレッシャーを与え、左右のパンチを流血のデロームに見舞っていく。

デロームのハイガードを徹底して潰した田中は、右足を抜くとエルボー。デロームが右腕を差してくると、待っていましたとばかりにエルボーを連打し、2度目のマウンド奪取へ。デロームが足を戻してくる動きに合せてエルボー&パンチを繰り返す田中は、起き上がろうとしたデロームのバックに回ってバックスナッチで後方に押し倒す。そのままバックをキープした田中は最後までトップから攻撃を続け、しっかりと最終回も取った。ポジションを許す戦いが命取りになるという不安もあった田中は、2度マウントを許すも、これまで通りでここからトップを取り返すこともでき、フルマークの判定勝ちを手にする。

「ちょっとデビュー戦だったので勝ちにこだわり、面白い試合ができなくてスイマセン。次はもっとアグレッシブに攻めていく試合をするので期待してください」。UFC初勝利を挙げた田中路教はこのように語り、初オクタゴンを後にした。

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