【ADCC2019】無差別級─05─ゴードン・ライアン、ジャイルスに足を絡ませずフェイスロックで一本勝ち!
【写真】準決勝で敗退もラクラン・ジャイルスはアブソルートのMVPといえる活躍だった (C)SATOSHI NARITA
9月28日(土・現地時間)と29日(日・同)の2日間、米国カリフォルニア州アナハイムにあるアナハイム・コンヴェンション・センターでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・ファイティング選手権が行われた。
2年に1度、ノーギグラップリング世界最高峰となるこの大会のプレビュー28弾は2019年グラップリングの頂点への一里塚=無差別級準決勝からゴードン・ライアン✖ラクラン・ジャイルスの一戦の模様をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi
<無差別級準決勝/10分1R+ExR5分>
ゴードン・ライアン(米国)
Def. by RNC
ラクラン・ジャイルス(豪州)
足関節革命を牽引してきたダナハー門下の最強戦士ライアンと、彼らとは一味違う50/50からのヒールフックで重量級の超大物柔術家二人を仕留めたジャイルス。足関節技術において現在の最先端をいく両者の対決だ。
ジャイルスは座ると、横回転してインヴァーテッドの形を作りながらライアンの右足を抱えての足狙いに。が、対するライアンは落ち着いて重心を落としつつ、旋回するジャイルスの右足のカカトを上から押さえつけて絡ませない。
それでもジャイルスは体をずらして回転してライアンの右足を取りにいくが、ライアンは両手と残る左足を使ってジャイルスの足を絡ませず、さらに右足を引き抜く。
すかさずライアンの左足に狙いを変え、回転して足を絡めにかかるジャイルス。が、ライアンはまたしてもジャイルスの右腕を掴んで絡ませず、逆にジャイルスの左足をヒールで狙う。それを回転して逃れたジャイルスは、再び左足を狙うが、ライアンはここでもジャイルスの右足を手で掴んでフックを許さず、左足を引き抜いて離れた。
ここまで約2分。立ち上がったライアンは、足関節に付き合うのはもう十分とばかりに戦略を変更。
重心を前にかけてジャイルスの上半身を潰しにかかる。ハーフ上から左腕で首を枕に取りにかかるライアンに対し、ジャイルスは両腕でディフェンスを試みる。が、ライアンは上半身全体でジャイルスの潰すような形で枕を取り、ジャイルスの首を圧迫する。
そのままヒザを抜いてライアンがパスを完成したかと思われたところで、ジャイルスは下から動いてインヴァーテッドで足を入れる。
が、ライアンはその足に体重をかけて潰しつつ、ジャイルスの股間に低く体をこじ入れるような形でサイドを取ることに成功した。
改めて枕を取ってジャイルスの首を殺したライアンは、やがてマウントに移行。
さらにジャイルスの左腕を首の後ろから回して取るような形で圧迫し、背中を向けさせてバックを取ると、4の字フックを完成。アゴを引いて守ろうとするジャイルスに対して、アゴの上からアナコンダの形で絞めげて、残り2分近くのところでタップを奪ってみせた。
順当に決勝進出を果たし、階級別と無差別の二冠王に王手をかけたライアン。デュアルチとガウジオを仕留めたジャイルスの足関節を確実に対処してみせたあたり、攻めるだけでなく防御を知り抜いていることを印象つけた勝利だった。