【PFC】PFCやれのんか! 。メインはライト級王座決定戦、西川大和の無差別級出場の真意を山本代表に訊く
【写真】前回の9月大会でSBからの凱旋挨拶を行う西川 (C)PFC
12日(火)、PFC(Pound 4 Pound Championship)より12月22日(日)に札幌市西区の琴似コンカリーニョで開催される「PFCやれんのか! 2019」の対戦カードの発表があった。
道産子MMA大会=PFCの今年3度目、最終イベントのラインナップが決定した。
メインは9月29日大会で組まれたライト級王者決定トーナメント準決勝でそれぞれ山本祐希、成田佑希を下した渡辺トシキと新名正啓がベルトを賭けてファイナルを戦う。セミは9月のシュートボクシング後楽園ホール大会に出場し、元SB日本スーパーウェルター級チャンピオンの坂本優起を2-0の判定で下した西川大和の凱旋試合が組まれた。
若干16歳ながら既にTOP FC、Grachan、NEXUSに出場慶経験のある西川は、無差別級でミドル級ランカーの飛龍と戦う。またPFCバンタム級チャンピオン小倉卓也は、9月に続き連続参戦となり上荷大夢との対戦が決定、そして地下格Number1から三河幕府関野大成が初参戦を果たし、PFC初代ヘビー級王者ズールとのマッチアップも決まっている。
北海道、札幌という土地で土着MMA大会を開催し、普及に努めるPFC。1カ月に複数回のMMA興行及び大会が開かれる首都圏と、地方都市では状況が違うことは理解できる。地下格闘技に関しても、試合機会の多い首都圏や大阪のMMA界と、PFCの山本喧一代表を始め九州や地方のMMAジム関係者に捉え方に差がある。後者の『強くなりたいと思っている選手が、その場にもいる』という考え、中央のスケールで一刀両断することはナンセンスだ。
その一方で今大会、ライト級で戦うこともある西川が無差別級でミドル級の選手と戦う試合は階級制を敷くMMAの有り方及び、普及という点においても黙認できるマッチアップではない。
大前提として未成年の西川の今回の試合に関して、PFCでは西川の父兄とも話し合った結果、この対戦カードが決定した──ことを踏まえ、山本代表の真意を尋ねた。
──今回、ライト級の西川選手とミドル級の飛龍選手の試合が無差別級として組まれています。スポーツとしてMMAが社会に浸透するために少しでも危険な要素は排除するべきだというのが私どもの考えです。特にPFCでは北海道という土地でMMAを普及するという大義があるなか、体重差のある試合を組まれたのはなぜですか。
「私もMMAに創世記から関わってきた人間ですし、無差別級が当然だった時代からスポーツ化というモノを提唱し、促し、微力ながら努力してきたつもりですので、その考えはよく理解しているつもりです。その一方で北海道という土地柄、PFCではアマチュア大会を開いていた時代も、その層の薄さから格闘技のあらゆる可能性を求め、多岐に渡るルール、無差別級の試合も積極的に組んできました。
現在、そういう過程を経て競技人口も私が北海道に来た当初と比較すると順調に増えてきました。その結果、4月のプロ化とともに無差別級のランキングも廃止にしたんです」
──それでも今回、西川✖飛龍を組んだのはどのような理由があったのでしょうか。
「まず、私もまずはライト級で対戦相手を探していました。ただし、師走はイベント数も多く──また16歳の相手と戦うということも影響したのか、なかなかマッチメイクが決まりませんでした。
同時に西川選手はUFC世界ミドル級王座を将来的な目標に掲げています。そのために体を大きくするためにミドル級で戦えるようフィジカル・トレーニングを積んでいた時期もありました。ただし、まだ成長期にある彼が昨年よりプロとなり海外や中央で試合をする機会も増え、体の負担を考えると体重を抑えてウェルター級やライト級で戦うという方向で目標を定めました。
今回は、それでも本人も半年ぶりの北海道の試合でもあり『将来のミドル級王者になるという目標のために、その道程としてミドル級の選手と戦って経験を積みたい』という要望もあって、この試合のマッチメイクに至りました」
──そのような事情も十分に伺ったうえで、MMA大会を開くなかで安全面は何物とも比較する対象にはならないという私どもの理想論は山本さんにお伝えさせてください。
「ハイ。もちろん、ライト級の選手が見つからなかった時点で試合を延期することも一つの手段ではありますが、このローカルから中央や海外の選手とためを張って強く成っていく為には、試合の機会を増やして、経験値を積むことこそ最短最速で強くなって行くことに必要なことだとも私は考えています。
とはいえ無差別級ランキングを廃止した時点で、体重差のある試合は組まない方向です。西川大和選手の無差別級の件は特例中の特例。それがPFCの基本姿勢です」