【ADCC2019】77キロ級─04─JT・トレス、2大会連続でグラップリング世界一に。トノンが3位入賞
【写真】77キロの2連覇はマルセリーニョ・ガウッシアの3連覇に続き2人目。2度優勝はヘンゾ・グレイシーがおり、マルセリーニョは4度優勝している。JTのこの優勝がどれだけの偉業が分かるかというモノ (C)SATOSHI NARITA
9月28日(土・現地時間)と29日(日・同)の2日間、米国カリフォルニア州アナハイムにあるアナハイム・コンヴェンション・センターでアブダビコンバットクラブ(ADCC)主催の世界サブミッション・ファイティング選手権が行われた。
2年に1度、ノーギグラップリング世界最高峰となるこの大会のプレビュー17回目は77キロ以下級3位決定戦とファイナルの模様をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi
<77キロ以下級3位決定戦/10分1R+ExR5分>
ゲイリー・トノン(米国)
Def. by ヒールフック
ダンテ・リオン(カナダ)
先に座り込んだリオンは、得意のニーシールドの形から崩しにかかる。対するトノンも上から積極的に動き、途中でリオンのニーシールドをさばく形から横回転してイマナリ・ロールを見せて足関節狙いという珍しい動きを見せる。
が、今度はそれを凌いだリオンがベリンボロでカウンター、しかしトノンも距離を取る。ちなみにこのリオンのベリンボロによる足関節カウンターは、トノン自身も以前から研究していた動きだ。
その後も両者が様々な形で仕掛け合う展開が続き、試合は加点時間帯へ。下のトノンは、ダンテの体をバタフライで浮かせながら前に崩すと、一瞬で自らの左足をダンテの右足に絡めて外ヒールへ。回転して逃げるダンテが諦めてタップすると、すぐにその両手を離したのだった。
近年はMMAに集中しているトノン。本来出場の予定のなかった今大会、チームメイトのニッキー・ライアンの階級移動等を受けての緊急発進だったが、カヌート戦、トレス戦と観客を魅了する名勝負を魅せた上での3位入賞。千両役者ぶりを見せつけた。敗れたリオンも、準々決勝でレプリを倒す大殊勲。こちらも今大会が生んだニュースターの一人となった。
<77キロ以下級決勝/20分1RExR10分>
JT・トレス(米国)
Def. by 本戦 3-0
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)
前回優勝のトレスと3位のホシャによる決勝戦。試合は開始からスタンドレスリングの攻防が延々と続く。トップゲームを身上とする両者だけに、簡単には譲らない。頭を付けて押し合いいなし合う──動きは少ないが、間違いなく熾烈な──攻防が展開された。
17分近くが経過したところ、トレスは潜り込んでシングルへ。ホシャの左足を引きつける。体を起こされたホシャはキムラグリップを作ってのカウンターを狙うが、トレスはすかさず体をずらして背後へ。
亀になったホシャのバックについたトレスは、そのまま体を崩しながらフックを狙う。ホシャは横回転を続けるが、トレスはその間に襷掛けを作って四の字フックを完成、3点を先制した。
その後も強烈な襷掛けグリップでホシャの上半身を固定したトレスは、結局試合終了までバックをキープ。そのトップゲームと世界一のバックテイク能力を存分に発揮したトレスが、2連覇の偉業を達成した。
■77キロ以下級リザルト
優勝 JT・トレス(米国)
準優勝 ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)
3位 ゲイリー・トノン(米国)