【写真】圧倒的にジャブの精度が高かったキム・ミンウ。日本で彼と伍することができるバンタム級選手は決して多くないはずだ(C)ROAD FC

＜Road FCバンタム級選手権試合／5分3R+ExR5分＞
キム・ミンウ（韓国）
Def.ExR 3-0
ジャン・イクファン（韓国）

ジャンが左ミドル、キムが左ジャブから右を伸ばす。相打ちのように右を放ったジャンはジャブの差し合いに続き、パンチの交換からヒザを狙う。キムがキャッチしたがテイクダウンは奪えず打撃の間合いに戻る。ワンツーのチャレンジャー、王者は左ジャブを返す。鋭いローを蹴ったジャンに対し、キムも右ローを返す。右ローを続けるキム、ジャンは左ジャブを伸ばし、左ローへ。慎重かつ緊張感溢れる打撃戦は左ミドルを入れるなど、ややジャンの流れか。

王者も鋭い右ローを蹴り、左ハイを狙う。ジャンは左ミドル、左フックを当てローにワンツーを合わせていく。キムも左ジャブを2発当てたが、初回は微差ながら挑戦者のラウンドとなったか。

2R、左ロー&左ミドルを蹴る挑戦者。キムはジャブ&右ローで攻撃を組み立て、パンチにはしっかりと距離を取る。ワンツーで距離が詰まると首相撲&ヒザを狙ったキムはパンチの交換中に左ミドルを入れる。挑戦者は左足の裏が紫になり、左目尻から流血が見られる。ジャンの攻撃をかわし、着実にジャブとローを当てるキムのペースで試合が進む。残り1分、ジャンは前蹴りから左ローを繰り出すが、打ち合いのなかで右ストレート&左フックを被弾し、右ローで体がよれる。相打ちでも王者に勢いのあるラウンドとなり、キムが取った。

最終回、ダブルのジャブから右を伸ばした王者。ジャンの左右のフックが空振りになった直後に、前に出て次はワンツーをヒットさせる。キムも呼応し、接近戦の打ち合いとなりワンツーから右を打ちこむ。両者、落ち着きを取り戻したように間合の測り合いへ。キムがジャンの左ヒザに右ストレートを合わせる。乱打戦ではジャンが優位という印象もあるが、レンジとタイミング争いでは王者がリードする。そして、その打ち合いの数は決して多くなく挑戦者としては、さらなる攻撃が必要だ。

ジャンは打ち合いになると視線が下がり、パンチを振りまわすようになるが、その無軌道なパンチの方が王者は不得手なようだ。綺麗なキックボクシングではキムは攻勢を譲らず、ジャンの顔に傷が増えていく。残り30秒を切って右を届かせたジャンだが、キムはそれ以上の反撃を許さずタイムアップに。

2R以降は試合をコントロールしたキムだが、ロードのタイトル戦は延長ラウンドが存在し、微差では決着戦を望む傾向にあるが……果たしてタイトル戦は延長に突入する。ドロー裁定に不満気な表情を浮かべたチャンピオン、この精神状況がいかに影響を及ぼすか。

延長R、ジャブを差し合った両者。ジャンが左ミドルを見せ、キムは左ジャブをしっかりと打っていく。挑戦者のジャブにワンツーを繰り出すキムが、左ジャブを当て右ストレートを伸ばす。強引な右オーバーハンドが空振りになったジャンは、踏み込んでもキムのショートのコンビに攻撃を阻まれる。

試合展開は本戦と大きく変わることなく進み、最も有効な攻撃はチャンピオンの左ジャブという流れが続く。ジャンが右を伸ばすが、クリーンヒットは王者のワンツーから右だ。ジャンもジャブ移行の攻撃は見られず、試合は残り1分を切る。ワンツーを当てたジャン、キムは右と左のフックを被弾し、右ローを返す、ワンツーの右を当てたキム、ここからクリーンヒットはなく互角のまま延長ラウンドも終了を迎える。

結果、3－0の判定でキム・ミンウが王座初防衛に成功した。

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