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【ONE105】マレーシア女子MMAを引っ張る影猫ジヒン・ラズワン「シャイ過ぎて対戦相手しか……」

Jihin Radzuan【写真】ラズワンの愛称はシャドーキャット。本当に大人しい性格の持ち主なので。ジムでこのように呼ばれるようになったということだ(C)MMAPLANET

6日(金・現地時間)にマレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催されるONE105「Mark of Greatness」でマレーシア人女子ファイターのジヒン・ラズワンが、デニス・ザンボアンガを迎え撃つ。

見るからに大人しそうな彼女が、どのようにマレーシアのMMAを引っ張る存在になったのか。MMAを始めた理由や、これからを尋ねた。


──金曜日にザンボアンガと対戦します。準備は整っていますか。

「いつもファイトキャンプは2カ月半は行うけど、今回はオファーから試合まであまり時間がなくて2カ月できたかどうかという感じで。でも凄くスムーズにキャンプは終えることができたわ。彼女はグラップラーのようだから、より寝技に重点を置いてきたけど、ちゃんと打撃の練習もしているので問題はないはずよ」

──キャンプはどこのジムで行ったのでしょうか。

「アルティメットMMAアカデミーよ。ジョホールバルにあるジムで、私がMMAを始めたジムなの」

──ジョホールバルはシンガポールに近い街ですが、シンガポールに出稽古にいくことはありますか。

「私はフルタイム・アスリートでなく、動物病院でナースをしていて……だから、シンガポールまで練習に行く時間はなっくて。でも、ずっと同じチームでやっているし出稽古に行く必要もないと思っているわ」

──ジョホールバルに住む女性がなぜMMAに興味を持ったでしょうか。

「私は6歳の時からシラットをやっていたこともあったけど、学校でホッケーやサッカーとか色々なスポーツを経験してきたの。でも、どうしても物足りなくて。15歳ぐらいの時に韓国のリアリティTVショーをテレビでやっていて、そこにソン・ガヨンが出ていたのを見て凄く興味深くて」

──ルームメイトですね

「そう!! 私にとってソン・ガヨンが初めての女子MMAファイターだったの。マーシャルアーツのことは少しかじってきたけど、MMAはまるで分からなくて。だから凄く興味深くて、自分でやってみたくなってジムを探したの。そしてアルティメットMMAアカデミーを見つけたんだけど、私はロンダ・ラウジーもミーシャ・テイトも知らなかったのよ(笑)」

──周囲の反応はどうでしたか。

「母と住んでいるんだけど、彼女は最初は賛成はしていなかった。でも、私の性格を知っているしやがて『気を付けてね。でもやりたいならしっかりやりなさい』って感じになってね(笑)」

──MMAを始めた時、何を目指していたのですか。

「何も(笑)。ただ練習したかっただけで。ONEも知らなかったし(笑)。トレーニングを始めて3カ月後に初めてムエタイの試合に出て、コーチからジムが主催しているアマMMAに出ないかと言われ、そこからMMAで戦う準備を始めるようになったわ。そしてMIMMAを経て、ONEでプロデビューできたの」

──多くの選手がプロデビュー戦から数試合は数百人、多くても千人、2千人ぐらいの観客の前で戦うのが普通です。でもONEでは5千、6千人、時には1万人のファンの前で戦うことこともあります。

「正直、ONEで初めて戦った時は観客の波を見て本当に驚いたわ。『どうしよう』って(笑)。でもケージに上がって、試合が始まるときには回りのことは見えなくなっていて。ただ、魔の前にいる対戦相手しか視界になかった(笑)。私はシャイ過ぎて、そういう周囲のことが逆に目に入らないのが良かったみたいで」

──そんなシャイなジヒンも、ONEで戦うようになり生活環境が変わったことはないですか。

「凄く運が良かったのが、私のコーチは学校の先生で、そういう状況になってもしっかりとリードしてくれたことね。今もそう。彼と話すことで私は落ち着きを取り戻すことができるのよ」

──これまで5勝1敗、上々の結果を残せています。

Jihin arm bar「う~ん、ONEは生まれたてのプロ選手が多いから。2018年のプロデビューから経験は当然のように積んできたし、だから戦績については……OKっていう感じかな」

──ジヒンの戦う女子アトム級には山口芽生選手と平田樹という2人の日本人選手が活躍しています。

「メイは経験豊か、私とは比較にならないキャリアを持っているわ。35歳を過ぎて、このスポーツにこれだけ専念しているなんてホントに凄いと思っている。

イツキは凄く若い選手よね。MMAを始めるまで私は日本の人っていつも大人しくて、落ち着いていると勘違いしていたの。そうしたら日本にはMMAがたくさんあって、彼女たちも凄くアグレッシブで……なんか良い意味でね、私が思っていたの日本と全然違うんだって凄く印象的だったわ」

──ジヒンもまだ21歳じゃないですか。そんななかスタンプ・フェアテックスという選手も現れましたね。

「ムエタイとキックの世界王者がMMAに来ることで、立ち技のファンがMMAを見始めてくれるだろうし、凄く嬉しいわ。良いことだと思っている。対戦相手としては……まだ、この試合があるし彼女をそんな風に語ることはできないかな」

──今後、フルタイム・ファイターになることを考えていますか。

「MMAアスリートとしてだけ生きることは現実的じゃないと、私は思っていて。どの試合でも終わればまたジョホールバルで仕事をして、勉強もし練習するっていう日々が私には待っているから。私は仕事をして、勉強もしているからこそ、練習も頑張れるのかなって。フルタイムのMMA選手になると、練習時間の以外の使い道が分からなくなってしまうから(笑)」

■ONE105対戦カード

<ONE Super Seriesキックボクシング世界ストロー級王座決定戦/3分5R>
ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ワン・ジュンウァン(中国)

<ONE Super Seriesキックボクシング世界バンタム級王座決定戦/3分5R>
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
ジャン・チェンロン(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジヒン・ラズワン(マレーシア)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
ダンテ・シーロ(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
グルダージャン・マンガット(カナダ)
リース・マクラーレン(豪州)

<キックボクシング・ライトヘビー級/3分3R>
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーシラー・プーケットトップチーム(タイ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ムハメド・アイマン(マレーシア)
チェン・ルイ(中国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
キム・ウンギョン(日本)

<72キロ契約/5分3R>
ロディアン・メンチャベス(フィリピン)
ユン・チャンミン(韓国)

<ムエタイ・ラフイ級/3分3R>
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)
内藤大樹(日本)

<女子フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ソバンナリー・エム(米国)
ハイアニ・バストス(ブラジル)

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