【ADCC2019】無差別級─03─77キロ級のジャイルスが、再び内ヒールで勝利。準決勝進出!!
【写真】2試合連続で重量級のトップ選手を食ったジャイルスが無差別級の台風の目となった (C)SATOSHI NARITA
9月28日(土・現地時間)と29日(日・同)の2日間、米国カリフォルニア州アナハイムにあるアナハイム・コンヴェンション・センターでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・ファイティング選手権が行われた。
2年に1度、ノーギグラップリング世界最高峰となるこの大会のプレビュー26弾は階級を超えた夢の対決が次々と実現した準々決勝からラクラン・ジャイルス✖パトリック・ガウジオの一戦をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi
<無差別級準々決勝/10分1R+ExR5分>
ラクラン・ジャイルス(豪州)
Def. by ヒールフック
パトリック・ガウジオ(ブラジル)
初戦にて無差別級王者のカイナン・デュアルチをヒールに極めて、世界を驚かせたジャイルスの次の相手はやはり超大物。一昨年、昨年と世界柔術準優勝に輝き、今回99キロ以下級に出場したパトリック・ガウジオだ。
この試合もシッティングから足を絡めようとするジャイルスに対し、足関節を警戒するガウジオは腰を引いて対処する。それでもジャイルスは内回りに回転しインヴァーテッドの体勢を作り、ガウジオの右足を抱えて引き出す。バランスを崩されたガウジオだが、回転しながらジャイルスの腰を手で押して距離を作る。
やがてガウジオは両手と両足でジャイルスの絡んでくる両足を解除すると、左手を伸ばしてジャイルスの首根っこを掴んでマットの下にねじふせるような形で上に。しかしジャイルスは柔軟な体を利用して足を入れてガードに戻してみせた。ジャイルスが再び内回りからインヴァーテッドで右足を狙うと、ガウジオは腰を引いて距離を取って回避した。
今後はデラヒーバでガウジオの左足に絡んだジャイルス。対するガウジオも上からジャイルスの右足を取ると、トーホールド狙いで後ろに倒れ込む。足関節で名高いジャイルス相手に大胆な動きにも見えるが、ガウジオにとってトーホールドは、ホムロ・バハウの足首を完全破壊したこともある得意技だ。
が、ジャイルスはすぐに足を引いて防御すると、逆にガウジオの右足を両手で掴んで引きつける。ガウジオが嫌がって右足を動かすが、その間にジャイルスはまず右足、次に左足と抉じ入れて50/50を完成。危険を感じて回転するガウジオに対して、ジャイルスはうつ伏せになりながらガウジオの右足を右脇に引っ掛けると、内ヒールへ。
強烈にひねり上げるとガウジオは一瞬でタップ。わずか3分半、ヒザを抑えて苦悶するガウジオを尻目に高々と両手を挙げたジャイルスは、またしても階級上の超大物を50/50からの足関節で仕留めたのだった。